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ウェアラブル市場でも台頭してきた中国Xiaomi:安さを武器に市場シェア拡大した「Mi Band」

Low budget is a key to success

2015.06.10

Updated by Hitoshi Sato on June 10, 2015, 15:01 pm JST

調査会社IDCは2015年6月3日、2015年第1四半期(2015年1月~3月)の世界でのウェアラブル市場調査のメーカー別出荷台数、シェアを発表した。

2015年第1四半期に出荷されたウェアラブル端末は1,140万台で、中国のXiaomi(小米)が出荷台数280万台、シェア24.6%で2位に登場してきた。中国のXiaomi(小米)は中国市場ではスマートフォンで有名である。同社は2014年7月にスマートリストバンド「Mi Band」を発表し、中国で9月から79元(約1,300円)で販売開始した。現在はアメリカや欧州、インド、マレーシアなどでもオンラインで販売されている。アメリカでは14.99ドルと、サムスンやFitbitのウェアラブル端末と比べると非常にお手頃な価格であることも人気の秘密なのだろう。

今回のIDCの調査によると、ウェアラブル端末の出荷のうち40%以上(約456万台)は100ドル以下の端末とのこと。

ウェアラブル端末は従来利用していなかった人が多い。ウェアラブル端末が登場したから、購入してみよう、健康管理をしてみよう、という人がほとんどである。携帯電話を利用していた人が、買い替えでスマートフォンにするというものではない。取りあえず安い端末を買ってみて、試しに使ってみるという人が多いのだろう。最初から200ドル以上もするようなウェアラブル端末を装着するような人はそれ程多くないはずだ。そのようなことから100ドル以下の低価格なウェアラブル端末が人気がある。

中国を代表するスマートフォンメーカーにまで成長したXiaomi(小米)は中国市場でのスマートフォン市場の成熟に伴い、東南アジアやインドなどに進出しているが、そこでの競争は非常に激しい。一方で、低価格なスマートリストバンド「Mi Band」は中国だけでなく、世界中で販売され、受け入れられている。Xiaomi(小米)にとってスマートフォンの次の収益の柱になるのはスマートリストバンド「Mi Band」に代表されるウェアラブル端末になりそうだ。

▼2015年第1四半期におけるウェアラブル端末の出荷台数とメーカー別シェア
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(IDC発表資料を基に作成)

▼Xiaomiの「MI Band」。歩数計、消費カロリー計のフィットネス昨日や睡眠のモニタリングや目覚まし機能などが搭載されており、Bluetoothで連携し、専用アプリで健康や睡眠に関するアドバイスが提供される。6色あり、1回の充電で30日間バッテリーが持つ。
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(出典:Xiaomi)

 

【参照情報】
Wearable Market Remained Strong in the First Quarter Despite the Pending Debut of the Apple Watch, Says IDC
Mi Band

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。