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「被災者が、何が欲しくて、何が必要かという情報がまったくなかった」──おおふなとさいがいエフエム運営責任者 佐藤 健氏(後編) | 次の記事 |
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──周辺で、ネットを使って震災後の生活を改善しようとか、状況を良くしようとされている方はいらっしゃいましたか。
佐藤:結構いますね。外部のボランティア団体との連携や、物資のやりとりはネットを使うのが早かったですね。TwitterであったりFacebookでつながって支援物資をいただきました。ただ、みんなが使えるものではないので、一部の方々が早く動き出して、やっていました。
避難所自体は年配の方がリーダーだったもので、避難所全体でネット回線を使ってというのはあまり無かったですね。私らみたいにもともとネットを使っていて、今回もポケットWi-Fiとか使って個人的にやったり、とかがほとんどでした。
ただ、アクティブな人は、避難所から飛び出して動き出すのが早いんですよ。やっぱり情報収集に長けている人はフットワークが軽いのでどんどん動いて、取り残されるのはあまり使えない人。ネットの回線だけあっても「どうやって使うの」という人が残っちゃうのが、なかなか難しいところだなと思います。
支援する方はパソコンや物資を送れば完結かもしれませんが、実際の現場はパソコンが来ても、使いこなせなければ場所をとる邪魔な箱になってしまう。それをマッチングして必要で使える人の所に行かないのかなと、思っていた。
今回も、業界団体や通信事業者から、ピカピカのパソコンが避難所にたくさん送られて来ました。でも先ほどの通り、避難所のリーダーはパソコンと無縁の人たち。だから片隅に追いやられていました。一方で私はパソコンで情報を取得したかったので、「ああ、あれが使えれば...」とよく感じていました。
▼インタビュー中の佐藤氏(左)とクロサカ氏

──使える人、使うべき人の所に行き渡らないというのは通信周りの話だけじゃなくて、今回の震災の特に大きな傾向だと思います。行政だけでなくNGO/NPOにも、画一的・自制的な動きになってしまっていたところはあります。
佐藤:被災者の側も、支援依存というのが起きています。現地の私が言うのもなんですけど、貰い慣れしているんですよね。自立する気が無い人が増えているのは事実で、失業保険も給付期間が延長になったことで、求人を出しているのに応募が来ないという、変な悪循環が生まれているんです。
企業はひとりでも雇用したい。雇用することのメリットは企業にもあって、助成金や補助金が出る。とにかく「仕事がないならうちに来て」という企業があるにも係わらず、雇用保険、失業保険の延長で「とりあえず満額貰ってから動きだす」という人が増えている。
危機感を感じてる人は失業保険を当てにしないで、動き出しているんですよ。一方で依存状態になって、パチンコ屋で義援金を全部すっちゃったって人もいます。私はそういう状況がすごく嫌で「一歩踏み出そう」という話しをよくするんですけど。
──でも、そういう人を責めることは、できないと思います。どうしても易きに流れてしまうところが人間にはありますし、ご本人もいまだ混乱状態なのでしょうから。むしろ、支援する側がもっと考えないといけないところですね。
(後編に続く)
クロサカタツヤ(くろさか・たつや)
株式会社企(くわだて)代表。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)在学中からインターネットビジネスの企画設計を手がける。三菱総合研究所にて情報通信事業のコンサルティング、次世代技術推進、国内外の政策調査・推進プロジェクトに従事。2007年1月に独立し、戦略立案・事業設計を中心としたコンサルティングや、経営戦略・資本政策・ M&Aなどのアドバイス、また政府系プロジェクトの支援等を提供している。
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