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データセンターは、大量のサーバなどのIT機器を効率よく設置できる環境を実現するために、大容量の電気設備や空調設備を備えています。しかし、現在のデータセンターには、サーバから排出される熱が当初の設計時の想定を大きく上回り、十分に冷却できないという問題があります。これは、IT機器の処理能力や集積度が向上し、機器あたりの消費電力とともに発熱量が増えていることが原因です。当初、サーバを設置するラックあたりの消費電力は、実効値で1〜3kVA程度と見積もって設備を設計していたのですが、現状は4〜6kVAが当たり前になりつつあり、将来は10kVA以上になる可能性があります。
また、2020年に温室効果ガスの排出量を1990年比で25%削減するという国際公約の実現や、東京都の環境確保条例によってCO2総量削減が義務付けられることなどから、データセンターにおいても消費電力を減らす対策が必要になっています。データセンターでは、IT機器が最も多く電力を消費します。しかし、空調機器もIT機器と同等の電力を消費しています。このため、消費電力を大幅に削減するには、従来の空調方式を見直し、消費電力量が少ない新たな空調方式を導入する必要があります。
電力の消費を抑えて冷却する方法には、外部環境を利用する次の2つがあります。このうちwater-sideeconomizer(チラーレス水冷方式)のみをフリークーリングと呼ぶことが多いですが、消費電力量を削減して冷却するというという意味ではair-side economizer(外気冷却方式)もフリークーリングに含まれます。
●water-side economizer(チラーレス水冷方式)
●air-side economizer(外気冷却方式)
チラーレス水冷方式では、図-1に示すように、水の気化熱を利用して、より少ない電力で冷却水を作る冷却塔(クーリングタワー)を使用します。これに対して外気冷却方式では、冷たい外気を利用してデータセンターを冷却します。
▼図-1 チラーレス水冷方式の原理

この2つの方式には、表-1に示すような特徴があります。IIJでは、シミュレーションの結果から、年間利用可能時間が長く、冷却塔などの設備が必要ない外気冷却方式が次世代のデータセンターに適していると判断しました。
▼表-1 フリークーリングの方式比較

しかし、外気冷却方式では、大量の空気を吸排気するための開口部をサーバルームに設ける必要があります。このため、既存のビルに外気冷却方式を導入するためには、解決しづらい大きな問題が存在することになります。そこで、IIJは、空気を吸排気するダクトと筺体を一体化しIT機器を搭載するコンテナモジュールを開発することにしました。
久保 力(くぼ・いさお)
IIJ サービス本部 データセンターサービス部 副部長。通信事業者にて、固定電話網の設計/企画、データセンター運営業務を経て、2008年IIJへ入社。全国15か所のデータセンター運営と、島根県松江市の外気冷却方式コンテナ型データセンター構築を担当。ITとファシリティの融合を目指し、次世代データセンターの検討を推進中。
IIJ Internet Infrastructure Report
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