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○先進国市場は、米国・欧州・日本という、3つの分類で考えるとわかりやすい。いずれも、それぞれの異なる特徴と共通の要素がある。
○それぞれの市場では、市場細分化の度合いとデータ通信サービスの特徴によって、キャリアの支配力が異なっている。一方、音声からデータへの大きな流れは、3つの市場に共通している。

米国市場には、他の地域と比べ、下記のような特徴がある。
米国は、人口も多く売上も大きい豊かな国内市場をもつにもかかわらず、免許地域という面で伝統的に「細分化(フラグメンテーション)」しており、世界的に携帯サービスが大きく発展した2Gデジタル移行時には、デジタル方式の3方式並立も加わって細分化の弊害が大きくなった。これに加え、アナログですでに設備投資と端末普及が進んでいたために、最初からデジタルで新規ユーザーを入れた他国と比べて手間とコストがかかり、デジタル化が遅れた。
細分化の弊害とは、市場がばらばらに分かれ、ユーザー数が分散してしまうと、スケールメリットが出ずコストが下がらない、広い地域で同一のサービスが利用できない、相互にトラフィックや課金情報をやりとりするための手間がかかりすぎる、大きな技術開発投資ができない、といった種々の問題が出てくるということである。
2G移行後、デジタル化によるコスト減と激烈な競争により料金は大幅に安くなったが、細分化の問題やデジタル化の遅れにより、コンテンツ配信などの新しいサービスで日欧に遅れをとった。
しかし、その後キャリアの統合とデジタル方式の集約化が徐々に進み、携帯サービスがようやく「大きなプラットフォーム」となってきた。このプラットフォームの上に、ネット対応端末スマートフォンが発達し、アップル・グーグルというネットの2大プレイヤーが大きくコミットすることにより、新しい動きが米国から出てくるようになった。
イノベーションという、本来の強みを生かして、米国の携帯市場は活気を取り戻しつつある。
海部美知(かいふ・みち)
ENOTECH Consulting代表。NTT米国法人、および米国通信事業者にて事業開発担当の後、経営コンサルタントとして独立。著書に『パラダイス鎖国』がある。現在、シリコン・バレー在住。
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