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アップル、欧州標準化団体に必須標準特許のガイドライン作成を要請

2012.02.09

アップル(Apple)が、昨年11月に、欧州電気通信標準化機構(European Telecommunications Standards Institute: ETSI)に対し、必須標準特許のライセンス方法や特許使用料の設定に関するガイドラインを定めるよう求めていたことが明らかになった。

必須標準特許は、業界標準規格に準拠するために必要となる技術に関するもので、これに該当する特許の保有者には「公平、妥当、非差別的」という原則に沿って他社にライセンス提供することが求められている。アップルと特許権の侵害をめぐって法廷での争いを繰り広げるサムスン(Samsung)やモトローラ(Motorola Mobility)は、無線通信関連の必須標準特許を保有し、一部の訴訟ではこれをつかってアップルを訴えている。

アップルは、ETSIにあてた書面のなかで、必須標準特許のライセンス条件に関し、それが「公平、妥当、非差別的」であるかどうかを判断する基準が曖昧であり、そのことが特許使用料の高騰や訴訟の多発につながっていると指摘。その上で携帯通信端末の製造に必要となる特許権に関しては、適切な特許使用料を定める方法についてのガイドラインを作成するべきと訴えている。また同社は、こうした特許権の侵害を理由に端末の販売差し止めを求める行為も認めるべきではないと主張しているという。

アップルの弁護士が先月、カリフォルニアの裁判所に提出した書面によると、モトローラは同社に対し、2.25%の特許使用料を要求したという。具体的な対象となる製品など、その詳細は明らかにされていないが、Wall Street Journal(WSJ)では、仮にアップルがiPhoneの売上に対して2.25%の特許使用料を支払うとなると、モトローラに支払われる特許使用料は2011年の1年間分だけで10億ドルに達するとの試算を紹介している。

必須標準特許をめぐっては、これに分類される技術特許を保有するサムスンがその侵害を理由にアップルを訴えているが、それに対して欧州委員会ではサムスンのこの行為が同特許権の濫用にあたる疑いがあるとして、同社の調査に乗り出している。

また、ドイツではアップルの特許侵害を主張するモトローラの訴えが法廷で認められ、一部のiPhoneおよびiPad二関する販売停止命令が下されたこと受け、ドイツのアップルストア(オンライン)から一時的に当該製品が姿を消すという事態に発展。ただし、その後アップルが、問題とされた特許権が必須標準特許であることを根拠に控訴したため、当該端末の販売は再開されている。


【参照情報】
Apple Asked Standards Body to Set Rules for Essential Patents - Wall Street Journal
Apple pressures EU regulators to set FRAND licensing rules - 9To5 Mac
Apple asks ETSI standards body to set rules for standards essential patents - Apple Insider
アップル、ドイツで一時製品販売停止の事態に - 対モトローラ特許訴訟、iCloudにも影響
欧州委員会、サムスンを本格調査へ - 「FRAND」特許濫用の疑いで
欧州委員会、サムスンとアップルを調査 - 「FRAND特許」関連で情報提供を要請



平松波央、三国大洋(スタッフライター)

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