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値上げについては、「できる」「できない」と同時に、「するのか」「しないのか」という意志の問題が基本的にある。究極的な問いとしては、日本という成長が止まった経済の中で、自分たちをまだ成長企業として位置付けているかどうかですね。
位置付けたがっているじゃないですか、マネジメントは。「うちは成長企業です」と。その結果、キャッシュフローを(インドの)Tataなど海外に投資するとかね(笑)、そういう話なのか、そうではなく内部で成長するのかということに関して、そこが明確な戦略を描ききっていない印象はありますね。
LTEかHSDPAかという話は消費者にとって関係ない、まさに通信速度だか何だかよくわからないという感じになるはずだというのはおっしゃるとおりだと思います。ならば、HSDPA も(通信量に)キャップをかけちゃって、月6,000円くらいならここまでしか使えませんと。それ以上使いたいんだったら、もう1,000円払ってLTEのネットワークを使ってくださいと。LTEという名前を使うかどうかはともかくとして、そういうやり方はできる。
つまり、使える量を調整するというテクニカルなことはできますよねと。技術で通信速度がどうこうよりは、もう容量による、アメリカのケーブルテレビと同じような料金プランということだと思うんですけどね。使う人は払ってくださいという方向に持っていってまで、成長企業として自分たちを位置付けたいかどうかということです。
ある意味、フェアなサービスを提供することで社会的責任を果たすということと、消費者を裏切ることで自分達を成長企業として置くということ、この2つのバランス感覚で、答えを出すのをちょっと先送りにしているんじゃないかという印象は非常に強いです。
できることはあるんだけれども、余裕がありすぎて、ゆっくり考えている状態にすぎないという、モラトリアム期間に見えます。それが、LTEに対して戦略がどうも不透明な印象を持ってしまう最大の理由かなという気はしております。ほんとうに値上げをしてまで成長したいかどうか、ですね。
山科 拓氏(やましな・ひろし)
シティグループ証券株式会社 株式調査部 通信・インターネット担当アナリスト
証券アナリストとして10年以上に渡って日本の通信、インターネット、IT、ソフトウェア、メディア、ゲーム業界などを担当。ソフトウェア企業でCFOを務めた経験も有する。2007年7月よりシティグループ証券でアナリストとして通信・IT・インターネット業界を担当している。
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