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過熱するアップル-サムスンの特許紛争 - 「仮差止申請あれば早期決着も」と専門家

2011.06.20

アップル(Apple)とサムスン(Samsung)とが、スマートフォン関連の特許侵害をめぐって4月から続けてきている訴訟に関し、ある専門家が「アップルが仮差し止め申請に動けば、早期に和解に達する可能性がある」との見方を示している。

知財関連分野のアナリストで、「FOSS Patents」ブログを運営するフロリアン・ミューラー(Florian Mueller)氏は、自らのブログ記事のなかで、アップルが米国時間16日に新たに提出した訴状について言及。この訴状については、アップルが4月に北カリフォルニアの連邦地裁に提出していたオリジナルに手を加えたもので、分量もオリジナルの38ページから63ページに拡充されたほか、これまでの14種類に加え新たに10種類を超えるサムスン製端末の証拠提出を求めるなど、一段とサムスンへの圧力を強める内容となっているという。

アップルがこうした攻勢をしかけた理由について、アップル側から先に出されたサムスン製品の提出要請に対し、サムスンが裁判所に、未発売のもの(「iPhone 5」「iPad 3」など同社が外部には開発すら正式には認めていないもの)を含むアップル製品の提出を求めたことに対する対抗措置の意味合いがあるとミューラー氏は指摘。なお、提出された製品は弁護団のみに確認が許され、双方の内部の人間がこれを目にすることはできない。

アップルでは、17日の聴聞会に提出されるサムスン製品を確認した上で、自社特許の不正使用が認められたと判断すれば、それをもとにサムスン製品の流通を制限する仮差し止めの訴えを起こすことになるという。

アップルは先週、2009年から続けてきていたノキアとの特許関連訴訟で和解したことを発表し、同社からノキアへ一時金やロイヤルティの支払いが行われることが決まっている。

ミューラー氏は、サムスンの保有するスマートフォン関連の特許ポートフォリオは、ノキアのそれに比べるとあまり強力ではないとしたうえで、アップルがAndroid陣営の各社ーーなかでもサムスンを特許侵害で叩いておくことが自社の成功に不可欠との認識を持っていると考えられることや、そのために同社がGalaxy製品の仮差し止めという「異例の措置」を講じる構えを示していること、さらにサムスンにとってはアップルがCPUやフラッシュメモリーの大口顧客である関係などから、法廷による判断に至る前に両社間で和解に達する可能性があると述べている。


【参照情報】
Apple amends complaint against Samsung, asserts more intellectual property rights against more products - FOSS Patents
Apple raises the stakes in patent battle with Samsung - GigaOM
ノキア、今四半期にも首位陥落か - 「サムスン、アップルが浮上」とのアナリスト予測
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三国大洋(スタッフライター)

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