WWNトップ » 世界の話題

世界の話題

ノーテル知財オークション、「グーグルが逃した魚はとても大きい」と専門家(編集担当メモ)

2011.07.05

知財関連分野のアナリスト、フロリアン・ミューラー(Florian Mueller)氏といえば、このところ相次ぐ特許訴訟の話題でそのコメントを紹介することが増えている人物だが、そのミューラー氏が先週のノーテル知財オークション関してComputerworldやAllThingsDにコメントしているのをみつけた。

まず、Computerworldに対して同氏は、「今回のオークションは、グーグルにとって過去に前例のないほど大きな機会で、特許獲得に成功していれば、モバイル関連業界での知的財産をめぐる交渉のテーブルで自社の立場を強化する、大きな交渉材料を手にすることができたはずだった」とコメント。さらに「数の点でも質の点でも、今回のようなチャンスはしばらく出てこないのではないかと思う」と付け加えている。

また、同氏は過去に「モバイル関連業界の大手プレーヤーのなかで、グーグルはもっとも切実に特許を必要としている」とも述べていたが、この点については、Wall Street Journalがこの指摘を間接的に裏付けるようなグラフを掲載している。グーグルとノーテルの特許落札に成功した6社の特許保有数を比較したこの表をみると、取得済みのものだけでも、グーグルが701件なのに対し、落札した6社はソニー(3万4307件)、マイクロソフト(1万7936件)、エリクソン(9334件)、EMC(2150件)、RIM(1950件)、アップル(1830件)と、それぞれが単体でもグーグルを一桁あるいは二桁上回る特許を保有していることがわかる(なお同図の対象には、モバイル関連もふくめ、すべての特許が含まれていると思われる)。

さらに、AllThingsDの記事で触れられているように、グーグルや同社のAndroid OSを採用するハードウェアメーカー各社はすでに複数の訴訟に巻き込まれているが、ミューラー氏によるとその数は少なくとも45件にのぼるという。「アップル vs. HTC」「アップル vs モトローラ」「マイクロソフト vs モトローラ」「マイクロソフト vs バーンズ&ノーブル」「オラクル vs グーグル」などがその代表的なものだが、ミューラー氏はこれだけの訴訟が係争中であることなどを考えると、「資金的には十分に余裕があるはずのグーグルが、他社を上回る入札金額を提示して、ノーテルの特許を手に入れようとしなかったことが驚き」とし、「同社がAndroidに本当にコミットしているようには思えない」とも述べている。また同氏は、今後グーグルには、事業に行き詰まった新興企業などから少しずつ特許を買い集めるといった選択肢しか残されていないとも指摘している。

ちなみに、グーグルには第一四半期末時点で約340億ドルの資金(現金および短期証券が370ドル、対して負債は32億ドル)があるが、この「体力」の点ではアップル(約660億ドル)やマイクロソフト(約400億ドル)などには及ばない。


[参照情報]
Google loss in Nortel patent bids undermines Android, analyst says - Computerworld
Is Google the Biggest Loser After Nortel Patent Auction? - AllThigsD
Is Google too weak in the software patent wars to protect Android? - Guardian UK
ノーテル特許、アップルなどの連合が落札―グーグルは敗退 - WSJ日本版
アップルらの「包囲網」にグーグルが根負けか - ノーテル知財オークションの真相(編集担当メモ)
ノーテルの知財オークション、アップル、ソニーなどのグループが45億ドルで落札


三国大洋(スタッフライター)

関連タグ

バックナンバー記事一覧