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アップル、モトローラ「XOOM」も標的に - 欧州で特許侵害の訴え

2011.08.11

サムスン(Samsung)「Galaxy Tab 10.1」の販売仮差し止め命令を欧州で手にしたばかりのアップル(Apple)だが、実はモトローラ(Motorola Mobility)の「Xoom」についても同様の訴えを起こしていたことが明らかになった。

特許分野のアナリストで、フロリアン・ミューラー(Florian Mueller)氏が自らのFOSS Patentsブログで10日に明らかにしたところによれば、アップルはモトローラならびにドイツのジェイテック(JAY-tech)という企業に対しても、それぞれサムスンの場合と同様の特許侵害を訴えているという。

同氏は、公開された文書のなかには、モトローラ「Xoom」の販売仮差し止めを求める記述は見あたらないとしつつ、アップルがEU市場で同製品の販売差し止め(仮のものではなく、恒久的なもの)を求めている可能性が高いと指摘している。またジェイテックの製品についてはAndroid OSで動作するものである可能性が高く、アップルがこの製品の販売仮差し止めを求めていることが記されているという。

アップルは近年、Android搭載の携帯端末に関し、自社の特許侵害を理由にメーカー各社を訴える動きを続けている。そのなかで、iPadと競合するタブレット端末については、前述のサムスン製Galaxy Tabのほか、HTCのFlyerをすでに標的としている。またモトローラとアップルの間ではスマートフォン関連の特許侵害をめぐって互いを訴える法廷闘争が続いている。

モトローラの「Xoom」は今年はじめのCESで発表された後、米国や日本で順次発売されてきているが、同社の発表によれば第2四半期(4-6月)中の出荷台数は世界で約44万台にとどまったという(同期中のiPadの販売台数は約925万台)。なお、欧州ではスペインで7月下旬で発売になるなど、一部の市場ではすでに販売が開始されているものの、EU全域での販売には至っていない。

なお、米国時間9日には米調査会社のフォレスター(Forrester)が、タブレット市場に関して、アップルの小売店舗展開が米国に比べてまだそれほど進んでいない欧州市場のほうが、サムスンやエイサー(Acer)、東芝、HP、RIMなどの競合他社にとっては成功できる可能性が高いとするレポートを発表したばかりだった。同レポートによると、アップルのタブレット市場シェアは今年、米国では80%、欧州では70%にそれぞれなる見込みだという。また、今年のタブレット販売台数については全世界で4800万台に達し、地域別では米国が約半分、欧州が30%、アジアが15%、そして中南米が5%になるとされている。

この話題に触れたZDNetのMobile Newsブログでは、アップルのこうした動きについて「(サムスンやモトローラの製品に関する訴えは)単なる始まりに過ぎない」とした上で、iPadと似たような機能や動作をするというだけで競合製品の販売が止められてしまえば、消費者の選択肢が狭まることにつながり兼ねないと述べている。またGigaOMでも、アップルのiPodが携帯音楽プレーヤー市場で圧倒的なシェアを獲得した例を挙げながら、タブレット市場でもそれと同様の事態が生じる可能性が高まってきているとの警戒感を示している。


【参照情報】
Apple is also suing Motorola in Europe over the Xoom tablet's design - FOSS Patents
At this rate, there won't be a tablet market, just an iPad market - GigaOM
Apple injunctions against similar-looking tablets just beginning - ZDNet
IPad rivals have better chance in Europe: Forrester - Reuters
アップル対HTCの特許紛争 - 米ITC、タブレット端末についても調査へ
独法廷、サムスンに「Galaxy Tab 10.1」販売の仮差し止め命令 - アップルとの特許紛争で
米ITC、アップルの訴えを調査へ - スマートフォン技術をめぐる特許権訴訟で
モトローラ、同社初のタブレット端末「XOOM」やスマートフォンの新製品を発表


三国大洋(スタッフライター)

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