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サムスン、「Bada OS」の他社への提供を計画 - 来年にも実施へ(WSJ報道)

2011.09.21

bada - Samsung's Smartphone Platform
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サムスン(Samsung)が、自社開発の「Bada OS」を来年にも他の端末メーカーやソフトウェア開発者に公開する計画を進めているとWall Street Journal(WSJ)が米国時間20日付記事で報じた。

Badaは、サムスンが2009年後半に発表したOSで、これまで同社の「Wave」シリーズなど低価格帯のスマートフォンに搭載されてきている。調査会社ガートナー(Gartner)によれば、2011年第2四半期における同OS搭載端末の販売台数は約200万台で、スマートフォン市場全体の1.9%を占めたという。

8月にグーグル(Google)がモトローラ(Motorola)の買収を発表して以降、Android OSを採用する端末メーカー各社は、Android以外のOSや自社OSを搭載した製品を新たに追加するなど、リスク分散の動きを見せている。そのなかで、Android陣営のなかでもいまのところHTCと並んで「勝ち組」とされるサムスンも、従来から取り扱いのあるモバイル用Windows OSへの注力の姿勢を示し、先週マイクロソフト(Microsoft)が開発者向けに配布した「Windows 8」搭載タブレットについては、そのハードウェアを提供するなど、Androidへの依存度軽減をはかる動きを見せている。また、HPが8月に対応ハードウェアの開発・販売停止を表明したWebOSについても、引き取り手の候補として一時サムスンの名前が浮上していたが、こちらの可能性については同社幹部が否定していた。

WSJでは、Badaの他社への提供について、従来からハードウェアの開発力に強みを持つサムスンには、外部のソフトウェア開発者らの力を借りることで、Badaを主流プラットフォームのひとつに押し上げたい考えがあると指摘。さらに、調査会社ストラテジー・アナリティクス(Strategy Analytics)のアナリストの話として、サムスンがBada OSのオープン化で成功するためには、多くの開発者や消費者が存在する米国市場に同OS採用製品を投入する必要があるとの意見を紹介している。

いっぽうGigaOMでは、Symbian OSをうまくオープン化できずに終わったノキア(Nokia)の例に言及しながら、独自の統合型OSのオープン化に関する動機やメリットについて疑問を呈しており、さらにオープン化の弊害のひとつとして懸念されるOSの「フラグメンテーション」が深刻化した場合、「統合型」のアプローチを採るアップルのように一定したユーザー・エクスペリエンスを提供できなくなるおそれもあると指摘している。

さらに、サムスンではBadaのスマートテレビ(ネット対応機能付きテレビ)への展開も進めているが、GigaOMはこの点に関し、テレビ市場で優位に立つ同社にとってはメリットは少ないとしている。

なお、Asymcoブログのホレス・デディウ氏は先ごろ、近年ソフトウェア開発の比重を高めるサムスンの動きに触れて、同社がさまざまなOSを採用したハードウェアを提供するという従来の戦略を改め、特定のOSプラットフォームを核にした「統合型」--アップルのそれに近いアプローチにシフトしようとしている可能性が高いと指摘していた。


【参照情報】
Samsung to Open Bada to External Developers - WSJ
Samsung to open bada to other manufactuers, developers next year - BGR
Samsung stands to lose, not gain, by open sourcing Bada - GigaOM
サムスン、「Windows 8」搭載タブレットを発表へ(韓国紙報道)
サムスン、独自メッセージングサービス「ChatON」発表 - クロスプラットフォームで差別化ねらう
サムスン「マルチ・プラットフォーム戦略」変化の予兆 - Asymco

サムスンが今年の研究開発費用として総額93億ドルを投じ、この予算の一部はソフトウェア分野に振り分けられるという記事はこちら。

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サムスン「マルチ・プラットフォーム戦略」変化の予兆 - Asymco

中村航、三国大洋(スタッフライター)

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