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アップル:「敗訴した場合の損失額は推定27億ドル」- 対モトローラの独特許訴訟

2011.11.21

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(cc) Image by Justin Ried

モトローラ(Motorola Mobility)とアップル(Apple)が、ドイツのマンハイム地裁(Mannheim Regional Court)で争っている特許関連の訴訟について、アップル製品の販売差し止め命令が執行された場合、アップルの被る被害額が20億ユーロ(27億ドル)になるという主張がアップル側の弁護士から出されている。

この訴訟では今月はじめに、同法廷がモトローラ側の主張を認める仮判断が下されていた。これを受けて現地時間18日に行われた審理では、アップル側の弁護士から、アップルのMacやiOS搭載端末を対象とする販売差し止め命令が下され、実行された場合には、アップルが蒙る損失額が27億ドルに上るとする主張が行われたという。

モトローラは、アップルの「MobileMe」および「iCloud」のEメール同期機能に使用されている技術が同社の保有する特許権の無断使用にあたると主張しており、これらのサービスが搭載されているiPhoneやiPadの販売差し止めを求めている。

この日の審理のなかで、アップルはモトローラに対して、販売差し止め命令がいったん下された後、この判定が覆った場合に、その間の損失額を補償するよう要求。その補償額の推定が27億ドルという金額になったという。

ただし、アップル側はこの被害額をはじき出すのに使った根拠を示していないとAllThingsDでは指摘しており、また同裁判所の判事も「問題となった技術は業界標準ではなく、別の技術を用いて同様のサービスを提供できるはず」と述べ、アップルが主張する金額に懐疑的な見方を示しているという。

また、知財分野に詳しいフローリアン・ミューラー(Florian Mueller)氏は自らが運営するFOSS Patentsで、来年2月3日に最終的な判断が下される予定のこの訴訟について、いまのところはアップルが敗訴する可能性が高いとの考えを述べている。同時に、アップルには特許侵害の判定が下された場合に、これを回避するための迂回策も残されているはが、ただしそうした場合は独市場で販売するアップル製品からiCloud用クライアントアプリが取り除かれるため、同社製品の魅力が減じるおそれもあるとしている。


【参照情報】
Apple Faces $2.7 Billion in Lost Sales in Motorola Mobility Case - Bloomberg
Apple Says There's $2.7 Billion at Stake in German Motorola Mobility Suit - AllThingsD
Motorola fairly likely to win German patent injunction against iCloud in February -- Apple demands 2 billion euro ($2.7B) bail - FOSS Patents
独法廷、アップル製品の販売仮差し止め判定 - モトローラの主張認める

ドイツのマンハイム地裁がモトローラの主張を認める仮判断を下していたことが明らかになったときの記事はこちら

「パケットベースの無線システムで端末側からのデータ送信の間にカウントダウンを行う機能」、「複数のペイジャーステータスを同期させるシステムと方法」に関するもの。

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平松波央、三国大洋(スタッフライター)

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