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アップル、テレビ市場参入で大手通信キャリアと提携の可能性(米アナリスト)

2012.02.07

米ジェフリーズ (Jefferies & Co.)の証券アナリスト、ピーター・ミセク(Peter Misek)氏が、米国時間7日にリリースした投資家向けのレポートのなかで、アップルが投入準備を進めているとの噂が以前から取り沙汰されているテレビ製品に言及。この製品の名称が「iTV」になるほか、提供するコンテンツの獲得などで、AT&Tやベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications)といった通信事業者と提携する可能性もあるとの見方を記したという。

Apple TV
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アップルはこれまで、テレビモニターに接続してつかう「Apple TV」のビジネスを「趣味」としてきているが、それでも現行モデルになってからはすでに数百万台を販売している。ただし、その価格は99ドルと同社製品としては安価であり、テレビ本体の投入がささやかれ、またそれをiPhone、iPadに次ぐ新たな収入の柱とするためのビジネスモデルづくりが大きな課題とみられていた。

これに関し、昨年10月に出版された故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)CEOの公認伝記には、同氏が著者のウォルター・アイザクソン(Walter Isaacson)氏に対し、「(理想とするテレビのつくりかたが)ついにわかった」と語ったという記述があり、同書の刊行以来アップルによるテレビ市場参入の可能性が一段と現実味を帯びてきていた。

ただし、激しい価格競争がつづきメーカー各社が軒並み赤字をつづけるテレビ市場で、アップルが40%前後の粗利率を維持・改善するために、どのような価格設定や販売方法、付加価値の提供をしてくるかについても注目が集まっている。

アップルにとって、テレビ市場参入にあたって通信事業者と手を組むことは、すでにiPhoneなどで実証済みのビジネスモデル(売上方法)をほぼそのまま使えることを意味する。すなわち、通信事業者が負担する端末補助金を組み合わせることで、製品自体の市販価格を競争力のあるレベルに押さえながら、自社では一定の利益を確保することが可能になる。

いっぽう、いまのところ独自に光ファイバー網経由のIPTVサービス「FiOS」を提供しているベライゾンなどの通信事業者側でも、アップルと組むことは、ケーブルテレビ(CATV)事業者に対する攻勢をかける上で大きな材料になると思われる。

長らくケーブルテレビが主流だった米テレビ市場だが、近年の景気後退や、ネットフリックス(Netflix)をはじめとするオンライン配信サービスの充実などにより、最近ではいわゆる「コードカッター」と称されるケーブルテレビ離れの動きが目立ってきている。

なお、この日ベライゾン・コミュニケーションズは、ネットフリックスと競合する動画配信サービス「Redbox」を提供するベンチャー企業、コインスター(Coinstar)とのジョイントベンチャー設立を発表している。

また、今回のレポートの執筆であるジェフリーズのミセク氏は、昨年11月に「シャープがアップルから液晶ディスプレイを大量に受注した」とするレポートを発表していたアナリスト。


【参照情報】
Apple May Introduce Television Called ITV, Jefferies Says - Bloomberg
Analyst: Apple could use 'iTV' moniker for HDTV, partner with carriers for programming - 9to5 Mac
にわかに現実味を帯びてきた「アップルのテレビ市場本格参入」説(編集担当メモ)
ベライゾン・コミュニケーションズ、ネット動画配信サービスを準備(Reuters報道)
「シャープ、アップルから液晶ディスプレイの大型受注」(米証券アナリスト)

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三国大洋(スタッフライター)

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