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マイクロソフト、AOLから800件の特許などを取得 - 契約総額10.6億ドルで

2012.04.10


AOLは米国時間9日、同社が保有する1100件の特許権について、マイクロソフト(Microsoft)に800件を売却し、残り300件も同社にライセンス提供することで合意したと発表。契約金額は約10.6億ドルになるという。

特許権をめぐっては、1万7000件の強力な特許ポートフォリオをもつモトローラ・モビリティ(Motorola Mobility)をグーグル(Google)が125億ドルで買収する予定のほか、昨年6月には事前に「10億ドルの資産価値」があると見積もられていたノーテル(Nortel)の特許ポートフォリオが45億ドルで落札されるなど、このところ大きな動きが目立っている。ちなみに、これらの取引でやりとりされた特許権を金額に換算すると、1件あたり70万〜75万ドルとなるという。

それに対し、マイクロソフトはAOLから800件の特許権を9億6000万ドルで獲得することになり、1件あたりの金額は120万ドルとなる。なお、残り300件の特許権は1億ドルでマイクロソフトにライセンス提供されるという。

AOLは、インターネット黎明期にマイクロソフトとブラウザ覇権争いを繰り広げたネットスケープ(Netscape)を買収しており、これに関連する貴重な特許権を多数保有しているとされる。通常、特に価値が高い特許権はポートフォリオ全体の5%から10%程度を占める過ぎないのに対し、AOLの場合はそれが50%近いと同社のティム・アームストロング(Tim Armstrong)CEOは話している。

なお、この発表に関連して、AOLが今回の資産売却の相当部分を株主に還元する意向を明らかにしたことから、同社の株価は45%上昇している。同社の株価は過去1年間で8.2%下落しており、昨年以来4.61%の株式を保有する最大株主のスターボード・バリュー(Starboard Value)から、経営戦略を変更するよう圧力を受けていた。スターボード・バリューは今年2月にも、AOLに対して書簡を送り、知的財産の活用を迫るとともに、5人の新たな経営陣候補を立てるなどして圧力をかけているという。

マイクロソフトはAndroid陣営の端末メーカー各社に対し、自社が特許権を保有する技術についてのライセンス料を求めるなどの対抗の動きを見せており、またこうした契約合意に持ち込めずにいるモトローラに対しては、特許侵害をめぐって法廷での争いを続けている。これに対し、モトローラはマイクロソフトのほか、アップル(Apple)との間でも相互に特許訴訟を続けている。

AOLには地図サービス「MapQuest」に関連する特許などもあることから、今回の取引が成立した背景には、グーグルとマイクロソフトとの特許獲得競争が作用したとする専門家の見方をWSJは紹介している。

さらに、業績の低迷が続くリサーチ・イン・モーション(Research In Motion:RIM)についても現在の時価総額68億ドルのうち、20億〜40億ドルが同社の特許に関するものとされるという。また、最近ではフェイスブック(Facebook)がIBMから750件の特許を獲得しており、今後もこうした知財関連の動きが活発に続くとの見方も記されている。


【参照情報】
AOL to Sell, License Patents to Microsoft for $1.06 Billion - Bloomberg
Microsoft pays $1.1bn for AOL patents - FT
AOL Shares Soar on Patent Deal With Microsoft - NYTimes
Microsoft deal with AOL part of patent scramble - WSJ


平松波央、三国大洋(スタッフライター)

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