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米ベライゾン、iPhone販売で赤信号 - 不足額は140億ドルにも(米有力アナリスト)

2013.07.12

米ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless:以下、ベライゾン)で、アップル(Apple)「iPhone」の売れ行きが当初の見込みを大きく下回っており、今後の状況次第では今年の目標未達金額が最大140億ドルに達する可能性もあるとするレポートが、米調査会社のモフェット・リサーチ(Moffett Research)から発表されたという。

この話題に触れたBloombergでは、2010年にアップルとベライゾンが結んだ契約に基づき、ベライゾンでは今年だけで235億ドル相当のiPhoneを購入する必要があるものの、同社の2012年の販売実績がこの確約額の半分にも満たなかったことから、販売額と仕入額の差額が120億〜140億ドルに達する可能性があるとするクレイグ・モフェット(Craig Moffett)氏の見方を紹介している(モフェット氏は長年サンフォード・バーンスタイン(Sanford C. Bernstein)で活躍していた通信業界を専門とするアナリストで、今年に入って自らの会社を立ち上げていた)。

WSJやLATimesでは、ベライゾンがアップルにコミットした仕入れ金額が他社に比べて桁違いに大きいと指摘している。これらの記事によると、ベライゾンが確約した金額は3年間で450億ドル、それに対してAT&Tの2013年の確約額はわずか38億ドルにすぎないという。

また2011年に総額155億ドルのiPhone購入を確約したことが話題になっていたスプリントについては、すでに64億ドル相当のiPhoneを販売しており、現在のペースが続けば契約期限を迎える2015年までに、当初の確約台数を消化できそうだとモフェット氏は記しているという。

iPhoneの販売金額は、2012年(実績)が780億ドルで、今年は850億ドル程度になるとする調査会社コナコード・ジェニュイティ(Canaccord Genuity)のデータがWSJでは紹介されている。

今後の展開については、WSJが「ベライゾンが不足額の分まですんなり負担することになるとは思えない」とするモフェット氏の見方を紹介し、両社が確約金額の引き下げをめぐって交渉する可能性を示唆。いっぽう、Bloombergでは、ベライゾンと同様の問題を抱えている他の携帯通信事業者も少なくないとした上で、アップルが自社にとって都合の前例ができるのを避けようとすることから、両社が交渉の席についたとしても、話し合いは難航するかも知れないなどとするモフェット氏の見方が紹介されている。

ベライゾンが2010年になぜそれほど多額のiPhone購入をコミットしていたのか、あるいはどうしてそれほどiPhoneの売れ行きが当初の想定を下回っているのかなど、いくつか気になる点も思い浮かぶが、そうした疑問に対する答えの手がかりとなるような情報は見つからなかった。

LTE網・サービスの整備・展開で競合他社に先んじ、契約者や収入の伸びでも盤石と思われたベライゾンにとって、このiPhone問題が時限爆弾になるかどうかに今後注目が集まる可能性が高そうだ。またスマートフォンの普及が進み、とくにハイエンドの市場ではすでに飽和状態に近づいているとする見方も出始めているなかで、以前から話題となっていたiPhone取り扱いに伴う通信事業者の「負担の重さ」が改めて脚光を浴びることになるかもしれない。


【参照情報】
Verizon Seen Owing Apple Up to $14 Billion for IPhones - Bloomberg
Verizon May Owe Apple for iPhones - WSJ
IPhone sales shortfall could leave Verizon owing Apple $14 billion - LATimes
Craig Moffett, Top-Rated Analyst, Is Leaving Bernstein - Bloomberg


三国大洋(スタッフライター)

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