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インシデント (読み)いんしでんと

重大な、致命的な事故を引き起こす可能性のある事態、事象。実際に起きてしまうとアクシデントと呼ばれるが、これもインシデントに含めて扱うほうが「経験値」は増える。事故になるかならないかは偶然で決まる場合も多いから。

インシデントは「炭鉱のカナリア」の現代版かも

2019.03.22

Updated by on March 22, 2019, 11:38 am JST

一言でいえば「事故寸前」であり、年配の方なら昔よく使われた「ヒヤリ・ハット」を思い出していただくのがわかりやすいかと思うが、この2つ似ているけど明らかに違う。ヒヤリ・ハットするのは「危ない」と人間が気がついたケースだが、インシデントは基本的に「その時点で気が付かなかった」危ないケースを指す。
ちなみにインシデントの対語はアクシデントであり、ヒヤリ・ハットは「発覚している」という点で考えれば、インシデントというよりもむしろアクシデント(実害がなかったとしても)に近いと考えたほうがいい。1件の事故(アクシデント)があれば30件の事故未満(インシデント)があり、300件の事故の可能性があるというのがハインリッヒの法則。
「炭鉱のカナリア」というのは、1980年代の半ばまで実際に使われていた「生物センサー」を意味する言葉で、複数のカナリアあるいはそれに類する(始終鳴く)小鳥を炭鉱に入れておき、一羽でも鳴き声が止むなどの変化があれば危険と判断してその坑道から退避する、といった使い方がされていた。

住宅の駐車場に置いてある赤い自動車

散歩中に妙なところでカメラを向けると連れが怪訝な顔をするので問わず語りに「理由がわかるぐらいなら撮らないよ」と言う。

インシデントレスポンス 第3版

Jason T. Luttgens, Matthew Pepe【著】/ 政本 憲蔵 / 凌 翔太 / 山崎 剛弥【監訳】
日経BP社 (2016/04)

|6,000円(本体)
| B5判
|675p
|9784822279875
▼インシデントレスポンスとはインシデントが発覚したときの対処を指す言葉。フォレンジック(フォレンジックス)は、アメリカのTVドラマによく出てくる「科学捜査」あるいは「法科学」のことである。科学的な証拠を積み上げて何が起きたのか、どう防げばいいかを考えるのが「インシデントレスポンス」であり「攻撃されたが何もなかった。メデタシメデタシ」と言いたくなるのはわかるけど、インシデントとして捉えてきちんと対策しておかないと、次はメデタシメデタシでは終わらないよ、ということである。