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ロンドン電波事情

ロンドン電波事情

オリンピックなんだけど警備員雇うの忘れてたごめん

2012.07.16

オリンピックが全然盛り上がってないロンドンです。

開始まで二週間切りました。

が、ここはイギリスです。期待を裏切らない祭りが多数発生してございます。まるで夏休みの宿題が8月31日になっても終わらない小学生状態です。


祭り1:警備員雇うの忘れてました事件

オリンピックは世界中からろくでもない人々が集まってくるから警備を厳しくしなければいけない、というのがイギリス政府の前提です(最初から誰も信用しておりません)

イギリス政府、勤労意欲のない自国の警察や軍隊じゃ警備員がたりないから、ということでG4Sなるマックの新機種のような名前の警備会社に警備員の採用と管理を外注しておりました。

ところがオリンピック2週間前になり「ごめん。間に合わなかった。約束した人数雇ってないの知らなかったの。応募者は一杯いたんだけど、うーん、なんでかなあ、雇うの忘れてたのね。悪いけどオタクの軍隊でどうにかしてよ。ごめんね♡」と言われてしまいました。

警備員希望者は一年前から応募していたようなのでありますが、どうも、採用したり仕事を割り振るのを忘れていたようであります。ワタクシの仕事関係の方のお孫さんも昨年この会社のバイトに応募しましたが、まったく連絡がございませんでした。一昨日いきなり電話がありまして「あのさ、制服ってどうなってるんだっけ?」と聞かれたそうであります。

そんなお前の会社の事情は知らぬ、師ねこのくそバカ、であります。

これが発覚しましてから、この会社とイギリス政府の間でクソミソの泥の塗り合い状態にございます。

この会社は「色々さけられない事象という物があり」と言い張っており、政府側は「我々はがっつり監視してきたがこれがおこってしまったわけで、でも完璧なコンティンジェンシープランがありますから完璧なわけで」という、「私はマルチで洗剤売っていたけどそれはすぐ辞めたから私マルチじゃないわ」と言い張る某方のような良くわからない説得合戦が繰り広げられている状態にございます。

ほのかに加藤鷹さんに似ている社長は一生懸命いいわけしております。


We are deeply disappointed that we have not been able to fully deliver against our contract with Locog and that it has been necessary to call upon the additional military personnel.

(契約に対してサービスを提供できなかったために、軍隊が出動しなくてはならないことを深く残念に思います

いいですね、いい訳が「残念に思います」そうですね、残念ですね。「俺知らない」と言っているわけですね。ようするに他人事ということです。


警備員が足りないのは困るのでイギリス政府、急遽アフガニスタンでドンパチやっている兵隊さんを飛行機で輸送して警備に当てることにしました。宿泊場所がないので、オリンピック会場の周りや、使ってない倉庫で野営です。

オリンピックなんだか戦場なんだか、わけがわかりません。もう臨戦態勢ですね。


前線でバトルってた兵隊さんを配置するわけですから、これでテロリストだろうが、狂った観客だろうが何でも来いですね。

会場に向けてミサイルも配置してありますから完璧です。

ミリヲタ飯うまといいますか、軍事コス好きなシンタロウ様ご一行様がこの大会にいらっしゃるそうでありますが、いっそもう視察など辞めて、この軍事祭りに現役として参加して、テムズ川を軍艦で爆走したらどうかと思ったりするわけなのでありますよ。


会場に向けて発射されるかもしれないミサイル(観客もろともぶっ飛ばす気なんでしょう。いいんですよ、どうせ客は外人ばかりですから。イギリス人外人嫌いだから師ねと思っているんでありましょう)

オリンピック会場の上空には、スパイ偵察機が飛ぶ予定です。この偵察機、上空千メートルの地点から、地上の人の顔や、車のナンバープレートをはっきりと認識できる、という機能があるそうです。


オリンピックではなくバトルが始まる模様です


この動画に出てくるヘリコプター、オリンピック中はアフガニスタンなどで活躍したプロの狙撃手をのせてロンドン上空を旋回するので、テロリストや不審者の攻撃準備は万全、とのことです。


ちなみに以下文化大臣のJeremy Hunt氏のコメントです。

We are just very lucky to have fantastic armed services who can come when we need them and they will do a brilliant job

(必要になったときに来てくれる軍がいてなんて幸運です。しかも素晴らしい仕事をしてくれますからね!)

いいですね、前向きです。人生前向きじゃないといけません。

文化省には洗剤と幸福になる壷を売りにいって頂くといいですね。


祭り2: オリンピック村まだ建ててるんだけど

15日に選手村に入ろうとしたイギリスチーム、なんと23日までくるんじゃねえと追い返されました。理由。まだ建ててるから。やっぱり終わりませんでした。大丈夫なんでしょうか。


祭り3:ヒースロー行きの高速道路にヒビが(涙)

オリンピックの直前になって、ロンドンの中心部からヒースロー空港まで行くM4という高速道路の橋ゲタにでっかいヒビが入っていることが発見され、13日まで閉鎖されておりました。都内から成田に行く高速にヒビがはいって閉鎖されていたようなもんです。

イギリスにしては異様に早い突貫工事で直したのですが、大丈夫なんですかね

M4 reopens in both directions


祭り4:ヒースロー空港でパスポートコントロール通過するのに4時間ぐらいかかるかも

イギリスは不況なので一昨年から公務員を削減しております。入国管理担当者も削減しておりましたが、オリンピック直前になり「あら、やっぱり足りなかった、どうしよう」という祭りになっております。慌て者のサザエさん真っ青、マスオさんもお口あんぐりです。

開催二週間前なのにヒースロー空港の入国管理窓口は半分が閉鎖、EU圏外からの乗客は三時間待ちという惨事が発生しております。

しかも普段は別業務をやっている人に入国管理をやらせたもんだから、超有名なテロリストが入国しちまっただ、ああ、今気がついたよ、どうすんべ、という事象が発生しております。

Fury as half of Heathrow passport control desks are SHUT

いい感じのカオス加減です。


祭り5:ロンドンには欧州各国から犯罪者が押し寄せています

ロンドンには欧州各国からスリや窃盗犯が押し寄せています。バルセロナで日本人を標的としていたプロのスリ、ルーマニアのプロのスリなど、国際色豊かです。

ロンドンではオリンピックに向けてスリの練習をする皆さんも目撃されています。(なぜかテレビのインタビューでスリの練習中だと答えております)


我が家の家人(イギリス人)は「色々な祭りが発生しているなあ。しかも天気も最悪だ。泥沼の中でビーチバレーにマラソンに馬術か。泥んこ大会だよなあ。楽しみだなあ。はーっはははははははは」と今から大興奮です。


引きこもり気味でヘビーメタルSFアニメが大好きなの我々は、運動も世界平和も嫌いですから、チケットは一枚も持っておりません。(だってオリンピックのお高いチケットで、Iron Miadenのギグとミリタリーコンベンションに何回も行けますからね)

遠くからひっそりと泥沼とカオスで苦しむ選手と観客の皆さんを生温く観察したいと思います。

すごく良い大会になること思うので皆さん楽しみにしましょう☆(ゝω・)vキャピ



谷本 真由美(たにもと・まゆみ)
NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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