<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<rss version="2.0"
     xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
     xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
     xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
     xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
     xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
     xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"

     xmlns:georss="http://www.georss.org/georss"
     xmlns:geo="http://www.w3.org/2003/01/geo/wgs84_pos#"
>

    <channel>
        <title>WirelessWire &amp; Schrödinger&#039;s</title>
        <atom:link href="https://wirelesswire.jp/rssall/" rel="self" type="application/rss+xml" />
        <link>https://wirelesswire.jp/</link>
        <description>for Researchers and Engineers Dedicated to Innovate and Elevate Quality of Life</description>
        <lastBuildDate>Aug 10 2026 00:52:53 +0000</lastBuildDate>
        <language>ja</language>
        <sy:updatePeriod>
            hourly
        </sy:updatePeriod>
        <sy:updateFrequency>
            1
        </sy:updateFrequency>
        <generator>https://wordpress.org/</generator>
        <site xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">88258903</site>

        <snf:darkModeLogo>
            <url>https://wirelesswire.jp/assets/img/snrss/logo_dark.png</url>
        </snf:darkModeLogo>
        <snf:logo>
            <url>https://wirelesswire.jp/assets/img/snrss/logo_light.png</url>
        </snf:logo>

                            <item>
                <title>メイカームーブメントと防衛テックの不都合な、しかし、地続きな関係</title>
                <link>https://wirelesswire.jp/2026/08/94212/</link>
                                    <media:thumbnail url="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/08/p20260804_unsplash2.jpg" />
                
                <dc:creator><![CDATA[yomoyomo]]></dc:creator>
                <pubDate>Tue, 04 Aug 2026 23:50:35 GMT</pubDate>
                                                    <category><![CDATA[科学技術芸術と社会]]></category>
                                <guid isPermaLink="false">https://wirelesswire.jp/?p=94212</guid>

                <description><![CDATA[平和の本質は戦争をしないことにあるのではない。戦力を放棄することにあるのでもない。戦争について考えないことが許されることにある。 （東浩紀『平和と愚かさ』） およそひと月後の9月5日と6日に、Maker Faire To [&hellip;]]]></description>
                <content:encoded>
                    <![CDATA[<!-- wp:quote -->
<blockquote class="wp-block-quote"><!-- wp:paragraph -->
<p>平和の本質は戦争をしないことにあるのではない。戦力を放棄することにあるのでもない。戦争について考えないことが許されることにある。 <br>（東浩紀『平和と愚かさ』）</p>
<!-- /wp:paragraph --></blockquote>
<!-- /wp:quote -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>およそひと月後の9月5日と6日に、<a href="https://makezine.jp/event/mft2026/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">Maker Faire Tokyo 2026</a>が開催されます。今年は、2014年以降ずっと会場だった東京ビッグサイトから有明GYM-EXに会場を移しての開催となりますが、やはり盛況が予想されます。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>雑誌『Make: Technology on Your Time』日本版に翻訳者として参加していた関係で、ワタシはMaker Faire Tokyoの前身であるMake: Tokyo Meeting時代から参加してきましたが、ものづくりの祭典がこれだけ息長く続いていることに、関係者に深い敬意を払わずにはいられません。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>メイカームーブメントの歴史については、FabSceneに今年3月に公開された記事「<a href="https://fabscene.com/new/special/maker-movement-history-infrastructure/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">メイカームーブメントは死んだのか——「特別」が「当たり前」になるまでの20年</a>」、そして6月に公開された動画「<a href="https://www.youtube.com/watch?v=Sw3s28C84FI" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">個人がハードウェアを作れるようになった、本当の理由</a>」に詳しいですが、電子工作の参入障壁を著しく下げたオープンソースのマイコンボード<a href="https://www.arduino.cc/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">Arduino</a>、部品を自己複製できる圧倒的に安価なオープンソース3Dプリンター<a href="https://reprap.org/wiki/RepRap/ja" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">RepRap</a>、そしてこれまでバラバラにものづくりに取り組んでいた人々に「メイカー」という共通のアイデンティティを与えた雑誌『<a href="https://makezine.com/ target=" data-wpel-link="external" target="_blank" rel="external noopener noreferrer">Make</a>』3つが生まれた2005年が、メイカームーブメントの始まりと言えます。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>それから10年近く、メイカームーブメントは右肩上がりの成長を続けました。それに伴い、このムーブメントが可能にしたスタートアップも数多く生まれました。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>2012年刊行の『<a href="https://pr.nhk-book.co.jp/makers/book/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">MAKERS 21世紀の産業革命が始まる</a>』において、メイカームーブメントから生まれた起業家たちがDIY精神を産業に高め、起業家や個人発明家のエネルギーと創造力が製造業を再構築する、とデジタルなものづくりとインターネットの融合が「新産業革命」を起こすとぶちあげたクリス・アンダーソンは、WIRED誌編集長を退任し、ドローンの開発・製造を行う<a href="https://www.3dr.com/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">3D Robotics</a>の経営に専念した時、「時代の風は我にあり」との自信があったのではないでしょうか。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>しかし、2010年代も後半に入ると、雲行きが怪しくなります。思えば10年前に書いた「<a href="https://wirelesswire.jp/2016/03/51468/" data-wpel-link="internal">メイカームーブメントの幼年期の終わりと失敗の語り方</a>」も、曲がり角に差し掛かったメイカームーブメントを扱っていますが、前述のFabSceneの記事にあるように、メイカースペースの閉鎖が相次ぎ、ハードウェアスタートアップはオープンソースハードウェアの理想を断念したり、量産の壁にぶちあたったりし、さらにはムーブメントに名前を与えたMake誌の版元であり、Maker Faireの勧進元であるMaker Mediaも事業を停止するなど、メイカームーブメントは「終わった」とまで言われてしまいます。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>確かにメイカームーブメントは産業革命までは起こしませんでした。しかし、安価な部品、オープンな設計、そしてメイカー人材は、ものづくりのインフラとして残りました。その影響が鮮明に、そして不都合な形で現れている分野の一つが、ドローンです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ムーブメントが挫折に至る前、ドローン市場に大きな可能性を見出したのは、当然ながらクリス・アンダーソンだけではありませんでした。B2Bテクノロジー専門メディアLight Readingの<a href="https://www.lightreading.com/digital-transformation/top-10-drone-startups" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">2015年の記事</a>に、注目すべきドローンスタートアップ10社が選ばれています。果たしてこの記事に選ばれた10のスタートアップは、10年余り経った現在、どうなっているでしょうか？</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>結論を先に書くと、IPO（株式公開）を果たした企業はゼロで、閉業にいたった企業が4社（Airware、PrecisionHawk、Vires Aeronautics、SkyWorks Aerial Systems）、買収されて事業が残っている企業は3社（3D Robotics、Skycatch、Kespry）、現在まで独立して活動している企業は3社（Sunlight Photonics、DroneDeploy、Skydio）になります。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>アンダーソンの3D Roboticsは、Light Readingの記事でも当時の期待を反映してか真っ先に挙げられており、民生用ドローン大手の中国企業DJIの有力な対抗馬として期待されましたが、2015年に発売した中心製品のSoloが出荷遅延や初期不具合でコケてしまい、翌年には工場やオフィスの削減と大規模な人員削減に追い込まれます。しかし、建設・測量向けのSite Scanに軸足を移し、売却先であるEsriのクラウド型ドローンマッピング製品に資産が残りました。ハードウェアスタートアップとしては失敗だったものの、ソフトウェア資産として事業が残っている点は、他の買収された企業にも共通します。つまり、買収されたのは「ドローン企業」という看板ではなく、業務データを取得して処理し、統合する能力だったわけです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>独立して事業を継続している3社にしても、地上ロボットと360度カメラによる視覚データを統合するロボティクス・AI企業となったDroneDeployや、商用展開の情報が見えず、研究開発色が強いSunlight Photonics改めSunlight Aerospaceは、もはやドローンの機体は製造しておらず、そうした意味で「ドローン企業」として独立して存続しているのは、<a href="https://www.skydio.com/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">Skydio</a>だけと言えます。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>先月、そのSkydioの共同創業者にしてCEOであるアダム・ブライのインタビューが、The VergeのDecoderポッドキャストで<a href="https://www.theverge.com/podcast/949195/skydio-ceo-adam-bry-autonmous-drones-china-red-lines-military" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">公開されており</a>、その内容はとても興味深いものでした。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>かつてSkydioは、画像認識と自律飛行によって、操縦者が細かく操作しなくても障害物を避けて飛ぶドローン製品を目指しましたが、やはり消費者市場でDJIの価格と製造規模に太刀打ちできず、技術優位だけでは収益化できませんでした。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>そこでSkydioは、自律飛行能力の信頼性や米国国内での製造供給が評価される、公共安全、重要インフラ、そして防衛分野向けに事業の軸足を移します。米中間のサプライチェーン問題、安全保障問題も追い風になり、Skydioは国内製造と中国に依存しないサプライチェーンを強調して競争優位を得ます。昨年末には米陸軍が短距離偵察システムTranche 2としてSkydioのX10Dを<a href="https://www.army.mil/article/289642/army_awards_skydio_inc_contract_for_tranche_2_short_range_reconnaissance_systems" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">選定しており</a>、今年の4月にはシリーズFの1.1億ドルの<a href="https://www.skydio.com/blog/skydio-series-f" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">資金調達を実施しています</a>（企業評価額は44億ドル）。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>中国に依存しないサプライチェーンに関しては、やはりドローンに注力する米国の防衛テック企業のアンドゥリル・インダストリーズの共同創業者であるパルマー・ラッキーも<a href="https://forum.j-n.co.jp/narrative/8626/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">インタビュー</a>で強調してますが、アダム・ブライの以下の発言によると、Skydioの方針は、アンドゥリルほど地政学的な戦略に根差したものではなかったようです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:quote -->
<blockquote class="wp-block-quote"><!-- wp:paragraph -->
<p>2014年当時のシリコンバレーの常識は、第一に「ハードウェアには手を出すな」、第二に「ハードウェアをやるなら、必ず中国に外注しろ」というものでした。<br><br> 私たちは、その道を選びませんでした。正直に言えば、最初から地政学的な理由で米国内製造を選んだわけではありません。その道を選んだのは実用的な理由でした。米国では航空宇宙機器、エンジニアリング、製造が密接に結びついており、これらを並行して進めることで、より優れた製品をより迅速に作り出せると考えたのです。 <br><br>今では、それが国家安全保障上の決定的な戦略課題となり、私たちにとっても重要な戦略的優位性になりました。米国内で10年間製造してきた経験が活きています。製造は難しく、ハードウェアは難しいですから。製造は間違いなく難しいんですよ。工場を運営し、製品のサプライチェーンを自社工場に統合することは、極めて複雑で厄介な取り組みですが、今ではかなり上手くこなせるようになっています。</p>
<!-- /wp:paragraph --></blockquote>
<!-- /wp:quote -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ブライは、ドローンの歴史を大きく三段階に整理します。まず、ラジコン飛行機を電動化した娯楽用品であり、操縦に技能が必要だった「玩具としてのドローン」、次にGPSによる位置保持や高性能カメラが搭載され、やはり熟練した人間の操縦者が必要だった「空飛ぶカメラとしてのドローン」、そしてドッキングステーションと連携し、ネット経由で遠隔操作し、自動飛行させる「自律型インフラとしてのドローン」です。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>この第三段階に至ると、もはやドローンは単体の製品ではなく、自律飛行ソフトウェア、クラウドサービス、各組織の業務システムとの連携、飛行データの管理などが一体化された、ドローンを使った業務基盤の販売へ移行しています。そして、ブライは自律飛行こそSkydioの技術的中核であり、ドローンは「空を飛ぶ自動運転車」に近いと表現します。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>インタビュアーのニレイ・パテル編集長は、一般消費者向け市場から撤退し、（社会的なインパクトがあり、成長性が高いとブライが言う）企業や政府向けに事業ターゲットを変えたことで、中国企業であるDJIが排除された市場で高価格製品を販売できているだけではないか、多くの自治体ではDJIの安価なドローンで用が足りるのではないかと突っ込んでいます。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ブライは、現時点では中国のほうが製造業は優れており、深圳のような電子部品や金型のメーカー、そして製造技術者が集中する<a href="https://wirelesswire.jp/2025/09/91279/" data-wpel-link="internal">エコシステムが米国にないこと</a>を認めた上で、米国に同様のエコシステムが作れない「物理的法則」はないと主張します。またブライは、米国におけるDJIなど中国製ドローンの規制を大筋で支持しています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>続いてパテルは、警察のドローン利用について質問します。米国では年間約3億件の緊急通報があるが、通報から15～20秒で自律ドローンが到着する社会は今より良いものだとブライは明言し、警察用ドローンを「空飛ぶボディーカメラ」と表現します。ドローンは通報があった特定の場所へ飛び、そこだけを撮影するので、市民のプライバシーと警察活動の透明性を守りながら、より良い結果を得ることができるとブライは主張します。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>この点で、自動ナンバープレート読み取りカメラを製造するFlock Safetyのような、固定カメラによる常時監視とは異なると言いたいわけです。このインタビューでもブライが語るように、Flock Safetyには撮影データの利用について会社が公に説明してきたことと実際の運用に齟齬がある疑いにより非常に大きな反発が起きており、アメリカ全土でその監視カメラが破壊されているのが<a href="https://gigazine.net/news/20260224-us-people-dismantling-destroying-flock-cameras/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">報じられています</a>。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>パテルは、Skydioのドローンが監視社会につながらないか重ねて問いますが、ブライはSkydioは「透明性ダッシュボード」を提供しており、ドローンが何の通報に対応し、いつどこを飛行し、カメラが地上のどの範囲を撮影したかを公開できると弁明します。しかし、米国では警察の軍事化が進み、軍が国内都市に展開されることもあるため、警察と軍事利用を明確に分けることは難しく、Skydioのドローンも現在は個別の通報対応のみだが、やがては常時監視や予防的警察活動へ拡大する可能性があるのでは、とパテルは警戒を示します。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>そして、インタビューのクライマックスは、Skydioのドローンが兵器化されたら、その使用に制限を設けるかという質問です。Skydioは軍がドローンに武器を搭載するのを阻止する方針であるかのような印象を与えていたが、現在はその立場はとっていない、とブライは認めます。米陸軍は、Skydioのドローンに手榴弾投下装置を取り付ける実験を行っており、社内外でそれを止めるべきという意見もあったが、ブライはドローンの兵器利用の是非を民間企業が決めるべきではないという立場をとります。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:quote -->
<blockquote class="wp-block-quote"><!-- wp:paragraph -->
<p>自らの命を危険にさらしている人たち、そして究極的には民主的に選出された指導者に対して責任を負っている人たちこそが、どのような手段を用い、どのように活用するかという生死にかかわる決定を下すのに最も適した立場にある、という強い信念を私は持っています。シリコンバレーのオフィスに座り、自分たちはとても賢く、技術に精通していると思い込むのは簡単です。そして、その技術をXやYやZのような用途に使うのは邪悪だとか悪いと決めつけ、ポリシーを策定したり、使用を禁止しようとする。しかし、それは結局のところ見当違いだと思います。実際、危険なほど見当違いです。民主的なプロセスも、軍人の判断能力も十分に評価していない。軍には、こうした問題を専門に考える優秀な人々で構成された政策部門があります。彼らが常に完璧な判断を下せるわけではありませんが、この問題をとても重く受け止めているのです。</p>
<!-- /wp:paragraph --></blockquote>
<!-- /wp:quote -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ドローンの軍事利用についての質問がインタビューのハイライトになった背景には、ウクライナ軍がドローンを使った無人機攻撃によってロシア軍に甚大な人的損害を与えているという<a href="https://www.yomiuri.co.jp/world/20260629-GYT1T00005/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">報道</a>も影響していると思われます。ブライもインタビューの中で、ウクライナ軍とロシア軍が使っているドローンは、一般消費者向け製品の系譜を強く引いており、一般消費者向けドローンのサプライチェーンは、軍用・企業向けドローンのサプライチェーンと非常によく似ており、両者を完全に切り離すのは難しいことを認めています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>FabSceneの動画「<a href="https://www.youtube.com/watch?v=Sw3s28C84FI" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">個人がハードウェアを作れるようになった、本当の理由</a>」の最終章でも、ウクライナのメイカーたちが3Dプリンタと市販の電子部品を組み合わせ、FPVドローン（小型無人機）を量産しだしたことに触れています。一度は「死んだ」と言われたメイカームーブメントは、個人がモノを作る際に立ちはだかっていた障壁を著しく下げる「インフラ」になっていたわけですが、それは極端に言えば、個人でも兵器を作れる時代になったとも言えるわけです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>これをショッキングと言うのは間違っているかもしれません。3Dプリンタを使い、家にいながらにして銃を製造しようとした話は、既に<a href="https://www.forbes.com/sites/andygreenberg/2012/08/23/wiki-weapon-project-aims-to-create-a-gun-anyone-can-3d-print-at-home/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">2012年にありました</a>し、メイカームーブメントと軍事技術が地続きなのは、（Maker Faire Tokyoで毎年お見かけしないことがほぼない）SF作家の野尻抱介も明確に書いている通りです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:quote -->
<blockquote class="wp-block-quote"><!-- wp:paragraph -->
<p>主催者はこんなこと言われたくないだろうけど、いまどきの戦時急増兵器はさながらMaker Faireだ。各地の戦場を見ていると、「自分でも半年集中すれば作れるな」という兵器がよく出てくる。<br>MFに出展するような人材をどれだけ持てるかがその国の軍事力を決める。人がいれば半年で作れるので。— 尻P(野尻抱介) (@nojiri_h) <a href="https://x.com/nojiri_h/status/1837683757991841867?ref_src=twsrc%5Etfw" data-wpel-link="external" target="_blank" rel="external noopener noreferrer">September 22, 2024</a></p>
<!-- /wp:paragraph --></blockquote>
<!-- /wp:quote -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ドローンの軍事利用を本格的に扱った初期の書籍となると、グレゴワール・シャマユー『<a href="https://www.akashi.co.jp/book/b371702.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">ドローンの哲学 遠隔テクノロジーと〈無人化〉する戦争</a>』が挙げられると思いますが、思えばこの本は、ドローン戦争の非対称性、殺傷責任の希薄化、戦争と警察活動の境界の崩壊を既に見越していました。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>そして、フランク・パスカーレ『<a href="https://www.hup.harvard.edu/books/9780674975224" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">New Laws of Robotics: Defending Human Expertise in the Age of AI</a>』は、シャマユーの議論を踏まえながらも、自律兵器やAIによる軍拡について議論を拡げています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>パスカーレは、アイザック・アシモフの<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88%E5%B7%A5%E5%AD%A6%E4%B8%89%E5%8E%9F%E5%89%87" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">ロボット工学三原則</a>を置き換えるものとして、以下の新たなロボット工学四原則を提案します。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>・ロボットシステムやAIは、専門家を置き換えるのではなく、補完すべきである<br>・ロボットシステムとAIは、人間のふりをしてはならない<br>・ロボットシステムとAIは、ゼロサムの軍拡競争を激化させてはならない<br>・ロボットシステムとAIは、常にその開発者、操作者、所有者の身元を明示しなければならない</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ここでロボットやAIの軍事利用にもっとも関係するのは、三番目の「ロボットシステムとAIは、ゼロサムの軍拡競争を激化させてはならない」でしょう。パスカーレ自身、これが米国、ロシア、中国、イスラエル、英国などの自律兵器開発競争を念頭に置いたことを認めていますが、彼はロボットの自律性そのものが、より強力な攻撃（防御）兵器の開発につながり、そして人間の判断の排除に突き進む軍拡のフィードバックループを作り、人間同士を軍拡に追い込むことを危惧しました。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>しかし、現在の防衛テック企業は、自律化は少人数での多数のシステム運用を可能にすることで抑止力を向上させ、結果として人命を護ることにつながるという、パスカーレと逆の因果関係を主張しています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>防衛テック企業でも軍拡についての主張には濃淡があり、アンドゥリル・インダストリーズは「<a href="https://www.anduril.com/lattice/mission-autonomy" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">比類なき抑止力（unrivaled deterrence）</a>」を目指しており、勝てる規模まで軍拡を加速すべきという、パスカーレと正反対の立場になります。パランティア・テクノロジーズはもう少し穏当に米国の「<a href="https://www.palantir.com/offerings/defense/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">意思決定上の優位性（decision dominance）</a>」を重視しますが、やはり技術優位が抑止につながるという立場です。Skydioは、消費者向け市場という出自があるためか、件のインタビューでも人間中心の姿勢を強調していますが、ドローンの自律性に積極的なのは上記の通りです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>少し前にGoogle DeepMindの研究者アレックス・ターナーが、退社にいたった詳細な経緯を<a href="https://x.com/ats/status/2080130029661409744" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">ブログ記事にしています</a>。米国政府が、自律型致死兵器や大量監視への利用制限を設けない契約を求めており、明らかに一線を越えているように見えるのに暗澹たる気持ちになりますが、先週末に録画しておいたNHKスペシャル「<a href="https://www.nhk.jp/g/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/paJnovBDza/bp/pNRq6BJOy1/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">揺らぐ世界秩序　“平和国家”日本の防衛力強化はどうなる</a>」を見ていて、防衛テックとの関わりはとっくに対岸の火事でなくなっているのを再認識させられました。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>既に日本の防衛省はパランティア・テクノロジーズと<a href="https://digital.asahi.com/articles/ASV6B3T07V6BULZU00DM.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">契約を結んでおり</a>、アンドゥリル・インダストリーズが日産自動車の追浜工場の取得に向けて協議していることが<a href="https://jp.reuters.com/markets/global-markets/4NBDH7ZRCFI3PGS3Q6RYYXD474-2026-06-25/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">報じられています</a>。特に後者に関しては、ロイターの記事にもあるように、戦後の日本の経済成長をけん引してきた自動車工場が防衛装備の工場に生まれ変わることは、平和国家を掲げてきた日本にとって象徴的な変化となるでしょう。今や、VCが<a href="https://coralcap.co/2026/03/japan-is-rearming-heres-what-that-actually-means/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">日本の「再軍備」</a>について明言するところまで来ています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ワタシ自身は、データ主権の観点からパランティアとの契約には明確に反対です。またその一方で、日本は「死の商人」になることなく独自の防衛産業を残していく必要がある、という<a href="https://courrier.jp/news/archives/452273/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">小泉悠の意見</a>に与するものですが、果たしてその舵取りを今の日本政府に期待できるでしょうか。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>冒頭でも書いたように、今年もMaker Faire Tokyoは、電子工作、ロボット、自作楽器など、さまざまなものづくりの試みやDIY技術に溢れ、盛況でしょう。この文章で書いた内容に反するようですが、願わくは、それが何よりも平和なもの、つまり「戦争について考えないことが許される」場になることを心から願います。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p></p>
<!-- /wp:paragraph -->]]>
                </content:encoded>

                <post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">94212</post-id>
            </item>
                    <item>
                <title>トヨタ発Walden Roboticsが示す「工場で育つロボット」の現実解（中村航）</title>
                <link>https://wirelesswire.jp/2026/08/94110/</link>
                                    <media:thumbnail url="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/08/p20260724_atobestock1.jpg" />
                
                <dc:creator><![CDATA[中村 航]]></dc:creator>
                <pubDate>Mon, 03 Aug 2026 21:00:00 GMT</pubDate>
                                                    <category><![CDATA[科学技術芸術と社会]]></category>
                                <guid isPermaLink="false">https://wirelesswire.jp/?p=94110</guid>

                <description><![CDATA[ロボットは、研究室ではなく工場で賢くなるのかもしれない。トヨタ系の研究組織から生まれたWalden Roboticsは、その可能性を正面から事業にしようとしている。 Walden Roboticsは2026年7月15日、 [&hellip;]]]></description>
                <content:encoded>
                    <![CDATA[<!-- wp:paragraph -->
<p>ロボットは、研究室ではなく工場で賢くなるのかもしれない。トヨタ系の研究組織から生まれたWalden Roboticsは、その可能性を正面から事業にしようとしている。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Walden Roboticsは2026年7月15日、ステルス状態を抜け、3億ドル（約490億円）のシード資金調達を発表した。評価額は11億ドル。調達はトヨタとDeviation Capitalが共同主導し、NVIDIA、Boeing、Samsung Ventures、Prologis Ventures、CoreWeave Venturesなども参加している。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>同社は、Toyota Research Instituteから2026年1月にスピンアウトしたフィジカルAI企業である。CEOのRuss Tedrake氏はMIT教授で、Toyota Research InstituteでLarge Behavior Models（大規模行動モデル）を率いていた人物だ。Waldenは、製造や物流の現場で使える汎用ロボットを開発しており、同社によれば、すでに2026年2月から北米のトヨタ工場で実作業に投入されているという。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Waldenが掲げるのは、ロボットが現場で仕事をしながら継続的に学習し、改善していくという考え方だ。背景には、Diffusion PolicyやLarge Behavior Modelsといった技術がある。Diffusion Policyは、人間の実演データなどからロボットの動作を学ばせる手法で、Large Behavior Modelsは、ロボットの行動を大規模データから学習するモデル群を指す。ロボットをあらかじめ完全にプログラムしてから現場に置くのではなく、実際の作業環境の中で経験を積ませようとしている点が、Waldenの特徴である。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>「<a href="https://wirelesswire.jp/2026/07/94010/" data-wpel-link="internal">工場ロボットは「見て覚える」ようになるのか、進化するロボットの学び</a>」で紹介したMowitoも、人間の実演から産業用ロボットアームに作業を学ばせようとしていた。Waldenの発想もそれに近い。ただし、既存のロボットアームに新しい作業を教えるMowitoに対し、Waldenは汎用ロボットを実際の工場に投入し、現場で働かせながら学習させようとしている。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>もう一つ興味深いのは、Waldenのロボットが完全な二足歩行ヒューマノイドではなく、車輪型を採用している点だ。これはGenesis AIのEnoにも通じる現実的な設計である。工場や物流施設のように床が整った環境では、脚で歩くことよりも、安全に、安定して、長時間動けることのほうが重要になる。派手な人型ロボットのデモよりも、まず現場で使える形を優先する姿勢が見える。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>フィジカルAIに求められるのは、人間そっくりの姿よりも、現場で役に立つことだ。既存の生産システムを理解し、人と並んで働き、失敗から学び続けられるか。Walden Roboticsの登場は、フィジカルAIが「動くデモ」から「働きながら学ぶ機械」へ近づきつつあることを示している。<br>（中村 航／翻訳家）</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>参照</strong><br><a href="https://www.waldenrobotics.com/news/walden-robotics-launches-from-stealth" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">Walden Robotics</a><br><a href="https://interestingengineering.com/ai-robotics/us-toyota-robots-learn-from-experience" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">Interesting Engineering　Video: US-based Toyota spinout’s factory robots learn from experience on the job</a><br><a href="https://thenextweb.com/news/walden-robotics-300-million-toyota-humanoid" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">The Next Web: Walden Robotics launches with $300M, and no legs</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->]]>
                </content:encoded>

                <post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">94110</post-id>
            </item>
                    <item>
                <title>David BowieとTwiggy （1）／欧州学術事情（原正彦）</title>
                <link>https://wirelesswire.jp/2026/07/94182/</link>
                                    <media:thumbnail url="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/hara-top.jpg" />
                
                <dc:creator><![CDATA[原 正彦]]></dc:creator>
                <pubDate>Thu, 30 Jul 2026 01:54:50 GMT</pubDate>
                                                    <category><![CDATA[科学技術芸術と社会]]></category>
                                <guid isPermaLink="false">https://wirelesswire.jp/?p=94182</guid>

                <description><![CDATA[私は、大学の教員を定年退職してから今年で3年が経ちました。ロンドンに来てからは1年経過しました。仕事も生活もいたって快適です（とは言いつつ、元々物価が高いことに加え、なんといっても円安が….）。特に仕事環境は、ある意味、 [&hellip;]]]></description>
                <content:encoded>
                    <![CDATA[<!-- wp:paragraph -->
<p>私は、大学の教員を定年退職してから今年で3年が経ちました。ロンドンに来てからは1年経過しました。仕事も生活もいたって快適です（とは言いつつ、元々物価が高いことに加え、なんといっても円安が….）。特に仕事環境は、ある意味、極めて理想的です。長年欧州に住んでいる私の知り合いからは「それは1年目だからでしょうね」と言われています。そうなのかもしれません。まだよくわかっていません。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>定年退職した次の日から日本を離れて、ドイツの大学にお世話になり、1年間シニアフェロウとして、シンクタンク的なプロジェクトに参加して、新しい研究課題を始めました。その後、韓国の大学にご縁があり、大学のゲストハウスに１年程住み、その間、2022年から関わっていた中国の研究所のフェロウの身分で、夏休みの期間中、北京でアパートを借りて滞在しました。そしてロンドンでの仕事にご縁があり、昨年の春からロンドンに住むようになった、というわけです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>韓国、中国は、やはりアジア圏ということもあり、今までも長年、日中韓＋ASEANのプロジェクトを続けて来ましたので、住んでみて初めて感じることがありつつも、ある意味、想定の範囲内でした。一方で、私は普通よりは少しは多く、国際交流の仕事で欧米を行き来して来ましたが、実際にロンドンという現場で腰を落ち着けて仕事をしてみると、何て快適なことか、何て日本は難しい国だったのか、を実感することになりました。これは感覚的なことで、この違いは言葉で上手く表現できないのですが、この場を借りて、少しずつ、そのニュアンスを書き綴ってみたいと思います。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>そして「それは１年目だから」と言う、ビギナーズラック的なことなのか、ちょうど1年が過ぎて、これからのシーズン2で想うこと、改めて観えて来ること、感じ方の変化などを報告して行くことが出来ればと思います。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>見出しにある「David BowieとTwiggy」については次回から原稿を書いていきますが、まずはその前に「<a href="https://wirelesswire.jp/2026/07/94167/" data-wpel-link="internal">半導体量子デバイスの大規模スケール化と国際交流／国際共同研究の重要性（シュレディンガーの水曜日）</a>」を8月5日に開催します。こちらで皆さんとお目にかかれれば幸いです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->]]>
                </content:encoded>

                <post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">94182</post-id>
            </item>
                    <item>
                <title>カレン族　湯気と日々のあわい－－ものづくりと手のあいだに（1）</title>
                <link>https://wirelesswire.jp/2026/07/94117/</link>
                
                <dc:creator><![CDATA[服部 希代野]]></dc:creator>
                <pubDate>Tue, 28 Jul 2026 21:00:00 GMT</pubDate>
                                                    <category><![CDATA[地域・本・写真]]></category>
                                <guid isPermaLink="false">https://wirelesswire.jp/?p=94117</guid>

                <description><![CDATA[タイとミャンマーの両国にまたがる地域に暮らす少数民族のカレン族。少数民族としては人口が多く、現代では多様な生活を送るようになる中でも、農耕や家畜の飼育を中心に伝統的な生活を営んでいる人々がいる。カレン族の文化を示す1つが [&hellip;]]]></description>
                <content:encoded>
                    <![CDATA[<!-- wp:paragraph -->
<p>タイとミャンマーの両国にまたがる地域に暮らす少数民族のカレン族。少数民族としては人口が多く、現代では多様な生活を送るようになる中でも、農耕や家畜の飼育を中心に伝統的な生活を営んでいる人々がいる。カレン族の文化を示す1つが伝統的な衣装で、男女などの属性によって色や形状が異なる貫頭衣を着用する。またコメや野菜を基本とした伝統料理からも、彼らの生活と文化を垣間見ることができる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>写真家の服部希代野氏は、チェンマイから離れた土地に暮らすカレン族を訪ね、伝統的な藍染を体験した。その後に招かれた台所では、料理を作り、家族で食卓を囲む日常に触れた。布を染める手、食べ物をこしらえる手。その一つひとつの所作には、自然から受け取ったものを暮らしへとつないでいく、祈りにも似た静けさがある。連載の第1回では、湯気の向こうに服部氏が見つけた、カレン族の暮らしの温もりを紹介する。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:separator -->
<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>
<!-- /wp:separator -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ふとした日常の美しさを切り取ったような、旅でした。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>料理を教えてもらいにある家庭に、チェンマイから車で2時間のカレン族のご自宅にお邪魔させてもらった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>雨季のチェンマイは日本ほどジメジメしていない。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>木のご自宅はとても居心地が良い。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94118,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image10-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-94118"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>照明は無く、窓からほのかに入ってくる光で過ごした。<br></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94119,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image17-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-94119"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94120,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image8-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-94120"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94121,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image6-1024x689.jpg" alt="" class="wp-image-94121"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>料理を作っている途中で子供たちが帰ってきた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>その無邪気な笑い声に、雨の音がやさしく重なる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ラジオから流れる懐かしい民謡が、心地よい。遠い日の記憶をそっと揺り起こす。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>窓からさす微かでやわらかだけれども確かにそこにある光。雨で濡れた土の匂いのする帰り道や、雨上がりに少しずつ光がさしていく故郷の景色を、想起させた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94122,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image1-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-94122"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>窓辺では、ねこが静かに雨を見つめている。その穏やかな横顔は雨音をよりやさしいものにしてくれている。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94123,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image3-1024x689.jpg" alt="" class="wp-image-94123"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94124,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image15-1024x689.jpg" alt="" class="wp-image-94124"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94125,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image20-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-94125"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ご飯の炊ける湯気がゆらりと立ちのぼり、日々のあわいをやさしく満たしていく。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94126,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image5-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-94126"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>雨音、子どもたちの笑い声、民謡の旋律、ねこの気配、そして湯気のぬくもり。さまざまな音や情景がひとつの調べとなって響き合い、心はいつしか深い安らぎの中へとほどけていく。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94127,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image2-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-94127"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94128,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image22-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-94128"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94129,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image13-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-94129"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94130,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image12-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-94130"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94131,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image14-1024x689.jpg" alt="" class="wp-image-94131"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94132,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image11-1024x689.jpg" alt="" class="wp-image-94132"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94134,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image4-1024x689.jpg" alt="" class="wp-image-94134"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94135,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image9-1024x689.jpg" alt="" class="wp-image-94135"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94136,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image19-1024x689.jpg" alt="" class="wp-image-94136"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>素朴で優しく何気ないひととき。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>けれど、その何気ないひとときこそが、かけがえのない日常だった。そこには確かに、暮らしの幸せが息づいていた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94137,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image18-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-94137"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94138,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image21-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-94138"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>中央　ジョーパッカード (Cho Phakkad)　青菜と豚肉を煮込み、タマリンドや魚醤で味付けした料理。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>右下　カイジャオ　たっぷりのラードで揚げ焼きした卵焼き</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94139,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image7-1024x689.jpg" alt="" class="wp-image-94139"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":94140,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/image16-1024x689.jpg" alt="" class="wp-image-94140"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>投票所に向かう途中のご近所の方々。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>日常に鮮やかな民族衣装を纏っている。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p></p>
<!-- /wp:paragraph -->]]>
                </content:encoded>

                <post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">94117</post-id>
            </item>
                    <item>
                <title>半導体量子デバイスの大規模スケール化と国際交流／国際共同研究の重要性</title>
                <link>https://wirelesswire.jp/2026/07/94167/</link>
                                    <media:thumbnail url="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/schro-main.webp" />
                
                <dc:creator><![CDATA[シュレディンガーの水曜日事務局]]></dc:creator>
                <pubDate>Tue, 28 Jul 2026 08:31:55 GMT</pubDate>
                                                    <category><![CDATA[物質知性]]></category>
                                <guid isPermaLink="false">https://wirelesswire.jp/?p=94167</guid>

                <description><![CDATA[今回の「シュレディンガーの水曜日」は半導体量子デバイスが技術的テーマではありますが、それ以上に、国際ネットワークにおける人的交流の価値と重要性について語る会にしたいと思います。国際交流経験が豊富な入來篤史氏（帝京大学／理化学研究所）、原正彦氏（JSPSロンドンセンター）にも加わっていただいて、5人で国際交流のメリットを語り合うことにします]]></description>
                <content:encoded>
                    <![CDATA[<!-- wp:html -->
<style>
p.eyecatch--caption{text-align: left;padding-left: 10%; line-height:1.5;}
@media (max-width: 769px) {
p.eyecatch--caption{font-size:0.563rem; padding: 0 1rem; line-height:1.3;}
}
@media (max-width: 500px) {
.eyecatch--wrap-new{min-height:280px;}
p.eyecatch--caption{margin:0;padding:0.5rem;}
}
</style>
<!-- /wp:html -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>量子コンピュータの大規模化には、多数の量子ビット（Qubit：「0」と「1」を同時に持ち合わせた「重ね合わせ」の状態をとれる）の状態を高速かつ高精度に測定する読み出し技術が不可欠です。半導体量子ビットは、電子のスピン状態を電荷の変化に変換し、電荷センサーから得られる微小な信号を検出することで量子状態を読み出しますが、量子ビット数の増加に伴い測定配線の本数や読み出し回路の消費電力が増大すると、極低温環境への熱流入や実装面積などが大きな制約になります。そこで、量子ドットから得られる微小信号を極低温環境で低雑音に増幅し、高速に検出するための読み出し回路技術を実現することで、チップ上で 100～1,000 個のデバイスを同時に動作できるよう開発を進めているのが、小寺 哲夫氏（東京科学大学 工学院　教授）と片岡 真哉氏（英国国立物理学研究所（NPL） 量子技術部門　主任研究員）です。ここにシリコン量子ドット単電子素子の権威、藤原聡氏（NTT物性科学基礎研究所上席特別研究員）が加わります。電流は1秒間に流れる電子の数でその大きさが決まりますが、藤原氏は、数十ナノメートル程度の単一電子素子（電子を一粒ずつ閉じ込め、静電的に制御するための素子）であるシリコン量子ドットで、電子を“一粒ずつ”制御し、1秒間に10億個の電子を運んで微小電流を発生させ、素子の違いによらず大きさのそろった一定の電流を発生させることに成功しました（この精密な電流発生技術と電流比較技術は量子電流標準となり、電流計測の高精度化に貢献しています）。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>この最先端研究の現場にいる3名に話題提供いただくのが8月5日に実施する「シュレディンガーの水曜日」ですが、実は、この3人の研究者に共通しているのは「若い頃から積極的に国際交流を重ねていること」ですね。「Jリーグのレベルが向上したのは欧州のクラブチームで活躍する日本人選手が増えたから」という言説がありますが、やはり日本という国全体の研究開発のレベルを上げるためには、若くて優秀な研究者が率先した海外に打って出るべきなのですね。しかし、例えば国際共著論文の割合（日本は35%程度）は、欧州主要国や米国と比較し極めて低い水準で、加えて日本の大学教員に占める外国籍研究者の比率は約5%程度、そして海外へ出ていく日本人研究者も極めて少ない、つまり「交流がほとんどない」状況です。それでJST（科学技術振興機構）などが <a href="https://www.jst.go.jp/aspire/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">ASPIRE</a>のようなトップダウン型の戦略的国際共同研究プログラムを立ち上げざるを得なくなるわけです（先にご紹介した小寺、片岡、藤原の各氏はこの ASPIREにおいて量子分野・日英共同公募プログラムとして採択されたチームのメンバーです）。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>今回の「シュレディンガーの水曜日」は半導体量子デバイスが技術的テーマではありますが、それ以上に、国際ネットワークにおける人的交流の価値と重要性について語る会にしたいと思います。国際交流経験が豊富な入來篤史氏（帝京大学／理化学研究所）、原正彦氏（JSPSロンドンセンター）にも加わっていただいて、5人で国際交流のメリットを語り合うことにします。特に大学院在籍中の学生の皆さんにお聞きいただきたいですー。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">開<strong>催概要</strong></h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:table {"className":"event mb-xs"} -->
<figure class="wp-block-table event mb-xs"><table class="has-fixed-layout"><tbody><tr><th>名称</th><td><strong>「シュレディンガーの水曜日」<br>半導体量子デバイスの大規模スケール化と国際交流／国際共同研究の重要性</strong></td></tr><tr><th>開催日時</th><td>2026年8月5日（水） 19:00～21:00</td></tr><tr><th rowspan="5">話題提供者<br>（敬称略）</th><td><img src="/wp-content/uploads/2026/07/photo-fujiwara.webp" alt="藤原聡" width="" height="" class="mb-xs">藤原聡／NTT物性科学基礎研究所上席特別研究員</td></tr><tr><td><img width="" height="" class="mb-xs" src="/wp-content/uploads/2026/07/photo-kodera.webp" alt="小寺 哲夫">小寺 哲夫／東京科学大学 工学院教授</td></tr><tr><td><img src="/wp-content/uploads/2026/07/photo-kataoka.webp" alt="片岡 真哉" width="" height="" class="mb-xs">片岡 真哉／英国国立物理学研究所（NPL） 量子技術部門　主任研究員</td></tr><tr><td><img src="/wp-content/uploads/2026/07/schro-iriki.webp" alt="入來篤史" width="" height="" class="mb-xs">入來篤史／帝京大学 先端総合研究機構 AI活用部門 特任教授／理化学研究所 数理創造研究センター 量子数理科学チーム 客員研究員</td></tr><tr><td><img src="/wp-content/uploads/2025/10/schro-hara.webp" alt="原 正彦" width="" height="" class="mb-xs">原正彦／JSPS（日本学術振興会） London センター長・東京科学大名誉教授</td></tr><tr><th>実施形態と参加方法</th><td><strong>Zoomウェビナー（Webinar）を利用したオンラインイベントです。</strong><br><strong><a href="https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_s_hHsiXHSGO_rZfCVxydEQ" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">お申し込みはこちらから</a></strong></td></tr><tr><th>参加料</th><td><strong>無料</strong></td></tr><tr><th>申込期限</th><td><strong>2026年8月5日（水）の18時まで</strong></td></tr><tr><th>主催</th><td>「シュレディンガーの水曜日編集委員会」／スタイル株式会社</td></tr></tbody></table></figure>
<!-- /wp:table -->

<!-- wp:paragraph {"className":"mb-xxl"} -->
<p class="mb-xxl">※プログラムの内容・時間などは予告なく変更となる可能性があります。ご了承ください。</p>
<!-- /wp:paragraph -->]]>
                </content:encoded>

                <post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">94167</post-id>
            </item>
                    <item>
                <title>現実世界と向き合うための「手」に注目するロボット企業たち</title>
                <link>https://wirelesswire.jp/2026/07/94066/</link>
                                    <media:thumbnail url="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/p20260716_unsplash1.jpg" />
                
                <dc:creator><![CDATA[中村 航]]></dc:creator>
                <pubDate>Mon, 27 Jul 2026 21:00:00 GMT</pubDate>
                                                    <category><![CDATA[科学技術芸術と社会]]></category>
                                <guid isPermaLink="false">https://wirelesswire.jp/?p=94066</guid>

                <description><![CDATA[フィジカルAIの実用化を考えるとき、つい注目は「頭脳」や「歩行」に集まりがちだ。だが、ロボットが実際に家庭や工場で役に立つには、もう一つ重要な部位がある。手だ。 ノルウェー発のロボット企業1X Technologiesは [&hellip;]]]></description>
                <content:encoded>
                    <![CDATA[<!-- wp:paragraph -->
<p>フィジカルAIの実用化を考えるとき、つい注目は「頭脳」や「歩行」に集まりがちだ。だが、ロボットが実際に家庭や工場で役に立つには、もう一つ重要な部位がある。手だ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ノルウェー発のロボット企業1X Technologiesは先ごろ、家庭用ヒューマノイド「NEO」に搭載する新たなロボットハンドを発表した。Wiredによれば、この手は人間の腱のような仕組みで動き、25自由度（手や指がどれだけ多様に動けるかを示す指標）を持つ。人間の手が一般に27自由度とされることを考えると、かなり人間に近い可動域を目指した設計だ。奇妙な形の物をつかむ、滑りを検知する、水に濡れても使える、といった特徴も紹介されている。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>なぜここまで「手」が重要なのか。理由は単純で、ロボットにやらせたい仕事の多くが、結局は物を扱う作業だからだ。洗濯物をたたむ、食器を片づける、ドアを開ける、ケーブルを差す、部品を持ち替える。人間にとっては何気ない動作でも、ロボットにとっては非常に難しい。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>この課題に注目しているのは1Xだけではない。The Guardianは7月6日、中国でロボットハンド専門のスタートアップが相次いで登場していると報じた。LinkerBotやWuji Technologyのような企業は、人型ロボットを単なるデモから実用品に変えるには、器用な手が不可欠だと見ている。中国ではEV（電気自動車）産業を背景に、小型モーターやバッテリーなどの部品供給網が整っており、ロボットハンドの量産にも追い風になっているという。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ただし、ハードを作れば終わりではない。The Guardianの記事でも指摘されているように、より難しいのは、その手をどう制御し、どう学習させるかだ。人間の手は、力加減、触覚、滑り、角度、対象物の柔らかさをほとんど無意識に処理している。これをロボットに教えるには、大量の動作データや触覚データが必要になるという課題もある。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="https://wirelesswire.jp/2026/07/94010/" data-wpel-link="internal">『工場ロボットは「見て覚える」ようになるのか、進化するロボットの学び』</a>で紹介したMowitoは、工場ロボットに人間の実演から作業を学ばせようとしていた。一方で現在のロボットハンド開発競争の最先端を見ると、その先にある課題が浮かび上がってきていることもわかる。ロボットが仕事を「覚える」だけでなく、それを現実世界で「実行する」には、器用で壊れにくく、量産できる手が必要になる。最後に現実世界と向き合うのは、物に触れ、つかみ、離す「手」だからだ。<br>（中村 航／翻訳家）</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>参照</strong><br><a href="https://www.wired.com/story/the-1x-neo-robot-has-freaky-fast-fingers/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">Wired: The 1X Neo Robot Has Freaky Fast Fingers</a><br><a href="https://www.theguardian.com/technology/ng-interactive/2026/jul/06/china-dextrous-robotic-hands-humanoid" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">The Guardian: China wants to solve the hardest problem in robotics - making hands</a><br><a href="https://www.businessinsider.com/1x-neo-robotic-hand-solves-hands-problem-2026-7" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">Business Insider: 1X's product head says its new humanoid hand has solved one of the toughest problems in robotics</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->]]>
                </content:encoded>

                <post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">94066</post-id>
            </item>
                    <item>
                <title>通信会社が挑むフィジカルAI――人とAIが協働する社会を共創で実現する／KDDI総合研究所のフィジカルAI（後編）</title>
                <link>https://wirelesswire.jp/2026/07/94047/</link>
                                    <media:thumbnail url="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi2-main.webp" />
                
                <dc:creator><![CDATA[WirelessWire &#38; Schrodinger's編集部]]></dc:creator>
                <pubDate>Fri, 24 Jul 2026 03:00:00 GMT</pubDate>
                                                    <category><![CDATA[科学技術芸術と社会]]></category>
                                <guid isPermaLink="false">https://wirelesswire.jp/?p=94047</guid>

                <description><![CDATA[前編の異常検知技術の開発、実装に続いて、後編ではKDDI総合研究所の黒川茂莉AI部門長に、その根底にある思想と、パートナリングによる共創戦略を聞いた。インタビューには、AI部門 マルチモーダル・モデリンググループの橋本慧志コアリサーチャーと、西村仁志コアリサーチャーにも参加してもらった。]]></description>
                <content:encoded>
                    <![CDATA[<!-- wp:html -->
<style data-wp-block-html="css">
body {
background-image:url(/wp-content/uploads/2026/07/kddi-bg.webp);
background-size:100% auto;
background-repeat: repeat-y;
background-position:top 0;
background-attachment: fixed;
}
.title--wrap{
max-width: calc(630px + 2rem);
background-color:rgba(255, 255, 255, 0.9);
padding-bottom:1rem;
}
.contributor--wrap{
padding:0.5rem;
}
.container--single,
.contributor--wrap{
background-color:rgba(255, 255, 255, 0.9);
}
@media (max-width: 1180px) {
.container--single{
background-color:rgba(255, 255, 255, 1);
}
}
@media (max-width: 600px) {
.contributor--wrap{
background-color:rgba(255, 255, 255, 0);
}
}
footer {
background-color:#fff;
}
</style>
<!-- /wp:html -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>フィジカルAIは「ロボットを賢く動かす技術」にはとどまらない。現場を正確に認識し、人やロボットの行動につなげることで、労働力不足という社会課題を解決するための手段でもある。KDDI総合研究所では、異常検知をはじめとするAI技術に加え、通信ネットワーク、ドローン、そして6000万台を超えるIoTデバイスなどのKDDIグループのアセットを組み合わせながら社会実装を進めていく。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="https://wirelesswire.jp/2026/07/94035/" target="_blank" rel="noreferrer noopener" data-wpel-link="internal">「KDDI総合研究所のフィジカルAI（前編）」</a> の異常検知技術の開発、実装に続いて、後編ではKDDI総合研究所の黒川茂莉AI部門長に、その根底にある思想と、パートナリングによる共創戦略を聞いた。インタビューには、AI部門 マルチモーダル・モデリンググループの橋本慧志コアリサーチャーと、西村仁志コアリサーチャーにも参加してもらった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">■通信会社がフィジカルAIに取り組む理由</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川：フィジカルAIというと、ロボットをAIで動かすことを想像されるかもしれません。しかし私たちは、現場で何が起きているかを正確に認識するところからはじまり、人やロボットのアクションにつなげるAIだと考えています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>これは実は我々のような通信事業者にとってはとても自然なテーマです。通信は、人や情報を運ぶための労働力やコストを下げてきました。昔は飛脚が担っていた情報伝達も、電話やインターネットによって瞬時に、しかも低コストで行えるようになりました。ですから、人の行動を情報伝達へ置き換え、社会の負荷を下げることが、通信事業者の本質的な役割だと考えられるわけです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94037,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi2-1-1024x576.webp" alt="（写真左から）KDDI総合研究所AI部門長黒川茂莉、マルチモーダル・モデリンググループ コアリサーチャー橋本慧志、、コアリサーチャー西村仁志の各氏" class="wp-image-94037"/><figcaption class="wp-element-caption">（写真左から）KDDI総合研究所 AI部門長 黒川茂莉、マルチモーダル・モデリンググループ コアリサーチャー 橋本慧志、コアリサーチャー西村仁志の各氏</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>そしてその次の課題は、ロボットやドローンを活用して現場へ赴き働く行為そのものの負荷を減らすことでしょう。人口減少による人手不足が進む中、その意義はますます大きくなっています。KDDIのネットワークには6000万台を超えるIoTデバイスがつながっており、その中には監視カメラもあります。こうしたネットワークを活用して現場を見守り、必要なときだけ人やロボットが動く世界を実現したい。その基盤技術の1つが、KDDI総合研究所が取り組んでいるフィジカルAIなのです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94038,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi2-2-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94038"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">■現場を認識し、行動につなげるAIへ</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川：フィジカルAIの取り組みで大事なことは、ロボットやドローンを動かして現場の負担を下げる前に、現場で起こっている状況を正しく認識する必要があることです。生成AIがこの数年で非常に賢くなったのは確かですが、現場の現在の状況をリアルタイムにセンシングし、学習しているわけではありません。ですから、現場の状況を別途与える必要があるのです。生成AIやエージェンティックAIはどんなに賢くとも、「デジタル空間」の中でパフォーマンスを発揮してくれるものです。それに比べるとフィジカルAIはいよいよ「実空間」が主役になってきた、現場の技術だ、ということなんです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>さらに現場には、ここで会話している人の表情や配置、周囲の環境、それらの変化など、さまざまな情報があります。これを正常か異常かという2つの分類で判断するだけでなく、ポジティブかネガティブか、社会的に見て健全か健全でないかなど、多様な評価軸で判断することもフィジカルの領域では必要です。そういった評価軸も含めて、フィジカルAIを導入する実証を進めています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>コンビニエンスストアのフィジカルAIというと、ロボットが品出しをすることが想像されますよね。しかし、ロボットがずっと繰り返し品出しだけをすることが必ずしもゴールではないと思うのです。ロボットが品出し作業をしているときにお客さまがいらっしゃったら、「この商品をお取りしましょうか」といった形で、場を作っていくこともフィジカルAIの役割の1つになっていくはずです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94039,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi2-3-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94039"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>また、危険性を認知することもフィジカルAIの役割です。そのためには現場で起きる状況を認識できなければいけません。何か危険が起きることを察知したら、人やロボットなど物理的に空間で作業している対象に伝えて回避できるようにします。そうした多彩な取り組みが組み合わさることで、スタッフの代わりに品出しをしたり、工場で働いたり、物資を届けたりというロボットが人間の負荷を減らしていく社会が構築できるのです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94040,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none","className":"parallax mb-xxl"} -->
<figure class="wp-block-image size-large parallax mb-xxl"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi2-4-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94040"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">■ロボットの視野を補う、店舗全体のAI</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川：具体的にAIとロボットの協働について考えてみましょう。コンビニの例では、店内全体を認識するAIが、ロボットの視野の狭さを補うことができます。まず、現場で何が起きているかを認識する必要があります。異常検知の効率的な手法や、学習のためのデータが不足する課題への対応については、前編で橋本さんが語ってくれたように、KDDI総合研究所の技術が解決への道筋をつけています。もう1つが、コンビニのようにお客さまなど人がいる状況でロボットが仕事をする際に、周囲の状況に合わせた振る舞いをする課題です。コンビニだけでなく、工場でも物流でも、人とロボットが共存する場合には同様の課題があります。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>今の人型ロボットは、多くが頭や手首などにカメラを備えて、状況を把握しながら稼働します。すなわち手元だけを見て作業している状態です。ロボットの動作を制御するだけならそれでもいいのですが、店内の混雑状況やロボットの横にお客さまが来ているかはわかりません。そこでローソンの実証では、店内の状況を判断する店内カメラを用意しました。店内カメラの情報を、AIのビジョンランゲージモデル（視覚言語モデル、VLM）で認識・判断し、手元の作業をしているロボットのAIに指示を出せるようにしました。ロボットは、周囲の状況も理解しながら、作業ができるようになるのです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94041,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi2-5-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94041"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>この技術は、東京・高輪のKDDI本社ビル内のローソンで実証しました。エッジサーバーでVLMが動いて、カメラ情報から店内状況を認識します。お客さまが近くにいないときは緑のランプが点灯して、ロボットは品出しをします。人間がロボットに近づくと赤のランプが点灯して「何かお探しですか」と声をかけます。このように、現時点では判断している状況も動作もシンプルですが、今後はお客さまが子どもか大人かで動作を変えたり、人間の仕草から何を取りたいのかを判断して対応したりといったこともできるようになるでしょう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>さらに歩行や移動ができるロボットを使えば、商品の配置を変えることまで自動でできるようになります。店内を俯瞰しているカメラとVLMによる映像認識を組み合わせることで、コンビニの仕事の仕方が大きく変わる可能性があるのです。複数店舗で導入が進めば、棚割や動線、売れ行きのデータを共通して学習に使えるようになり、ロボットの動作や接客の精度も高められるでしょう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94042,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi2-6-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94042"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">■人とAIのチーミングが生む価値</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川：私たちは、人間が本当にやりたくないことや、繰り返してやらなければならないことを、フィジカルAIに任せればいいと考えています。人手を要する反復作業については、フィジカルAIが担える部分も多いと考えています。商品の箱詰め作業が負担になっている現場があったとしたら、今後フィジカルAIの性能が高まってどんな商品でも握って箱詰めできるようになることで、人間とAIの協働が可能になると思います。うまく適材適所で人間とAIが補い合える世界を作りたいんです。実際には単純な繰り返しに見えている作業も、人間は少しずつ異なる状況に適応しながら処理しています。そうした知見をフィジカルAIが獲得していけば、任せられる領域は広がっていくでしょう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>実際、どのようなフィジカルAIが価値を提供できるかというと、2つの側面があると考えています。1つの側面が、人間のフィジカルな仕事としてお客さまとのインタフェースが残るならば、それ以外のバックヤードの処理をロボットやフィジカルAIが分担するという考えです。人間がおもてなしの価値を提供できるように、その他の作業をフィジカルAIに任せるわけです。そして次のステップが、日本の細やかなサービスを学び、躾られたフィジカルAIを海外に売り出すことです。日本のおもてなしやサービスは世界から評価されています。これを海外で提供できれば、大きな価値になると思います。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>橋本：おもてなしAIは面白いかもしれません。海外にはチップ文化があり、定量的におもてなしを評価する手法に使えそうです。チップの金額を報酬系にして、AIが自ら行動を学習する強化学習を行えば、日本のおもてなしを評価しながら世界へ広めることができるかもしれません。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">■通信会社だからこそフィジカルAIの社会実装が可能に</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川：異常検知モデルの共同研究では、東京農工大学のヒヤリハットデータベースを使わせてもらいました。ドライブレコーダーの黎明期からの20年ほどのデータが蓄積されていて、どのぐらいのヒヤリハットなのか、車線から対向車がはみ出ているかなどを、KDDI総合研究所の技術で判断させてもらっています。フィジカルAIを社会実装していくためには、地道だけれどこうしたデータベースを作る取り組みを推進していかないといけないと感じています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>データを持っている企業などとパートナリングすることもあるでしょう。ドローンの場合は、グループ会社のKDDIスマートドローンが収集したデータがあります。こうしたデータを活用することで、フィジカルAIが社会実装できるような取り組みを進めていきます。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>橋本：一般論ですが、研究所が開発した手法に対して、1割ほどがPoC（概念実証）に進めたら良いほうなのが普通です。しかしKDDI総合研究所のフィジカルAIの手法では、半数がPoCに進んでいます。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川：ヒヤリハットデータやプラントの異常データの蓄積や分析の経験を積み、防衛省が陸上自衛隊に向けたリモート警備システムにVLM基盤を採用するといった実績も生まれてきています。公開していないユースケースも含めると、すでにフィジカルAIをどのように適用したらいいかのナレッジがかなり蓄積されています。KDDI総合研究所が先端技術として「HOW」を提供し、現場の「WHAT」の要件を定義する人がいて、その間をKDDI本社のソリューション部隊がつなぐ、という万全の体制ができているんです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94043,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi2-7-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94043"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>西村：研究所だけでお客さまと対応するのではなく、KDDI本社がプロジェクトマネージャー（PM）としての役割を果たしてくれるのは重要ですね。PoCに進む判断などを、KDDIのナレッジに委ねることもできますから。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川：もちろんKDDI総合研究所も、閉じて実験室だけで研究しているわけではありません。KDDIの現場に近い部署と連携しながら、実際のデータを使って技術を育てています。現場からのフィードバックがあるからこそ、研究開発の方向性を正しく示せているのだと思います。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">■共創でフィジカルAIを社会に根付かせる</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川： KDDIには全国につながるネットワークに加え、GPUクラウドや、基地局でエッジAI処理する仮想化基地局の技術もあります。AIを作る企業は多くありますが、どのデバイスで動かして、どのように通信して、どこで処理するかを含めてすべて設計、実装できる企業はさほど多くありません。フィジカルAIを社会実装していく要素をかなり持っているのです。それでも、実際のフィジカルAIは、現実社会の物理的な要件が関わるため、KDDIが1社で実現できるとは考えていません。パートナリングで、誰かと手を組む必要があります。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>KDDIは、イノベーションリーダーズサミット実行委員会（後援：経済産業省）が発表した「有望スタートアップが選ぶ『イノベーティブ大企業ランキング』」で第1回から9年連続で1位を受賞しています。オープンイノベーションに強い会社として認められているのです。Win-Winの関係が作れるならば、選り好みせずに誰とでも組む柔軟な姿勢が評価されているようです。パートナリングして手を組むことに慣れている会社であり、契約から実装までがスムーズにできると感じています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>実はKDDI自身が、15社以上の通信事業者などが合併して出来上がった会社です。第二電電（DDI）、ケイディディ（KDD）、日本移動通信（IDO）の統合をはじめ、地域会社や関連通信事業者との合併を重ねてきました。要するに多様な文化を融合してきた企業なのです。それだけにKDDIでは「Fusion」という言葉をよく使います。これはフィジカルAIの社会実装にも通じるものだと思います。1社だけでは実現できないからこそ、多様な技術やパートナーの知見をFusionさせながら、フィジカルAIを社会に根付かせていきたいと考えています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph {"className":"mb-l"} -->
<p class="mb-l">ぜひお気軽にお問い合わせいただければと思います。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:html -->
<style data-wp-block-html="css">
.contact-kddi{
border:#ccc solid 1px;
padding:1rem;
background:#fff;
}
</style>

<p class="contact-kddi mb-xl">KDDI総合研究所との連携研究にご興味のある方は下記からお問い合わせください。<br>
<a href="https://www.kddi-research.jp/inquiry.html" target="_blank" data-wpel-link="external" rel="external noopener noreferrer">https://www.kddi-research.jp/inquiry.html</a></p>
<!-- /wp:html -->

<!-- wp:paragraph {"className":"mb-s lineheight-m"} -->
<p class="mb-s lineheight-m">KDDI総合研究所 AI部門長<br>黒川茂莉</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94044,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi2-8-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94044"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ある分野で学習したAIモデルを、別の分野で性能出せるようにする、機械学習のリスキリングのような転移学習について、理論も含めた教科書として「転移学習（機械学習プロフェッショナルシリーズ）」（松井孝太、熊谷亘著、講談社）を紹介します。柔らかい本では「ドラえもん最新ひみつ道具大事典」（藤子・F・ 不二雄監修、イラスト、小学館）を時々見直して発想の参考にしています。以前、社外の人とこの本の内容で盛り上がって、どうやって実現するかの論文を書いたこともありますよ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph {"className":"mb-s lineheight-m"} -->
<p class="mb-s lineheight-m">KDDI総合研究所 AI部門 マルチモーダル・モデリンググループ コアリサーチャー<br>橋本慧志</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph {"className":"mb-s lineheight-m"} -->
<p class="mb-s lineheight-m">KDDI総合研究所 AI部門 マルチモーダル・モデリンググループ コアリサーチャー<br>西村仁志</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94045,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none","className":"image\u002d\u002dfull-wide mb-xl"} -->
<figure class="wp-block-image size-large image--full-wide mb-xl"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi2-foot-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94045"/></figure>
<!-- /wp:image -->]]>
                </content:encoded>

                <post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">94047</post-id>
            </item>
                    <item>
                <title>フィジカルAI時代の「目」をつくる――異常検知を進化させたAI技術を実証／KDDI総合研究所のフィジカルAI（前編）</title>
                <link>https://wirelesswire.jp/2026/07/94035/</link>
                                    <media:thumbnail url="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi-main-1.webp" />
                
                <dc:creator><![CDATA[WirelessWire &#38; Schrodinger's編集部]]></dc:creator>
                <pubDate>Fri, 24 Jul 2026 03:00:00 GMT</pubDate>
                                                    <category><![CDATA[科学技術芸術と社会]]></category>
                                <guid isPermaLink="false">https://wirelesswire.jp/?p=94035</guid>

                <description><![CDATA[KDDI総合研究所のAI部門 マルチモーダル・モデリンググループで技術開発に取り組む橋本慧志コアリサーチャーと、ソリューション提供に携わる西村仁志コアリサーチャー、そして黒川茂莉AI部門長に、フィジカルAIの「目」について語り合ってもらった。]]></description>
                <content:encoded>
                    <![CDATA[<!-- wp:html -->
<style data-wp-block-html="css">
body {
background-image:url(/wp-content/uploads/2026/07/kddi-bg.webp);
background-size:100% auto;
background-repeat: repeat-y;
background-position:top 0;
background-attachment: fixed;
}
.title--wrap{
max-width: calc(630px + 2rem);
background-color:rgba(255, 255, 255, 0.9);
padding-bottom:1rem;
}
.contributor--wrap{
padding:0.5rem;
}
.container--single,
.contributor--wrap{
background-color:rgba(255, 255, 255, 0.9);
}
@media (max-width: 1180px) {
.container--single{
background-color:rgba(255, 255, 255, 1);
}
}
@media (max-width: 600px) {
.contributor--wrap{
background-color:rgba(255, 255, 255, 0);
}
}
footer {
background-color:#fff;
}
</style>
<!-- /wp:html -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>フィジカルAIでは、ロボット、ドローンなどの端末が現実世界を認識し、自ら判断して行動する。その第一歩となるのが、映像情報から異常を見つける認識技術だ。KDDI総合研究所は、視覚情報を取り扱える言語モデル（VLM）と従来型の異常検知モデルを組み合わせることで、AIが「異常を見るべき場所」を理解する新しい異常検知技術を開発した。動画生成AIによる教師データ生成という新たなアプローチも取り入れ、実環境での活用も始まる段階に至った。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>KDDI総合研究所のAI部門 マルチモーダル・モデリンググループで技術開発に取り組む橋本慧志コアリサーチャーと、ソリューション提供に携わる西村仁志コアリサーチャー、そして黒川茂莉AI部門長に、フィジカルAIの「目」について語り合ってもらった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">■「異常」を理解するAIは意外に難しい</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>橋本：KDDI総合研究所としてはフィジカルAIについても様々な研究を行っていますが、私たちの出口は「異常検知」です。工場の外観検査や監視カメラの映像解析など、異常検知が求められる場面は数多くあります。フィジカルAIの活用でも、中核になる技術です。ただし、AIで異常を見つけるのは意外と難しい。私たちは、異常検知にAIの新しい手法の1つであるビジョンランゲージモデル（視覚言語モデル、VLM）を適用することで、異常検知の高度化を実現しようとしています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94022,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi-1-1-1024x576.webp" alt="（写真左から）KDDI総合研究所 AI部門 マルチモーダル・モデリンググループ コアリサーチャー橋本慧志、AI部門長黒川茂莉、コアリサーチャー西村仁志の各氏" class="wp-image-94022"/><figcaption class="wp-element-caption">（写真左から）KDDI総合研究所 AI部門 マルチモーダル・モデリンググループ コアリサーチャー橋本慧志、AI部門長黒川茂莉、コアリサーチャー西村仁志の各氏</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>これまでも、ディープラーニングなどのAI技術の進展で、異常検知モデルは実用化されてきました。画像データを基にして正常か異常かを判定する仕組みで、コンピュータービジョン（CV）と呼ばれるものです。CVは、教師データがあれば画像データから正常と異常を高い精度で分類することができます。一方で、視覚情報を扱えるAIモデルの中で新しく登場したVLMは、画像を説明したり、その内容について人間とおしゃべりしたりすることは得意ですが、CVで簡単にできることが苦手だったりします。そこでこれらを組み合わせてしまえばいいのではないか、が発想の原点になっています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94023,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi-2-1-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94023"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川：これらの技術は、異なる領域で処理をしていると考えると良いでしょう。異常検知モデルを実現するCVは、人間で例えれば「網膜」や「視神経」に近い処理をしています。一方でおしゃべりが上手なVLMは、視覚情報を言語に落として思考する「脳」の役割を果たしています。どちらか一方ではなく、両方を連携させながら異常検知モデルの精度を高めていくのが私たちの考え方です。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>例えば、人がたくさんいる画像データがあったとします。CVでは、多くの人が集まっていることは判別できます。しかし、その画像データが示しているのが、単なる混雑した街なのか、乱闘が起きているのかは区別できないわけです。CVとVLMを組み合わせれば、視神経や網膜に、脳を組み合わせて異常検知ができるということです。CVが「異常」を教えることで、VLMが「どこを見るか」を学ぶのです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94024,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi-3-1-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94024"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>橋本：VLMとCVを連携させることで、異常検知モデルの性能が上がるのではという発想で研究を始めました。手を付けてみると、既存手法よりも性能が上がりそうであることがわかってきました。そこで、ドライブレコーダー（ドラレコ）の映像データを多く保有している東京農工大学と、2年間の共同研究を行いました。背景が連続して変化するドラレコ映像を使った異常検知が、VLMとCVの組み合わせで高い精度で実現できることを明らかにしました。その成果は、精密工学会で2025年度論文賞をとるなど、国内外にも注目されています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">■VLMに「異常を見る目」を教える</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>橋本：今回の新手法のポイントは、CVを、VLMの教師役として使ったことにあります。VLM単体では異常検知の能力はさほど高くありませんが、言語理解には優れています。そこで、VLMに学習させる画像データに、ペアになる説明文を付けて教え込ませることで、VLMの異常検知の精度を高めようと考えたわけです。ただし、画像データを分析して説明文を人間が付けると大変な負荷がかかりますから、CVの出力から「異常部分を示すヒートマップ」や、「異常度スコア」を抽出し、テキストに変換してVLMに学習させました。画像データと説明文をセットにして学習することで、VLMは「この画像のどこを見ると異常検知できるか」を理解できるようになるんです。VLMなので、おしゃべりも得意ですが、こうして教え込ませたVLMは異常検知以外のおしゃべりをしない、という好ましい傾向もみられます。異常検知に特化したVLMが出来上がったのです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94100,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi-4-2-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94100"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>異常検知といっても、実際に利用するシーンやお客さまの環境によって何を異常と考えるかは異なるでしょう。配管に亀裂があるとか、落下物があるとか、「誰が見ても異常」と考えられる場面に対しては、高精度な判断ができるようになりましたが、まだ予兆検知のような予測を含む判断は難易度が高いと感じています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川：高度な異常検知ができることで、例えばヒヤリハットの抑制につながります。子どもの道路への飛び出し、左折車による自転車の巻き込みなど、実際の事故に至らなくても危険なケースは多くあります。これらをリアルタイムに検知してドライバーにフィードバックできれば、ブレーキを踏むための警告になります。ドライバーの運転評価にも使えるでしょう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>橋本：農工大のドラレコ画像を使った検証では、従来手法に対して新手法の異常検知性能が4.2ポイント向上しました。全体の4％というと大したことはないと思うかもしれませんが、1000件の中40件ほどの異常を拾えるようになるわけです。交通のヒヤリハット案件は、1件でも命に関わる可能性があり、異常を高い精度で検知できることの意味は大きいと考えています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">■社内副業制度が生んだ異色チーム</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川：現在は研究所でAIによる異常検知の研究をしている橋本さんですが、最初に出会ったときは本社のSEでしたよね？</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>橋本：学生時代の研究テーマとして、異常検知を手掛けてはいたのですが、就職したKDDIではソリューション事業のSEとして、研究とは離れた業務に取り組んでいました。それでもAIや異常検知についての思いが継続していて、自主的に研究を続けていました。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川：KDDIグループには、AIの社内コミュニティーがあります。登録メンバーは千人を超える大規模コミュニティーで、毎月のライトニングトーク会にも100人規模で人が集まる活発なコミュニティーです。そこに私が参加したとき橋本さんの発表があり、すごい才能のある人がいることに驚きました。ちょうど研究所でも異常検知に詳しい人を探していたので、橋本さんに業務時間の2割を別案件に振り分けられる社内副業制度を利用して、研究所で異常検知の研究をしないかと提案したんです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>橋本：業務の2割から始まった異常検知の研究でしたが、だんだんとこちらが本業になり、研究所に異動することになったわけです。副業の当初から、「通信事業者×異常検知」の視点は持っていましたし、一方でKDDIでは通信トラフィックをモニタリングして通信障害の検知をするといった研究はすでに進められていました。そこで、通信回線の先にあるIoTデバイスの情報から現実世界の異常を検知する方向に研究の方向性を定めました。動画から異常を検知するVideo Anomaly Detection（VAD）の技術開発です。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94026,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none","className":"parallax mb-xxl"} -->
<figure class="wp-block-image size-large parallax mb-xxl"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi-5-1-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94026"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">■動画生成AIで「異常データ不足」を克服</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>橋本： VLMとCVを組み合わせた異常検知モデルを開発する中で、新たな課題に直面しました。IoTデバイスや監視カメラから集めた映像データには正常なデータは大量にありますが、異常データはほとんどありません。そこで私たちは、異常データを動画生成AIで作り、異常検知モデルの教師データとして活用することを考えました。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94027,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi-6-1-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94027"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ところが、動画生成AIで異常動画を作ってみると、別の課題が見えてきました。1つは指示に対して一貫性のない異常動画が生成されることです。例えば「喧嘩の動画を作って」と指示すると、群衆が輪になって踊っているような動画になってしまうことがあります。こうした現実には起こりにくい異常は、教師データには適していません。もう1つは、カメラワークです。例えば「逮捕する動画」を生成させると、映画のようにカメラが動く映像になってしまいます。固定カメラの映像を想定した異常検知では、人の動きを学習してほしいのに、AIがカメラの動きを異常として学習してしまう可能性があります。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>そこで、私たちは2つの手法を提案しました。1つ目は、VLMがプロンプトを自動生成する仕組みです（Class-Aware Pseudo-Anomaly Generator）。異常動画を生成するプロンプトを、人ではなくVLMに考えさせます。初期画像に対してVLMが最適なプロンプトを生成することで、物理的にも文脈的にも自然な異常動画を作れるようになりました。人手でプロンプトを作る負担も軽減できます。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>2つ目は、生成動画の動きの偏りを補正することです。分類器の内部データを解析し、動きの大きい動画ばかりを学習しないよう正則化を施しました（Domain-Aligned Regularized Module）。こうした工夫によって、動画生成AIを活用した異常動画の品質を高め、性能向上を実現しました。これらの成果は、<a href="https://www.tc-iaip.org/view/2025/outline.html#odawara" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">国内会議ViEW2025 最優秀論文賞</a>を受賞し、ビジョン分野の最難関国際会議である、ECCV2026でも採択されました。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94028,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi-7-1-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94028"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">■防衛省で始まる実運用</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>西村：橋本さんの技術を活用した代表的なユースケースとして、ニュースリリースも出している防衛省向けの案件があります。陸上自衛隊に向けたリモート警備システムで、KDDIとセコムが受託したというものです。陸上自衛隊は、国内に多くの駐屯地があります。広大な敷地があり、継続的に監視が必要な施設です。しかし、これまでは人間が歩いて周囲を巡回し、目視していました。警備業務の人的負担の削減が課題となり、AIカメラ、センサーなどを使ったリモート警備システムの構築に取り組むことになったのです。監視カメラの映像をAIが自動的に判定して、異常があった場合にアラートを上げる仕組みです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94029,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi-8-1-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94029"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ここで橋本さんの異常検知の技術が使われています。AIカメラの情報はビデオマネジメントシステム（VMS）が管理し、VLMを使ったAIモデルで解析します。異常を検知したら、AIドローンや無人地上車両（UGV）が現地に向かいます。24時間365日体制で駐屯地内の警備・巡回を支援し、将来的には全国で3割の省力化を目指します。KDDIグループの中の役割としては、KDDIがセキュアなネットワーク基盤を提供し、KDDI総合研究所はVLM基盤の構築を、KDDIスマートドローンがドローン技術をそれぞれ提供しています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>黒川：防衛省の事例に限らず、監視カメラやAIドローンを使った異常検知の検証は、すでに取り組みが具体化してきています。異常検知の文脈でお話していますが、ドローンや監視カメラを使ってリアル世界の環境を認識することは、フィジカルAIを実現する上での重要なファクターです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>西村：橋本さんの技術で、侵入シーンの動画を生成して効率的に学習し、異常検知の精度を高められることはKDDI総合研究所とKDDIのアドバンテージです。さらに、異常検知なので10分かけて高い精度で異常検知しても、実際には役立ちません。迅速に判定結果を返すことを目標に、高速化の工夫を数多く取り入れています。無線でも低遅延で高速のネットワークを提供できる5G SA（スタンドアロン）ネットワークの活用や、重要なフレームだけを解析することで処理を高速化するライブラリの適用などが、短時間の検知に貢献しています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph {"className":"mb-l"} -->
<p class="mb-l">黒川：研究所のAI技術だけでも、通信ネットワークだけでも、フィジカルAIは実現できません。KDDIグループが持つネットワーク、ドローン、エッジAI、データセンターといったアセットを組み合わせることで初めて現場で動くシステムになります。今回ご紹介した異常検知も、フィジカルAIを現実の社会で動かすための重要な技術の1つなのです。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph {"className":"mb-xxl"} -->
<p class="mb-xxl"><a href="https://wirelesswire.jp/2026/07/94047/" target="_blank" rel="noreferrer noopener" data-wpel-link="internal">「KDDI総合研究所のフィジカルAI（後編）」</a>に続く</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:html -->
<style data-wp-block-html="css">
.contact-kddi{
border:#ccc solid 1px;
padding:1rem;
background:#fff;
}
</style>

<p class="contact-kddi mb-xl">KDDI総合研究所との連携研究にご興味のある方は下記からお問い合わせください。<br>
<a href="https://www.kddi-research.jp/inquiry.html" target="_blank" data-wpel-link="external" rel="external noopener noreferrer">https://www.kddi-research.jp/inquiry.html</a></p>
<!-- /wp:html -->

<!-- wp:paragraph {"className":"mb-s lineheight-m"} -->
<p class="mb-s lineheight-m">KDDI総合研究所 AI部門 マルチモーダル・モデリンググループ コアリサーチャー<br>橋本慧志</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94030,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi-9-1-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94030"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph {"className":"mb-xxl"} -->
<p class="mb-xxl">フィジカルAIの中で、強化学習は要素技術の1つとして今まさに勉強しているところです。古くからある技術ですが、生成AIの学習に使われるようになり現在でも注目されています。「ゼロから作るDeep Learning （4）――強化学習編」（斎藤康毅著、オライリージャパン）を社内勉強会で用いる入門書として活用し、知識共有に努めています。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph {"className":"mb-s lineheight-m"} -->
<p class="mb-s lineheight-m">KDDI総合研究所 AI部門 マルチモーダル・モデリンググループ コアリサーチャー<br>西村仁志</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94031,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi-10-1-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94031"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph {"className":"mb-xxl"} -->
<p class="mb-xxl">専門書が好きですが、ここでは機械学習（マシンラーニング、ML）を運用につなげる書籍として「事例でわかるMLOps 機械学習の成果をスケールさせる処方箋」（杉山阿聖、太田満久, 久井裕貴編著、講談社）を紹介します。事業化、商用化するまでのMLOpsの遠い道筋に対する処方箋が書かれた数少ない本として参考になります。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94033,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none","className":"image\u002d\u002dfull-wide mb-xl"} -->
<figure class="wp-block-image size-large image--full-wide mb-xl"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/kddi-foot-1-1024x576.webp" alt="" class="wp-image-94033"/></figure>
<!-- /wp:image -->]]>
                </content:encoded>

                <post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">94035</post-id>
            </item>
                    <item>
                <title>工場ロボットは「見て覚える」ようになるのか、進化するロボットの学び</title>
                <link>https://wirelesswire.jp/2026/07/94010/</link>
                                    <media:thumbnail url="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/p20260709_unsplash3.jpg" />
                
                <dc:creator><![CDATA[中村 航]]></dc:creator>
                <pubDate>Mon, 20 Jul 2026 21:00:00 GMT</pubDate>
                                                    <category><![CDATA[科学技術芸術と社会]]></category>
                                <guid isPermaLink="false">https://wirelesswire.jp/?p=94010</guid>

                <description><![CDATA[この記事で、ロボットが人間と同じ現場で働くための安全技術について紹介した。一方、人とロボットの協働には、安全性以外にもさまざまな課題がある。その一つが、ロボットにどのように仕事を教えるかということだ。 これまで、その役割 [&hellip;]]]></description>
                <content:encoded>
                    <![CDATA[<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="https://wirelesswire.jp/2026/07/93942/" data-wpel-link="internal">この記事</a>で、ロボットが人間と同じ現場で働くための安全技術について紹介した。一方、人とロボットの協働には、安全性以外にもさまざまな課題がある。その一つが、ロボットにどのように仕事を教えるかということだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>これまで、その役割は専門のエンジニアが担ってきた。新たな作業を覚えさせるたびに、プログラムを書き換えてきた。では、もし人間が作業を見せるだけで、ロボットが仕事を覚えられるとしたらどうだろうか。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>インド発のフィジカルAIスタートアップ、Mowitoは2026年7月7日、300万ドル（約4.8億円）のプレシード資金調達を発表した。同社は工場で使われる産業用ロボットアーム向けに、AI基盤モデルを開発している。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Mowitoが取り組んでいるのは、産業用ロボットアームに作業をコードで指示するのではなく、人間の実演から学ばせるための技術だ。製品や部品、製造工程が変わるたびにプログラムを書き換えるのではなく、現場で作業を見せることでロボットが新しいタスクに適応できるようにする。これが実現すれば、工場ロボットの導入ハードルは大きく下がる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>フィジカルAIというと、人型ロボットが人間のように歩き、話し、作業する未来像が注目されがちだ。だが実際の導入は、もっと地味なところから始まる可能性が高い。すでに工場にあるロボットを、現場で「こうやる」と見せるだけで柔軟に使えるようにする。これは派手なデモではないが、工場にとっては大きな変化だ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>熟練作業者が一度作業を見せるだけで、ロボットが動きを学べるようになればどうなるか。ロボットは大企業の大規模ラインだけでなく、中小工場や変化の多い製造現場にも入りやすくなる。多品種少量生産や人手不足に悩む現場にとって、これは大きな意味を持つ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>もちろん、人間の作業は見た目以上に複雑だ。部品をつかむ力加減、微妙な角度調整、失敗したときのリカバリー、周囲の人や機械との安全な距離。こうした暗黙知をロボットに学ばせるには、AIモデルだけでなく、センサー、制御、安全設計、現場データの蓄積が必要になる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>だからこそ、日本企業が関われる余地もある。現場に蓄積された作業の知恵や工程改善のノウハウを、AIが学べる形にどう変換するか。そこに、部品メーカー、ロボットメーカー、システムインテグレーター、そして現場を知る製造業の役割がある。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Mowitoのニュースは、小さな資金調達以上の意味を持っている。フィジカルAIが工場に入っていくとき、問われるのはロボットの賢さだけではない。人間が培ってきた仕事のやり方を、どうロボットに渡していくかも重要になってくるからだ。<br>（中村 航／翻訳家）</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>参照</strong><br><a href="https://m.economictimes.com/tech/funding/physical-ai-startup-mowito-raises-3-million-to-teach-factory-robots-by-demonstration-not-code/articleshow/132239341.cms" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">Physical AI startup Mowito raises $3 million to teach factory robots by demonstration, not code - The Economic Times</a><br><a href="https://theaiinsider.tech/2026/07/07/robotics-startup-mowito-raises-3m-in-pre-seed-funding-to-expand-ai-foundation-models-for-industrial-robotic-arms/" target="_blank" rel="noreferrer noopener external" data-wpel-link="external">Robotics Startup Mowito Raises $3M in Pre-seed Funding to Expand AI Foundation Models for Industrial Robotic Arms</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->]]>
                </content:encoded>

                <post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">94010</post-id>
            </item>
                    <item>
                <title>AIを現場へつなぐ「SORACOM Agent」が示すフィジカルAIの現実解</title>
                <link>https://wirelesswire.jp/2026/07/94058/</link>
                                    <media:thumbnail url="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/20260714_soracom001-scaled.jpg" />
                
                <dc:creator><![CDATA[岩元 直久]]></dc:creator>
                <pubDate>Thu, 16 Jul 2026 21:17:00 GMT</pubDate>
                                                    <category><![CDATA[科学技術芸術と社会]]></category>
                                <guid isPermaLink="false">https://wirelesswire.jp/?p=94058</guid>

                <description><![CDATA[IoTプラットフォームを提供するソラコムは、現場のAI活用を支援するためIoT向けAIエージェントの「SORACOM Agent」を中心とした新サービスを発表。現場の課題をAIで解決する1つの道筋を示した。]]></description>
                <content:encoded>
                    <![CDATA[<!-- wp:paragraph -->
<p>生成AIの進歩は著しい。文章を書いたり、絵や写真を生み出したり、プログラムを作成したりといった用途では、ビジネスからプライベートまで多くの作業を肩代わりしてくれるようになった。一方で、生成AIが得意とする仕事の多くは、画面の中で完結する。企業の現場には設備や機器、人が関わるリアルな課題が数多く残されている。そうした課題をAIで解決するには、現場の膨大なデータをAIへ伝え、人や機器と連携させる仕組みが欠かせない。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>IoTプラットフォームを提供するソラコムは、こうした現場のAI活用を支援する。2026年7月に開催された説明会では、IoT向けAIエージェントの「SORACOM Agent」を中心とした新サービスを発表し、現場の課題をAIで解決する1つの道筋を示した。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">現場の課題をAIエージェントで容易に解決</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ソラコムは創業以来、「IoTの民主化」を掲げてきた。通信事業者ごとの複雑な契約や専門知識を意識することなく、必要なときに必要な通信手段を利用して、誰でもIoT機器をクラウドにつなげられる環境を整えてきた。その思想はAI時代にも受け継がれ、「現場でAIを使うためのハードルを下げる」という形へ発展している。ソラコム代表取締役社長 CEOの玉川憲氏は、「Claude Codeが出てきたことで、人間がコードを書く時代が急速に終わった。基盤モデルが知識を吸収して仕事をするようになると、企業の競争力はどこに存在するのか、企業の中で人の役割はどうなるかが疑問に感じられるようになった。そこで2025年に『After AIの組織になる』ことを社内で宣言した」と語る。AIが存在することを前提に、仕事の進め方や組織のあり方を考え直す取り組みを進めてきたのだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>社内ではコード生成にも生成AIを積極的に活用し、少人数のチームがAIと協力しながら仕事を進めるスタイルへ移行しているという。AIが担う仕事は増えていく一方で、人は判断や例外処理、AIへのフィードバックなど、より付加価値の高い役割を担っていく。「人の役割がAIのリーダーへと変わり、人的資本の価値はむしろ向上すると見ている」と玉川氏は話す。この「AIを相棒に現場を自律的に変革する」という成功体験を、顧客企業のIoTなどのリアルな現場にも広げようという発想から生まれたのが、今回発表した「SORACOM Agent」である。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94059,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/soracom_agent_4-1024x576.png" alt="" class="wp-image-94059"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>現場のAI化を実現しようとすると、AIだけでは完結しない。通信回線やSIM、クラウド、センサー、カメラなどの要素に加えて、APIとの連携、セキュリティの確保など、多くの知見が必要になる。企業の現場で、AIを使って課題を解決したいと思っても、実際の仕組みを作り上げるには多くのステークホルダーとのやり取りが必要になり、時間も手間もかかってきた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>その課題を解決するため、SORACOM Agentは、「IoT領域におけるバーティカルAIとして、自律的にタスクを完遂できる」（玉川氏）機能を備えた。例えば、「倉庫でヘルメットを着けていない作業員を見つけたい」「センサーが異常を検知したら担当者へ知らせたい」といった目的を伝えれば、SORACOM Agentが必要なデバイスや通信方式、クラウド構成を検討し、SORACOMの各種サービスを組み合わせながら仕組みを構築していく。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>利用者はIoTの専門知識やAPIを細かく理解している必要はない。現場で課題を知る担当者自身が、AIと相談しながら課題解決の仕組みを作っていける。SORACOM Agentには「プロジェクトメモリー」と呼ぶ長期記憶の仕組みも備える。現場ごとの設備構成や運用方法、過去のやり取りなどを蓄積し、使い続けるほど、その現場を理解したAIへと育っていく。こうした知識は顧客ごとに分離された環境で管理され、自社の知的資産として残る点も特徴だ。生成AIボットサービスの「Wisora」と連携することで、現場で発生していることをリアルタイムに説明することも可能になる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">リアル社会とAIのインタフェースを民主化する</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ソラコムは今回、SORACOM Agentに加えて、その周辺を支えるサービスも発表している。IoT機器が収集した音声を、音声AIやコールセンターとPBXなどを通じて連携できるようにする「SORACOM Air RTC Gateway」、IoT機器の出荷後も通信プロファイルを遠隔から管理できる「SORACOM Connectivity Hypervisor」、コネクテッドカー向けの「SORACOM Automotive Suite」などである。今回の発表を通じて、SORACOM Agentを含めた各種のサービスは、AIがリアル社会とつながるためのインタフェースを整備する役割を担っていると感じさせられた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":94060,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://wirelesswire.jp/wp-content/uploads/2026/07/soracom_agent_5-1024x576.png" alt="" class="wp-image-94060"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p> 昨今はフィジカルAIというキーワードが話題に上ることが多くなった。ともすれば高度な人型ロボットをAIが制御して人間のような作業をすることを想定してしまいがちだが、実際のリアル社会の「現場」には多くの課題がある。「例えば、『箱罠IoTを作りたい』とSORACOM Agentに問いかけてもらえば、エージェントが必要な質問をして、箱罠の仕様からデバイスづくり、アプリ作りまで支援してくれる」と玉川氏は説明する。設備やセンサー、カメラなど、既に現場に存在する機器とAIを結び付けることが、フィジカルAI実現の現実的な第一歩になっていきそうだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p></p>
<!-- /wp:paragraph -->]]>
                </content:encoded>

                <post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">94058</post-id>
            </item>
            </channel>
</rss>
