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フランスの大手スマートデバイスメーカー ウィジングズ、ついに日本に本格進出

Better health, better life

2015.04.17

Updated by Eri Hosokawa on April 17, 2015, 21:20 pm JST

「コールドプレスジュース」や「フィールサイクル」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。健康意識の高い海外セレブたちから火がついた美容ドリンクやエクササイズ法なのだが、健康志向の高まりを受け、日本には空前の健康ブームが到来している。この好機を、スマートデバイスメーカーが見逃すはずがない。

フランスの大手スマートデバイスメーカー ウィジングズ(Withings:以下、ウィジングズ)は4月16日(木)、日本国内代理店のソフトバンク コマース&サービス株式会社と販売店代理店契約を締結し、スマホ連動型ヘルスケアデバイスの国内展開に合意したことを発表した。今後はアップルストア、アマゾン、家電量販店などを中心に商品の展開を予定しており、企業規模の拡大も視野に入れている。進出の成否を左右する4つの商品を紹介しよう。

まずは正確なBMI値、体脂肪、心拍数、室内の温度や二酸化炭素濃度まで計測が可能な体重計「ウィジングズ・スマート・ボディー・アナライザー(Withings Smart Body Analyzer)」。WiFi経由のインターネット接続機能を搭載しており、計測データは専用アプリで自動的に管理される。最大8人分のデータを保存できるため、家庭で共用できるという点も魅力的だ。白と黒の2色展開で、参考価格は20,800円(税込)。

スマート・ボディー・アナライザー(Withings Smart Body Analyzer) 参考価格:¥27,300(税込) iOSデバイス対応

ウィジングズ・スマート・ボディー・アナライザー(Withings Smart Body Analyzer)参考価格:¥27,300(税込) iOSデバイス対応

「ウィジングズ・パルス・オーツー(Withings Pulse O2)」は、活動データや睡眠時の身体情報をトラッキングするウェアラブルデバイス。歩数、高低差、消費カロリー、ランニング、総距離など毎日の活動に関するデータも最大10日分保存できる。デバイスの裏側をタッチするとボディーアナライザーと同様、心拍数も測定可能。好みや用途に合わせて腕やベルト、衣類などに装着して利用できるため、様々なシーンで活用したい。青と黒の2色展開で、参考価格は13,800円(税込)。

ウィジングズ・パルス・オーツー(Withings Pulse O2)参考価格:¥13,800(税込)Android、iOSデバイス対応

ウィジングズ・パルス・オーツー(Withings Pulse O2)参考価格:¥13,800(税込)Android、iOSデバイス対応

一見普通の時計に見える「ウィジングズ・アクティビテ(Withings Activite)」は、歩数、走行距離、睡眠をトラッキングできる腕時計型のデバイスで、近日中には水泳距離の計測にも対応できるようになるとか。サファイヤガラスとスイス製ダイヤルを使用したアクティビテに加え、アクティビテと同等の機能を持つカジュアルラインのアクティビテ・ポップ(Activite Pop)も近日発売を予定している。2モデルとも1度の充電で8カ月間使用でき、こまめな充電を必要としないため、ストレスは皆無。アクティビテはシルバーと黒の2色展開で、参考価格は61,000円(税込)。アクティビテ・ポップの詳細はまだ発表されていない。

アクティビテ

ウィジングズ・アクティビテ(Withings Activite)参考価格:¥61,000(税込)Android、iOSデバイス対応

ネットワークカメラと聞くと、まず頭に浮かぶのがデザイン性の低さだが、「ウィジングズ・ホーム(Withings Home)」は従来のイメージを根底から覆すスタイリッシュなデザインとなっている。24時間家の様子を監視できるのはもちろん、135度の広角ズームで夜間や暗闇でも鮮明な映像取得が実現。搭載されたモーションセンサーでは空気の動きを感知するため、わずかな異変も察知し、ユーザーのスマートフォンに通知される仕組みとなっている。録画されたビデオはタイムラインのように再生できるため、家族の成長日記代わりとしても活用できる優れものだ。

ホーム

ウィジングズ・ホーム(Withings Home)参考価格:¥27,300(税込)iOSデバイス対応

最後はユーザーの睡眠データをトラッキングできる「ウィジングズ・オーラ(Withings Aura)」。マットレスの下に入れるデバイスで睡眠サイクルをトラッキングし、光と音を発するランプのようなデバイスで快適な入眠、起床を助ける仕組みになっている。睡眠時の動きや呼吸、心拍数などのデータを常時計測し、ベッドを共有している場合でも、正確な睡眠データの取得が可能。現時点では1人に1台必要なのだが、2人分のデータを取得が可能になる日もそう遠くはないだろう。

ウィジングズ・オーラ(Withings Aura)参考価格は未定

ウィジングズ・オーラ(Withings Aura)価格未定

ウィジングズは2008年の設立以来、ヨーロッパやアメリカを中心とする50カ国以上でデザイン性を重視したヘルスデバイスを展開し続けてきた。日本では2010年より試験的に販売を開始しており、その反響の良さはウィジングズCEO兼共同設立者、セドリック・ハッチングズ氏が発表した「日本はアジアで最も大きなポテンシャルを秘めた市場」という声明からも伺える。

2014年頃から時計、ジュエリー、衣服など、多くの企業がウェアラブル製品を発表し始め、Appleの腕時計型デバイス「Apple Watch」の発売日も近づいている。前年に引き続き注目を集める分野ではあるものの、実際に使用しているユーザーが街に溢れている、なんてことにはなっていない。デザイン性の欠如、または過度なデザイン性が主な要因として挙げられているが、ユーザーの使用を定着させるためには日常生活にスムーズに溶け込む、“アナログなデザイン”が必要なのかもしれない。その意味でもウィジングズの今後の動向に期待したい。

▼Withings社ブランドマーケティングマネージャーのルーシー・ブロト氏(左)と、セールスマネージャーのアントワン・ロビヤール氏
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細川 依里(ほそかわ・えり)

1986年大阪府大阪市生まれ。映画「天使にラブソングを2」をきっかけに外国に憧れを抱き、15歳で渡米。高校はユタ州、大学はカリフォルニア州立大学にてグラフィックデザインを専攻。在学中にはフリーマガジンのインターンシップを経験。帰国後、女性ファション誌に編集者として携わる。趣味:ファッション、旅行、映画鑑賞。