自然界に存在する生物や物質には、意図的な回路のような構造を持たなくても、適切な入力と出力があることにより、社会的な価値をもたらす情報処理や機能変換などの、知的機能を発現する可能性があります。その研究対象は、かつては粘菌アメーバだったり、最近ではオルガノイドだったりします。要は、計算式や論理回路では到底解けそうもない問題を、自然が持つ現象で解いてみよう、という試みです。
2023.08.19
「光ピンセット(optical tweezers)」は、光圧(ひかりあつ)という光の圧力を使った新しい技術です。例えば、血液中の赤血球を捕まえて自由に移動させたり、あるいは水と油に溶けているそれぞれの物資を光ピンセットで近付けて化学反応させる、などという芸当が可能になります。
2023.06.23
私達は人と会う時、普通は自分自身を見ることはありません。ところが、Zoom会議では、自分自身を見ることができます。コロナ禍という歴史に残る時代、そして文化の変化に、人は「新しい鏡」で自分を見るようになったといえます。
2023.06.19
山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター(INOEL)は、有機エレクトロニクス実用技術の研究開発成果を産学連携で推進するセンターとして2013年に設立されました。このセンターの大きな特徴は事業化・産業への応用(社会実装)を最重要視していることです。
2023.06.17
「アンドロイド」というと、携帯のOSを思い浮かべる人は、生まれながらにしてタッチパネルのある世の中を普通とする世代です。その一つか二つか前の世代は、ブレードランナー(1982)や、その昔のメトロポリス(1927)の映画に登場する「人造人間」すなわち、andro=人、-oid=のようなもの、を思い出します。
2023.06.09
生物学や医学という学問分野は、定式化が難しく、個々の事例を重ね、知識を積み上げる分野。予想外の新事実が見い出されれば、辞典に一項目が増える。
2023.05.31
ウランを芸術のメディアとして見ている人たちがいる。もちろん、そのウランは、原子力から核兵器まで使われる元素のウランのことである。芸術と言われると違和感があるが、例えば「ウランガラス」と呼ばれる蛍光を発するガラス細工がある。
2023.05.22
1967年にロチェスター大学のサイクロトロン設備は、インドのチャンディガルにあるパンジャブ大学に譲渡された。地図を見ると分かるが、チャンディガルはインドの北部で、中国とパキスタンに挟まれた場所に位置する。そのサイクロトロン移設と共に、一地方大学であったパンジャブ大学は、一躍、インド国内の原子核物理学の研究と教育の拠点となった。
2023.05.12