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yomoyomo yomoyomo

雑文書き/翻訳者。1973年生まれ。著書に『情報共有の未来』(達人出版会)、訳書に『デジタル音楽の行方』(翔泳社)、『Wiki Way』(ソフトバンク クリエイティブ)、『ウェブログ・ハンドブック』(毎日コミュニケーションズ)がある。ネットを中心にコラムから翻訳まで横断的に執筆活動を続ける。

AIもメタクソ化の道を辿るのか、あるいは「普通の技術」に落ち着くか

AI Disclosures Projectは文字通り、AIに関する情報開示を求めるプロジェクトですが、なぜ情報開示が必要なのでしょうか?

2025.08.19

「AIファースト」と「人間ファースト」は両立しうるか?

AIが我々の仕事の存在自体に現実的に影響を既に及ぼしているのは確かです。今月、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された「就職面接にようこそ。面接官はAIです」は、AIが採用の現場で面接官を務めているのを取材した記事ですが、「人工知能があなたの仕事を奪いに来ると思ってました? まずは面接官の置き換えからです」という副題がなかなか奮っています。

2025.07.15

MCPが後押しするAIじかけのウェブ、AIが後押しするオープンなウェブの空洞化

この連載でも何度か名前を引き合いに出しているオライリー・メディアのマイク・ルキダスが、重要ないし興味深いテクノロジーやビジネスのトレンドをリストアップするRadar Trendsシリーズは、ワタシも毎月必ずチェックしています。ルキダスはこの連載を5年ばかり続けており、2020年はCOVID-19がトップの話題になることが多かったですが、2021年以降は現在まで、トップの話題は一度の例外もなく人工知能(AI)だったりします。

2025.06.09

つながりのテクノロジーはまたしても我々を引き裂く

ニコラス・カーの新刊『Superbloom』の書名は、2019年にカリフォルニア州のウォーカー・キャニオンで大量のポピーが咲き乱れた現象に由来します。当初は地元住民だけがオレンジ色のポピーを楽しんでいましたが、数万人ものフォロワーを持つインフルエンサーが自撮り写真を投稿するや、ハッシュタグ「#superbloom」がバズります。しかし、写真を撮るために道路を渋滞させるほど多くの人が押し寄せた挙句、環境保護区域の花々が踏みつけられるなど自然破壊が問題となり、交通警官が負傷する事態となると、今度はポピーの写真の投稿者に激しい非難コメントが寄せられました。

2025.05.21

人間と人間でないものを分かつ一線、そして「エンパシー」について

ChatGPTはチューリング・テストに合格しているにもかかわらず、自身に意識があるのを否定するが、チューリング・テストは無効な基準なのか? チューリング・テストは飽くまで会話能力や機能的知能を評価するものであって意識のテストではない、とChatGPTは卒なく答えます。たとえチューリング・テストに合格できても、AIには主観的な経験や感情、人間のような自己認識はないというのです。

2025.04.22

ポイント・オブ・ノーリターン:プログラミング、AGI、アメリカ

オライリー・メディアのコンテンツ戦略担当バイスプレジデントを務めるマイク・ルキダスは、以前よりプログラミングの未来について文章を書いており、ワタシもそれをフォローしてきました。2019年5月には、プログラミング・ツールに関し、我々は未だ「パンチカード」を使っているようなものだと不満を表明した上で、「配管工」にたとえられる「ブルーカラー」のプログラマーにとってのプログラミングが、もっと視覚的なものになるべきと論じていますが、その背景には人工知能のコード作成機能がそうしたグラフィカル化を実現してくれるのではという期待がありました。

2025.03.26

生成されたAIビジネス、OpenAIと「AGIというナラティブ」

AI Now Instituteは、マイクロソフトリサーチの主席研究者だったケイト・クロフォードと、Googleに所属していたメレディス・ウィテカーによって2017年に設立された、人工知能の社会的な影響を研究し、政策戦略を策定する研究機関です。そのAI Nowには、テックジャーナリストのブライアン・マーチャントも在籍しており、彼は昨年の12月に「生成されたAIビジネス:AGIの台頭と機能する収益モデルの大急ぎの模索」という報告書を公開しています。

2025.02.18

アーカイブの危機とメンテナンスの大事さ

無駄に長くネットで文章を書いていると、自分の中にあるネットに関する常識が、時代に合わなくなっているのに気付くことがあります。例えば、こうした技術コラムを書くのであれば、(Googleと名前を出すたびにGoogleのトップページにリンクをはるようなやり方は過剰としても)必要に応じて他のサイトのページにリンクすべきであり、参照リンクがウェブにおける説明責任を担保し、元の文章の主張を補強するのが当然のように考えてきました。

2025.01.15

沈鬱な黒い毒と小さな希望

最近、日本での兵庫県知事選の結果や韓国の尹錫悦大統領による戒厳令発令の背景に、誤情報の疑いがあるYouTube動画の影響が取り沙汰されるのを見るにつけ、ソーシャルメディアの現実の政治への影響力を痛感します。

2024.12.13

シリコンバレーのビジネスモデルと政治哲学の出口、そして地獄と折り合いをつけること

今回の大統領選挙については、シリコンバレーを中心とした米国テック業界の動向もいろいろと話題になり、選挙結果が確定した後もそのあたりについての分析記事が出ています。

2024.11.19

有害な「創業者らしさ」

スタートアップアクセラレータのY Combinatorの共同創業者であるポール・グレアムの「創業者モード」というエッセイが大変話題になりました。これはAirbnbの共同創業者にして最高経営責任者のブライアン・チェスキーが、Y Combinatorのイベントで行った講演に触発されて書かれたものです。

2024.10.16

ジャーナリスト自身が運営する404 Mediaにみる「オルタナメディア」の可能性

2023年5月にVice Mediaが破産申請をしたのを受け、配下のオンラインメディアMotherboardの編集長だったジェイソン・コーブラー、同じくMotherboardの編集者だったサマンサ・コール、エマニュエル・メイバーグ、ジョゼフ・コックスの4人は、自分たちのメディアである404 Mediaを急遽立ち上げました。

2024.09.03