欧州委員会（European Commission）は現地時間6日、EU域内のデジタルマーケットにおける障害撤廃を目指した新たな施策を発表。域内での国境を越えたオンラインショッピングの促進案、著作権関連の規制緩和や大手ウェブ事業者の規制などを多岐にわたる内容の提案となっている。

欧州委員会は今回の発表のなかで、域内での国境を越えたオンラインショッピングにおける配送コストのフラット化や音楽や動画などコンテンツへの平等なアクセス、グーグル（Google）やフェイスブック（Facebook）などのサービスへの新たな規制などを含む16の施策を2016年末までに実施することを約束。これらの施策を実現することで、EU全体で年間4150億ユーロの経済効果や、多数の雇用創出が期待できるとされている。

欧州委員会は今年3月、EU域内での単一デジタルマーケット実現に向けた制度改革案の骨子を発表、現在加盟国28ヶ国で国ごとに行っている規制などの障壁を取り除くことを通じて、域内全体での市場育成や経済の活性化、公平な取引の実現などを目指す取り組みを発表していた。またそのなかで、国境を越えて活動する大手小売事業者やコンテンツ配信業者などを対象にした長期的な調査を開始することも明らかにしていた。

欧州委員会のジャン＝クロード・ユンケル（Jean-Claude Juncker）委員長は、新たな施策について、「欧州全体にわたる通信ネットワークや国境を越えたデジタルサービス、欧州発の革新的なスタートアップなどの登場を期待している」とし、「欧州のどこであっても、すべての消費者が最高の取引を行うことができ、あらゆるビジネスが最大のマーケットにアクセスできる環境を実現したい」と述べたという。

The EU ‘digital single market’ explained 投稿者 FinancialTimes
[The EU ‘digital single market’ explained by Financial Times]

【参照情報】
・EU Announces Plans to Create Digital Single Market - WSJ
・EU Aims to Tear Down Online Barriers, Curb Web Giants - Bloomberg
・EU unveils digital strategy, aims to break U.S. web firms' market grip - Reuters