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KDDI、スマホで教育の場を創造する新サービス「こどもパーク」「GAKUMO」を開始

2013.06.24

Updated by Naohisa Iwamoto on June 24, 2013, 18:26 pm JST

KDDIは2013年6月24日、子どもの教育に役立てるスマートフォン向けサービス「こどもパーク」と「GAKUMO」の2つを7月1日に提供開始すると発表した。「こどもパーク」は未就学児童を主な対象とした知育サービス、「GAKUMO」は中高生を対象とした学習サービスだ。

発表会で登壇したKDDI執行役員 新規事業統括本部 新規ビジネス推進本部長の雨宮俊武氏は、「KDDIではこれまでに神奈川県横浜市や宮城県石巻市などで教育現場にスマートフォンなどの端末を持ち込み、実証実験を行ってきた。学びの効率化、機会均等を目指したスマートフォン向けの新サービスの提供によって、どんなところにも学びの機会を作りたい」と語る。

▼「こどもパーク」「GAKUMO」の説明をするKDDI執行役員の雨宮俊武氏20130624_KDDI001.jpg

新サービスの「こどもパーク」と「GAKUMO」はいずれもauスマートフォンを対象としたサービスだ。雨宮氏は「スマートフォンの世帯普及率は50%を超え、2軒に1軒にはスマートデバイスがある状況になってきている。スマートフォンは説明書などなくても、未就学児童でも使える」と指摘。新しい教育サービスも、KDDIが進める3M戦略(マルチユース、マルチネットワーク、マルチデバイス)の第2弾でスマートフォンとリアルな生活のつながりの強化を目指す「スマートリレーションズ構想」の一環であることをアピールした。

楽しく学べる安全な「学びの場」を提供

新サービスの1つの「こどもパーク」は、親子で楽しく遊びながら、知育につなげることを目指す。UIには大きなアイコンや、見やすいカラーリングなどを採用し、子どもに興味を持ってもらえるような工夫を凝らした。コンテンツとしては50以上のアプリを提供する。「遊び」に近いジャンルとしては「ゲーム」「お絵かき」「えほん」など、「学び」に近いジャンルとしては「ことば」「すうじ・けいさん」「えいご」などのコンテンツを用意した。

▼こどもパークの「こどもモード」画面。この画面からはスマートフォンの通常の操作ができないため、子どもに安心してスマートフォンを手渡せる20130624_KDDI002.jpg

単に楽しく学べるコンテンツを並べただけでなく、スマートフォンを親が安心して知育ツールとして子どもに手渡せるための工夫もある。1つは、「こどもモード」の提供。こどもモードではこどもパークで親が許可したアプリだけが利用でき、モード切り替えのためのパスワード入力を経ないとスマートフォンとしての一般的な機能が利用できない。親のスマートフォンを安心して子どもに手渡して、知育ツールとして使えるための機能だ。このほか、楽しくて使いすぎてしまうことを防ぐ利用時間制限機能、子どもが学習した内容を記録・保存する学習履歴機能を用意した。

サービスは2段階の構成を採る。単体のアプリダウンロードと「こどもモード」の利用ならば月額料金は不要で、アプリの購入代金だけ支払えばいい。こどもパークのフル機能を活用するには、月額790円の月額コース料金がかかる。月額コース料金を支払うと、こどもパークの50本以上のアプリが取り放題になるほか、利用時間制限や学習履歴を活用できるようになる。月額390円でアプリ取り放題の「auスマートパス」に加入している場合は、200円のセット割引があり、こどもパークとauスマートパスを合わせて月額980円で利用できる。

こどもパークは、KDDIが2社のパートナーの協力を得て提供する。1社は、北米で子ども向けタブレット「Nabi Tablet」を提供し、子供向けサービスのプラットフォームやノウハウを持つFUHU。もう1社が、幼児アプリの国内のリーディングカンパニーであるスマートエデュケーション。これらのパートナーのノウハウを取り込み、未就学児童向けの知育サービスに力を入れる。

中高生のスキマ時間を学習時間に

もう1つの「GAKUMO」は中高生向けの学習サービスで、スマートフォンを利用した「手のひらの自習室」を目指す。KDDIと世界中で学習プラットフォームを提供する英Quipperが協業して提供するサービスだ。

特徴は、Quipperのプラットフォームとノウハウを活用した、効率的に学習できるためのしくみにある。学習は15分という短いサイクルで構成され、一問一答形式の出題に自動正誤判定を組み合わせてすぐに答えがわかるようにした。通学時間、部活の前、就寝前といった生徒たちの"スキマ時間"を効率的に学習の時間に変えられるような工夫がなされている。GAKUMOで学ぶことで教科の理解を進める「わかるしくみ」としては、スマートフォンならではの動画付きのコンテンツの提供、間違えた問題を自動保存して復習しやすくした「苦手克服ボックス」、どうしてもわからないときはメッセージで先生に何回でも質問できる「質問機能」などを用意した。またGAKUMOによる学習を継続させるためのしくみとして、ソーシャルやゲーミフィケーション的な要素も採り入れた。頑張ったら褒めるメッセージを、サボっているときは激励のメッセージを届けるほか、ランキング機能や正解率に応じたコイン獲得機能などでソーシャルゲームを楽しむように学習を続けられるようにした。

▼GAKUMOのコンテンツは、中学生向けに3教科5科目、高校生向けに5教科9科目を用意する20130624_KDDI003.jpg

GAKUMO専用にチューニングされたコンテンツは、中学生向けとして3教科5科目、高校生向けとして5教科9科目を用意する。コンテンツ提供は、中学生向けがディートゥーアール(社会)、個別指導塾TESTEA(英語、数学)、マイスクール慶應修学舎(数学)、学習塾プリオーレ(英語、社会、2013年10月以降に国語と理科も提供予定)の各社。高校生向けはベネッセコーポレーションが英語・数学・国語・理科・歴史の各教科のコンテンツを提供する。

GAKUMOにはコースの受講数による料金が設定されている。1コース受講プランは月額980円、2コース受講プランは月額1480円、3コース受講プランは月額1980円。現時点では同時には3コースまでの受講が可能なサービス設計となっている。サービス開始に当たって、7月1日~9月30日の期間は初回登録で加入した利用者はどのプランも無料で利用できる「Let's start GAKUMO!キャンペーン」を実施する。

            ◇   ◇   ◇

KDDIは、これらの2つを通じてスマートフォンを使った教育サービスのジャンルに乗り出す。雨宮氏は、「月額料金の範囲でビジネスを成立させる必要はあると考えているが、将来に渡るKDDIのファンを増やすことも狙いの根底にある」と、相乗効果に期待する。また「学校の現場でもスマートフォンなどの情報機器をどのように学習に取り入れられるかを真剣に考えるようになってきている」(雨宮氏)ように機が熟していることから、新サービスを通じてノウハウを蓄積し、サービスのプラットフォームとしてブラッシュアップしていく考えだ。

もちろん、まだサービスはこれから始まるところで、完成はしていない。サービス開始当初は、未就学児童向けと中高生向けのサービスで、小学生向けが抜けている。利用できる端末も現状ではKDDIのauスマートフォンに限られるが、教育サービスとしては端末の種別や回線、契約する携帯電話事業者に縛られずに利用できることも将来的には求められるだろう。もっと根本的には、月額料金を払ってまで"スマートフォンで学習する"モチベーションを中高生にどのように示すかも課題となる。KDDIとパートナー企業が先行してノウハウを蓄積し、サービスのブラッシュアップをしていくことが、スマホ教育サービスという新しいジャンルを切り拓く力になりそうだ。

【報道発表資料】
親子で楽しく学べるauスマートフォン向け知育サービス「こどもパーク」の提供開始について
中高生向け学習サービス「GAKUMO (ガクモ)」の提供開始について

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。