Image by Aiko Konishi (CC-BY)
スリランカでも伸びているスマートフォン出荷:2,050万人の市場を狙うインド、中国の地場メーカー
Sri Lanka: the latest-growing smartphone market
2015.05.27
Updated by Hitoshi Sato on May 27, 2015, 17:30 pm JST
Image by Aiko Konishi (CC-BY)
Sri Lanka: the latest-growing smartphone market
2015.05.27
Updated by Hitoshi Sato on May 27, 2015, 17:30 pm JST
IDCは2015年3月、スリランカでの2014年第4四半期の携帯電話出荷台数が100万台を突破したことを発表した。
スリランカではインドのような新興国と同様に、携帯電話出荷台数のうちフィーチャーフォンが77.9%で、スマートフォンはまだ22.1%である。フィーチャーフォンが占める割合がまだ約8割と高いが、それでもスマートフォンは着実に普及してきている。
人口約2,050万人のスリランカは決して大きな市場ではない。それでもプリペイドの利用が95%以上であることから、携帯電話の普及率は111%を超えている。またその小さな市場に主要な通信事業者が5社もある非常に競争が激しい市場である。
スマートフォンの普及はスリランカでのインターネットアクセス増加にも貢献している。2014年にスリランカでのインターネットアクセスは68.4%増加した。モバイルでのインターネットへのアクセスは85.8%増加した。それでもインターネットへのアクセスの人口普及率では16.4%であるが、2013年には9.8%だったことから大きく伸びている。
スリランカではフィーチャーフォンでシェアの高い米国マイクロソフト傘下のNokiaやサムスンの他に、中国やインドの地場メーカーの人気も高い。特にインドのMicromaxは約100ドルの「Android One」スマートフォンを2014年9月にインドでローンチしてから、2014年12月からスリランカ、バングラディッシュでも「Android One」スマートフォンを販売している。他にもインドの地場メーカーIntexや中国E-Telなどが50ドルくらいのローエンドの携帯電話やスマートフォンをスリランカ市場で販売している。
これからもスリランカ市場ではスマートフォン出荷は伸びていくことだろう。そしてそれにともなってモバイルからインターネットにアクセスする人も増加してくるだろう。人口約2,050万人の決して大きな市場ではないが、そこにはまだスマートフォン販売の大きなポテンシャルが残されており、Nokiaやサムスンといった老舗のグローバルメーカー以外にインドや中国の地場メーカーも販売に躍起になっている。
▼スリランカの2014年Q4の携帯電話全体のメーカー別出荷シェア
(IDC発表資料を元に作成)
▼スリランカの2014年Q4のスマートフォンのメーカー別出荷シェア
(IDC発表資料を元に作成)
【スリランカの通信事業者Dialogの広告】4GLTEを訴求している。
【参照情報】
・Sri Lanka Mobile Phone Market Touches One Million Mark in Q4 2014, Says IDC
・Sri Lanka’s mobile internet usage grows 85.8-pct in 2014: CB
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。