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一週間

[2015年第42週]米原市で子どもの健康増進、新型iPhoneの満足度は、格安SIMも既存顧客に手厚く

2015.10.19

Updated by Naohisa Iwamoto on October 19, 2015, 12:21 pm JST

IoTから格安SIM/スマホ、ロボットまで、多様なニュースが飛び交った一週間だった。IoT関連では米原市がNTTドコモ、ルネサンスと子どもの健康管理にウエアラブル端末を利用するプログラムを開始。また、注目のJINSのメガネ型端末の発売も正式に発表された。ジュピターテレコム(J:COM )がau網、ドコモ網の双方でMVNOを開始するニュースや、BIC SIMが既存顧客の利便性を高めるための施策を開始するニュースなど、MVNO関連の話題もあった。未来を見据えたところでは、ロボットと人間が共生するための法整備を検討する「ロボット法学界」の設立への動きもあった。

子どもの健康をウエアラブル端末で、JINSのメガネ型端末発売

IoT関連の話題から。米原市、NTTドコモ、ルネサンスは、米原市の地方創生をめざした地方版総合戦略の一環として、子どもの身体能力向上を目的とした「子どもの健康増進プログラム」の施策推進に関する基本合意を締結した。プログラムでは2016年1月から3月まで実施する。具体的には、ルネサンスが「遊び」を軸にした独自の運動プログラムを企画、ドコモの腕時計型ウエアラブル端末「ドコッチ」を子どもたちが身に着けることで、子どもの日常の活動状態や歩数を計測する。これらの活動データと子どもの身体データをルネサンスが分析し、運動プログラムの効果検証と、より効果的な運動プログラムの企画を行う(報道発表資料:米原市地方創生総合戦略における「子どもの健康増進プログラム」に関する基本合意を締結)。

ジェイアイエヌ(以下JINS)は、2015年11月5日にセンシング・アイウェア「JINS MEME」(ジンズ・ミーム)を発売する。3点式眼電位センサーと6軸センサー(加速度・ジャイロ)を搭載した「JINS MEME ES」と、6軸センサーのみを搭載し身体の動きのトラッキングに特化した「JINS MEME MT」の2モデル。

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また、JINS MEMEから取得するデータを元に様々な情報やソリューションを提供する4種類のJINS MEMEオフィシャルアプリも発表された(関連記事:「自分を見るアイウェア」JINS MEME 11月に発売開始 学術研究向けソリューションも提供)。

フリービットは、農業や建設業などの第一次産業、第二次産業の「生産革命」領域に向けて、モバイル通信サービスの提供を開始する。農業や建設業の映像監視に利用されているトライポッドワークスの遠隔モニタリングシステム「ViewCamStation」に、通信回線用のSIMとモバイルルーターを提供する(関連記事:フリービット、第一次産業、第二次産業の「生産革命」にモバイルサービスを提供)。

Touch ID高速化が魅力、Y!mobileでもVoLTE

スマートフォンなどの製品、サービス関連の話題を見ていく。iPhone 6s/6s Plus発売後約1週間のタイミングで、MMD研究所は携帯電話、スマートフォン利用者3000人を対象に「iPhone 6s/6s Plus購入状況及び非購入者の購入意向調査」を実施した。回答者の9.7%がiPhone 6s/6s Plusの発売後約1週間にこれらの端末を購入、購入者の8割が「満足」と回答した。満足している項目は「Touch IDの高速化」が46.8%でトップ、「アウトカメラの画質向上に満足している」(42.3%)、「インカメラの画質向上に満足している」(31.7%)と続いた。注目の「3D Touch機能に満足している」は27.3%と選択肢中で5位だった。一方、調査時点でiPhone 6s/6s Plusを購入してない回答者の中でのこれらの端末への興味度は37.0%、購入意向は25.4%だった(報道発表資料:iPhone 6s/6s Plus発売後約1週間で9.7%が購入、8割が「満足」と回答、満足している項目は「Touch IDの高速化」が46.8%でトップ)。

ソフトバンクは、グーグルの最新Android OSであるAndroid 6.0 Marshmallowを搭載したスマートフォン「Nexus 5X」(LG Electronics製)をY!mobileから10月20日に発売する。同時にVoLTEへの対応を開始する。Y!mobileでVoLTEに対応するのは、10月20日のサービス開始時点では、Nexus 5Xと「AQUOS CRYSTAL Y」(シャープ製)の2機種(関連記事:Y! mobileで「Nexus 5X」を10月20日に発売、Y!mobile のVoLTE対応を開始)。

ジュピターテレコム(J:COM)は、MVNOによる新サービス「J:COM MOBILE」を10月29日に開始すると発表した。KDDIが提供するauの4G LTE網を利用するMVNOサービスとNTTドコモ網を利用するサービスの2本立てで、au網を利用するサービスでは高品位な音声通話が可能なau VoLTEにも対応する。au網を使う「J:COM MOBILE スマホセット [3GB]」では、従来型携帯電話の形状でAndroid 5.1.1をOSに採用した、いわゆる「ガラホ」の「LG Wine Smart(LGS01)」(LG Electronics製)を提供する(関連記事:J:COMがau網でMVNO参入、J:COMアプリの映像視聴はデータ通信量にカウントせず)。

法人向けの特殊用途タブレットの話題もあった。KDDIは、国内防爆検定を取得した法人向けタブレットPC「TOUGHPAD FZ-E1(Windows Embedded 8.1 Handheld モデル)」および「TOUGHPAD FZ-X1(Androidモデル)」の取扱いを、2015年10月下旬に開始する。電気火花や高温度の物体などの点火源に触れると爆発や火災が起こる可能性がある危険箇所で使用可能となる「国内防爆検定」を取得。「4G LTE」に対応しデータ通信が可能なほか、タブレットPCでありながら音声通話もできる(報道発表資料:法人向けの国内防爆検定取得タブレット「TOUGHPAD (タフパッド) FZ-E1/FZ-X1」を取扱い開始)。

BIC SIMが既存顧客の利便性向上へ、ロボット法へ議論

その他のトピックを紹介する。インターネットイニシアティは、ビックカメラで展開している「BIC SIM」の専用受付カウンター「BIC SIMカウンター powered by IIJ」(以下、BIC SIMカウンター)のサポート業務を拡充し、SIMカードのサイズ変更、ファミリーシェアプランへの追加発行、再発行などに対応した。これまで、新規契約やMNPの手続きといった新規顧客を中心としたサポートを行ってきたが、それだけではなく既存顧客の利便性向上を図る施策にも乗り出すことになった。また同時に、各種手数料が2,000円OFFになる「割引キャンペーン」を実施する(報道発表資料:「BIC SIMカウンター」においてSIMカードの変更、追加発行の即日対応を開始)。

サービスロボットや自動運転車、ドローンなど、ロボットが私たちの生活の中に入ってくるにあたり、法整備や法規制のあり方について議論する「ロボット法学会」の設立準備イベントが10月11日、都内で開催された。

ロボット法学会

イベントでは、法律の専門家や弁護士らが登壇し、ロボットを活用し、共生する社会の実現に向けた法制度の課題などについて、会場の参加者も交えて熱い議論が繰り広げられた(関連記事:「ロボットの社会導入に向けて、法律家も技術者もともに議論を」--「ロボット法学会」の設立準備イベント開催)。

スマートフォンのアプリから場所と時刻を指定すると、そこで貸出・返却ができる利便性の高い自転車レンタルサービスが始まる。ソフトバンクなどが提供する「デリバリー型自転車レンタルサービス」がそれで、10月下旬に京都市中心部で提供を始める。

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利用者は、スマートフォンなどのアプリを使って、会員登録後に予約、配達依頼が可能になる(関連記事:好きな場所で借りて返却できるデリバリー型自転車レンタル、ソフトバンクなどが提供)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。