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グーグル傘下の英ディープマインド(DeepMind)が開発した人工知能(AI)ソフトウェア「Alpha Go」が、囲碁の欧州王者を打ち負かしたという話は既報のとおりだが、この「Alpha Go」ソフトウェアと現在世界最高の棋士とされるイ・セドル(Lee Sedol)氏との対局が3月に行われることが決定。対局の模様はYouTubeでライブ中継されるという。ディープマインドの責任者デミス・ハサビス(Demis Hassabis)氏が米国時間5日明らかにした。

ハサビス氏によれば、この対局は計5戦で、3月9日、10日、12日、13日、15日にそれぞれソウルで行われ、勝者には100万ドルの賞金が与えられる予定。

Alpha Goはニューラルネットワーク(いわゆる「ディープラーニング」)技術を応用したソフトウェアで、碁盤上の状況を評価する「value networks」というプロセスと、個々の手を評価する「policy networks」というプロセスを並行して動いており、一手ごとに計算処理を行わなくても最適な打ち手を見つけ出せるという。同ソフトウェアは昨年10月、英国のディープマインド本社で過去3度の欧州チャンピオンに輝いたファン・フイ(Fan Hui)氏と対局し、5戦全勝していた。

囲碁は一手あたりの選択肢が多く、莫大な量の計算を必要とするため、AIにとってはチェスなどよりもさらに困難なゲームと考えられている。そのため2014年には当時もっとも進んだ囲碁AIとされていた「Crazy Stone」開発者のレミ・コウロム(Remi Coulom)氏が「囲碁AIがトップクラスの人間のプレイヤーにハンデなしで勝つにはもう10年は必要」と予想していたという。

【参照情報】
DeepMind will fight Go world champ live on YouTube - Wired UK
YouTube will livestream Google’s AI playing Go superstar Lee Sedol in March - Venture Beat
Google’s AI will battle Go world champion live on YouTube - The Verge

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