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中国Huawei、2015年はスマホ出荷が世界で4社目の1億台超え: 4ヶ月連続で月間スマホ出荷台数1,000 万台超えの勢い

2016.02.15

Updated by Hitoshi Sato on February 15, 2016, 06:26 am JST

Huaweiは、2016年2 月3日に自社のスマートフォン『HUAWEI P8lite』の出荷台数が全世界で1,000 万台を突破したことを発表した。

ヨーロッパで発売開始後9ヶ月での1,000万台突破となり、同社の「P8シリーズ」は世界中で総販売台数1,600 万台を超えている。『HUAWEI P8lite』は中国市場よりもグローバル市場での売上の方が多い。『HUAWEI P8lite』は同社の「P」シリーズのスタイリッシュなデザインを継承し、黄金比のボディライン設計を採用した、よりスリムで落ち着いたイメージを表現しており、特に若い世代に人気がある。

▼『HUAWEI P8lite』(Huawei提供)
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▼2015年にHuaweiは世界でのスマホ出荷が1億台を突破した(Huawei提供)
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2015年の出荷台数は世界で1億台超えたが、競争は非常に激しいスマホ市場

2015 年、Huaweiのスマートフォン出荷台数は、前年度比44%増の1 億800万台となった。2016年1月には、Huawei全体のスマートフォン月間出荷台数が1,208万台に達し、 前年度に比べ93%増加、4ヶ月連続で月間出荷台数が1,000 万台を超えており、その勢いが止まらない。

IDCの調査によると、2015年通年での世界のスマートフォン出荷台数は前年比10.1%増の14億3,290万台だった。1位は韓国のサムスンだったが出荷台数の伸び率は2.1%と大きくない。またシェアも落としている。それでもサムスンとAppleで全世界のスマートフォン出荷の38.9%を占めており、ここ最近の上位1位と2位は常にこの2社である。

一方でHuawei、Lenovo、Xiaomiなど中国メーカーの伸び率は高い。特にHuaweiの成長率はめざましく、同社はNokia、サムスン、Appleについで、年間1億台の端末を出荷した史上4番目の企業となった。もちろん中国企業としてはで初の1億台突破である。Huaweiのスマートフォン出荷台数は2010 年には300 万台のみだったが、 この5 年で30 倍になった。2014 年末現在、170 以上の国でHuaweiの製品及びサービスを提供しているが、他には西欧、中東や中南米などの市場で人気が高い。特にブランド認知度はヨーロッパで大幅に伸びている。

たしかにHuaweiの台頭は著しい。それでも世界1位のサムスンは3億台以上、2位のAppleは2億台以上のスマートフォンを出荷しており、Huaweiよりも3倍、2倍以上の出荷であり、まだまだ上位2社の背中は遠くにある。また中国国内にはLenovoやXiaomiといったライバルが存在しており、Lenovoはグローバル市場でも勢いがある。さらに最近ではインドやインドネシアなど新興国でも地場のメーカーが台頭してきており、Huaweiは上位2社を「追う立場」でもありながら、新興企業から「追われる立場」でもある。スマートフォン市場は世界的にも非常に競争が激しい。

▼2015年通年のメーカー別世界スマートフォン出荷台数とシェア
 (IDCの発表ではHuaweiの出荷台数は1億660万台となっている)
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(IDC発表資料をもとに作成)

【参照情報】
Huawei Reached Another Milestone with P8 lite exceeding 10 million shipments
Apple, Huawei, and Xiaomi Finish 2015 with Above Average Year-Over-Year Growth, as Worldwide Smartphone Shipments Surpass 1.4 Billion for the Year, According to IDC

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。

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