米コムキャスト、2017年半ばにもMVNOサービスを提供へ
2016.09.21
Updated by WirelessWire News編集部 on September 21, 2016, 14:20 pm JST
2016.09.21
Updated by WirelessWire News編集部 on September 21, 2016, 14:20 pm JST
米ケーブルテレビ最大手のコムキャスト(Comcast)が、2017年半ばにも自社ブランドの携帯通信サービスを提供するという。同社のブライアン・ロバーツ(Brian Roberts)CEOが現地時間20日に明らかにした。
コムキャストが計画するMVNOサービスは、同社のケーブル網につながる約1500万箇所のWi-Fiホットスポットとベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless:以下、ベライゾン)から借り受ける携帯通信網の回線とを組み合わせて提供される。価格等については明らかにされていないが、コムキャストでは同社がバンドル提供しているケーブルテレビ、インターネット、固定電話のサービスに新たな無線通信サービスを組み込む見通しで、そのため提供地域も既存のサービス展開エリアが中心になるとみられる。なお、ロバーツCEOは新たなMVNOサービスについて、「契約者の解約率低下や満足度の向上など大きなメリットが期待できる」と述べたという。
米通信・放送市場ではここ数年、有線/無線の垣根を超えた事業者間の争いが激しさを増しており、携帯通信事業者側ではAT&Tが衛生テレビ最大手のディレクTV(DirecTV)を買収、またベライゾンもスマートフォン・ユーザーを主な対象とする動画配信サービスを開始するなど、ケーブル事業者にとって潜在的な脅威となる動きが続いている。コムキャストによるMVNOサービスの提供はこれらに対抗する防御的な動きともみられるが、同社には2000万世帯を超える加入者が存在するため、その一部がMVNOサービスに流れただけでも既存の携帯通信事業者にとっては無視できない規模の打撃となる可能性もある。
さらに、コムキャストが現在進行中の600MHz帯オークション(インセンティブ・オークション)に参加し、新たな周波数帯の獲得に動いているとされるのも携帯通信事業者にとっては気がかりな点で、とくにこれまで主に料金の安さを主な訴求点にして他社に対抗してきたT~モバイル(T-Mobile)やスプリント(Sprint)にとっては少なくない影響が及ぶことも可能性も考えられる。
【参照情報】
・Comcast to Launch Wireless Service by Mid-2017 - WSJ
・Comcast to launch wireless service in 2017 with Verizon MVNO, 15M Wi-Fi hotspots - FierceWireless
・Comcast confirms plans to launch mobile phone service in 2017 - The Verge
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら