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IoT

ワイヤレスゲート、新会社「LTE-X」を設立 LTE over WiFiでIoT向け高速通信サービス

2016.10.03

Updated by Asako Itagaki on October 3, 2016, 15:51 pm JST

ワイヤレスゲートは、LTE over Wi-Fi技術を活用したIoT向け高速通信サービスへの参入に向け、モバイル・インターネットキャピタル(MIC)と共同で株式会社LTE-Xの設立を発表した。2016年度中にシステムの完成を予定し、2017年初頭の商用サービス開始を予定する。

IoTが普及期を迎えるにあたり、多くの機器を通信で結ぶ必要がある。低容量データ通信を対象とした IoT プラットフォームは構築されつつあるものの、産業用IoT接続として同社がメインストリームと考える「高速・大容量・高セキュリティ」のプラットフォーマ―はまだ登場しておらず、「そこに市場参入の余地があると判断」(報道発表資料より)したという。

同社は2015年10月、米国 nCore Communications, Inc.(nCore)に対し、nCoreが保有する「LTE over WiFi」技術を活用したサービスの展開を目指すことを発表していた。IoT 向け高速通信サービスの事業化への目途が立ったことから、今回の事業開始決定となった。コア技術としてnCoreのLTE トンネリング技術(LTE over X)を国内独占利用する。

LTE over Wi-Fiは、Wi-Fi のアクセスポイントを LTE 基地局のように動作させることで、LTE ネットワークが持つ様々な機能を Wi-Fi 上で実現する技術。Wi-FiネットワークとLTEネットワークの同一交換機設備によるアクセス管理、帯域制御や優先制御などの複雑な制御、USIM認証によるエンド・トゥ・エンドのセキュリティ確立などが可能になる。主なターゲット市場は、工場/病院/セキュリティ市場などを考える。

なお同日、ワイヤレスゲートは、新会社LTE-Xが日本IBMの「Watson IoT Platformパートナーエコシステム」に参加 することを発表した。「Watson IoT Platform パートナーエコシステム」は、日本IBMが提供するIoT向けクラウドサービス「Watson IoT Platform」を活用し、「半導体とセンサー」「IoTデバイス」「ゲートウェイ」「ネットワーク」「クラウド・ソリューション」「システム・インテグレーター」の各ビジネス領域の企業を対象に、エコシステム構築とIoTビジネス拡大を目指して技術支援、教育、マーケティングなどを行うプログラム。ネットワーク分野での参加はLTE-Xが初めてとなる。

【報道発表資料】
新たな事業の開始に関するお知らせ ~産業用IoTプラットフォーム事業への本格参入~
IoTビジネスの拡大を目指す 日本IBM「Watson IoT Platformパートナーエコシステム」に参加

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板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。