インサイトからアクションへ、加入者体験向上のための分析とQoE
2016.12.27
Updated by 特集:トラフィック可視化で変わるネットワークの姿 on December 27, 2016, 09:00 am JST Sponsored by プロセラネットワークス ジャパン
2016.12.27
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プロセラが提供するソリューションが「ネットワーク可視化による加入者体感改善」をどのように実現しているか、「スコアカード」「公平制御」「アプリケーション識別」という3つのキーワードから紹介します。
スコアカードは、ネットワーク構成が複雑になる中で、「サービスカテゴリーごとに、どの程度快適に利用できるネットワークを提供できているか」という観点から、ネットワークを評価する仕組みです。上りと下りのスループット、遅延、パケットロスといった指標をもとに、ウェブ、ビデオストリーミング、SNS、ゲーム、ダウンロード、アップロード、音声の7つの指標で、AからFまでの6段階で評価します。
スコア算出のためにプロセラ製品は常時、すべての加入者の、すべてのトラフィックを測定しています。その際に重要なのが、特にピークアワーの測定におけるサンプルレートの高さ(きめ細かさ)です。ピークアワーの測定値は、ネットワーク品質に大きな影響を与えるからです。
サンプルレートが測定結果にどのような影響を与えるのか、具体的な例を挙げましょう。Facebookを利用している特定の加入者がどのくらいのスループットで通信していたかを、サンプルレートを変えて測定した事例を以下に示します。
250ミリ秒のサンプルレートで測定した場合、最大で3Mbps弱のスループットが得られています。しかしこれを1秒のサンプルレートで測定すると、最大で1.5Mbps程度になってしまいます。もっと測定時間を引き延ばして5分間測定し続けるとすると、平均して6kbpsという測定結果が出てしまいます。これは正しくありません。正しいデータを得るためには、高いサンプルレートで測定しなくてはいけないのです。
スコアカードの重要機能のひとつが、高いサンプルレートで測定できるということです。250ミリ秒のサンプルレートで測定すれば、どれだけの帯域幅が使われているかをクリアに可視化でき、ネットワークのどこに影響を与えるかもわかります。
次に、「常時、すべての加入者の、すべてのトラフィックを測定している」というのはどういうことなのかを説明しましょう。それはすなわち、サービスに特化した測定ではないということです。
このことは、プロセラのソリューションが「暗号化」に強いということを意味します。最近はさまざまなサービスのトラフィックが暗号化され始めているからです。「ビデオプローブ」のような、特定のトラフィックだけに対応したプローブでトラフィックを測定していた場合、暗号化によってそのトラフィックが突然識別できなくなったら有用な情報が得られなくなってしまいます。しかし、スコアカードであれば、測定値は継続して得ることができます。
また、測定は、それぞれの加入者が、どのデバイスを、どのロケーションで使用しているのか、あるいはどのような料金プランを利用しているのかまで細かくみることができます。これによって、ロケーションごと、デバイスごと、料金プランごとのスコアも確認でき、データを活用することができるのです。
無線技術ごとのスコア、デバイスごとのスコア、ロケーションごとのスコアを確認することで、全体のスコアをあげるためには加入者を2G、3Gから4Gに移動させるために端末販売施策にお金をかければよいのか、あるいは基地局に投資すればよいのかもデータに基づき判断できます。また、プレミアムプランを利用しているユーザーのスコアを確認することで、高い料金を支払っている加入者に高い品質のサービスが提供できているか、できていない場合どこに投資すればよくなるのかも判断できます。
スコアカードというのは非常に素晴らしいツールだと自負しています。ネットワークへの投資は、単純に多ければよいというわけではありません。どこに投資をすればよいかが重要です。
ネットワークにはサービス品質(QoS)を高めるための投資が必要ですが、通常、ネットワーク加入者間でネットワーク利用には偏りがあります。ほとんどトラフィックを発生させない加入者もいる一方で、特定の加入者が過度な負荷をかける場合もあります。不公平にならないように利用させるための技術が「フェアスプリット・シェイピング(公平制御)」と「フェアファクター制御」です。
大きな下りトラフィックが発生する理由としては、ソフトウェアアップデートやファームウェアアップデート時にコネクションを増やすことで、帯域幅を増やして高速なダウンロードを試みるケース、シングルコネクションでハイクオリティなビデオを見るようなケースなど、さまざまな使い方があります。何もコントロールしなければ、結果として輻輳が発生しているような時でも「多く使う人ほどより多くの帯域幅を使える」ようになってしまいます。
公平制御はパケット使用量が少ない加入者の帯域幅を増やすことで、より多くの加入者の体感を向上します。また、プレミアムプラン加入者など、特定の加入者グループに対して多くの帯域を割り当てる「フェアファクター制御」は、帯域幅を割り当てる時に重みづけをすることによって実現します。
公平制御とフェアファクター制御の効果を理解するために、100人の加入者によって1Gbpsの帯域に対して輻輳が発生しているような状態をシミュレーションしてみましょう。加入者はその発生トラフィックの量によって「ベリーライト」から「ベリーアグレッシブ」まで5つのペルソナに分類できるとします。
何もしなければ、「ベリーアグレッシブ」な加入者は1Gbpsのうち320Mbpsのトラフィックを使用するのに対して、「ベリーライト」な加入者は70Mbpsしか使用できません。これでは不公平です。この状況に対し、公平制御をおこなった場合と、公平制御に加えてフェアファクター制御をおこなった場合の加入者グループ別トラフィックと、加入者別のトラフィック品質は図のようになります。
Impact on Qualityの図に示されている通り、公平制御を行っていない状態では、すべてのトラフィックの品質が下がっています。それを公平制御を行うことによって、多く帯域を割り当てられていた加入者グループの利用帯域を引き下げ、少ない帯域しか割り当てられなかった加入者グループの帯域を引き上げるので、結果としてそれぞれのグループごとに公平な帯域シェアを割り当てられ、全体の品質も改善していることが分かります。
また、「フェアファクター制御」によってライト、ベリーライトの加入者に対してより多くの帯域を割り当てることで、あまりネットワークに負荷をかけない加入者がより多く帯域を使えるよう、逆転しています。その結果、多くの加入者が感じる品質は向上しています。
同様に、プレミアムプランに加入している加入者に対して、より多くの帯域を割り当て、常に高い品質のサービスを提供することもできます。
トラフィックに問題がない時は、この公平制御の仕組みはアクションを起こしません。輻輳状態が発生したような場合に、公平制御とフェアファクター制御によって、ゲームや音声通話などのトラフィック量が少ないアプリケーションにも適切な帯域を保証できるのです。
私達のスコアカードは、アプリケーションごとに品質に対するニーズが異なるという考え方で作られています。当然、新しいアプリが登場し、大きな影響をネットワークに与えることがあります。
最近の事例ではPokemon Goがありました。Pokemon GoはFacebookに比べてコネクション数が5倍消費され、またアプリも常時立ち上げていることでポケモンに遭遇したりたまごの孵化時間が経過したりするように設計されています。他サービスのユーザーに比べ、Pokemon Goユーザーは、7倍の時間サービスを使用しています。このようなアプリはネットワークに大きな影響を与えます。
プロセラのEngineering Insightsでは、実際に収集したデータをTableauなどの市販されているツールで可視化することで、お客様ご自身が様々な角度からレポートを作れます。まず特定の期間のデータからアプリケーションごとの上り・下りのトラフィック、加入者数、デバイスを一覧で見る、個別のサービスにフォーカスして時間帯別にトラフィック、遅延、パケットロスを調べるといった高度な分析が、クリックとドラッグだけで行えます。また、Engineering Insightsでは、マッピングツールによって、トラフィックの情報をロケーション別に可視化できます。
プロセラのソリューションは、ネットワークを測定し、可視化することで、ネットワークへの投資の最適化と適切なトラフィック制御を可能にします。また、アプリケーションがネットワークに与える影響をいちはやく分析することで、ネットワークを守りQoEを改善します。
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さまざまな利用パターンの可視化でユーザー体感を向上するソリューション プロセラネットワークス
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