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LPWAを利用した小学生の登下校お知らせ実験、藤枝市とソフトバンクが開始

2017.10.17

Updated by Naohisa Iwamoto on October 17, 2017, 06:25 am JST

子どもの登下校の状況を、GPSや無線通信機能を備えた端末などを使って検知し、保護者に通知するといったサービスはすでに実際に利用されている。そうしたジオフェンシングサービスに、電池の持ちを延ばせるLPWA(Low Power Wide Area)を活用する実証実験が始まる。

始まるのは、静岡県藤枝市とソフトバンクによる「藤枝市小1児童登下校お知らせサービス実証実験」。2017年10月16日に市内の一部の小学校の1年生を対象に先行開始し、2018年1月から市内小学校全17校に拡大する予定である。ソフトバンクが藤枝市内の広域に敷設したLPWAネットワークを活用し、登下校のお知らせなどを保護者に通知する。

具体的には、ソフトバンクが市内の広域に敷設したLPWAゲートウエイと、小学校の昇降口付近に設置したBLE(Bluetooth Low Energy)ゲートウエイの双方を活用して、児童の登下校の動きを検知する。端末としては、小学1年生に対して、LPWA通信モジュールを搭載したGPS/BLEトラッカーデバイスを配布する。トラッカーデバイスが、GPSによる位置情報や昇降口の通過情報を検知して、保護者のスマートフォンなどに位置を表示したり、登下校情報を保護者に通知したりする。またトラッカーデバイスのボタンを押すことで、登録したメールアドレスに通知が届く機能も備える。

これまで、同様の登下校お知らせサービスでは、3Gや4Gなどの通信ネットワークを利用することが多かった。3G/4Gを利用した場合には、通信トラフィックへの負担や電池の持ちに課題があった。低消費電力で広域の通信が可能なLPWAネットワークと、ピンポイント測位に適したBLEネットワークのハイブリッド型を採用することで、電池の持ちなどの課題についての実際の状況を検証する。また今後は、藤枝市とソフトバンクのIoT分野の連携を強化し、LPWAネットワークを活用したサービス開発や実証に取り組んでいく。

【報道発表資料】
藤枝市とソフトバンクがLPWAネットワークを活用した「藤枝市小1児童登下校お知らせサービス実証実験」を開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。