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エンジニアが外資系企業に転職する際の問題点

Japanese engineers need better communication to work for non-Japanese work places

2017.11.21

Updated by Mayumi Tanimoto on November 21, 2017, 10:46 am JST

ここ何回か外資系のIT企業に関するアレコレを書いていますが、その元になった

日本人SEが外資系ITに大量流出、これでいいのか?

という記事をお読みになって、外資系企業に転職してみようかな、と思った方もいるのではないでしょうか。

日本のエンジニアというのは実は技術力が高いんです。それから勤勉性や学習力の高さ、忍耐、などは大きな売りになります。もちろん日本の外で流行っている言語をやってなかったり、プロジェクトのプロセスの流れがわからないとか、ドキュメンテーションの書き方がわからないという問題もあるかもしれませんが、それはすぐに慣れるから大丈夫です。

意外と思われるかもしれませんが、一ヶ月ぐらいいれば大体分かってくるので大丈夫です。

しかし日本のエンジニアが外資系企業に移る場合の最大の問題というのは、やはりコミュニケーションなんです。

これはつまり英語を使えるかどうかという話なのですが、 ビジネスレベルで使う英語というのは思った以上にレベルが高く、そういったスキルを教えている学校というのはほとんどありません。

もちろんエンジニアであれば専門用語が通じますし、訛だって問題にはなりません。文法だって間違えていても大丈夫です。何とか通じますので。

ただし問題になるのはもうちょっと基礎的なところというか、要するに「伝えること」「説得すること」といった、コミュニケーションの源流的なところを英語でやるという部分ですね。

もちろん町の英会話学校はあるのですが、そう言ったところではプロジェクト文書の書き方を教えてくれるわけではありませんし、 上司を流暢な英語で説得する方法であるとか、 インシデントの説明をサービス部門の幹部に英語で説明してなおかつ納得してもらうというところまでは指導してくれません。

大事なのは特に説得とか説明のところです。

それができないと人員を増やせとか、納期を変えろなどと交渉できませんし、予算を増やせとか、トレーニングに行かせろ、新しいデバイスを入れてくれなんて説得ができません。

技術力が高くても、これができないと仕事が回らないわけです。

しかし外資系に入った場合、言いたいことをバシッと伝えられなかったり、まわりと円滑にコミュニケーションできなければ、パフォーマンスが低いということで一か月ぐらいでクビになってしまうこともあるんです。

職場にはそんなスキルを教えてくれる人はいません。 なぜなら既存の従業員のトレーニングというのは多くの人の目標には入っていないからです。 それはできて当たり前というのが前提です。

日本の外資系企業は働いてる人の多くが日本人で、相手にする人は日本企業の顧客や日本人ユーザー部門とはいっても、やはり国際プロジェクトがあったりしますし、本社や他の 支社の上長やプロジェクトメンバーに「あの日本人は英語で文章書けないし、何を言っているかわからない。説得力もないし。自信がなさそうね。なんか頼りないよね」と言われてしまったらおしまいです。

仕事で声がかかることはなくなりますし、お荷物扱いされ、ジリジリと退職勧奨です。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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