original image: © bohbeh - Fotolia.com
インテリジェント赤ちゃんモニター「Nanit」
2017.12.14
Updated by WirelessWire News編集部 on December 14, 2017, 07:00 am JST
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2017.12.14
Updated by WirelessWire News編集部 on December 14, 2017, 07:00 am JST
英語の“nanny”には、子守とか住み込みベビーシッターといった意味があるが、「Nanit」は、ママやパパに代わって寝ている赤ちゃんを見守ってくれる賢いカメラ。
開発したのは元イスラエル空軍アカデミーのAssaf Glazer博士。イスラエル工科大学(テクニオン)でコンピュータ科学の博士号を取得した機械学習やコンピュータビジョンの専門家だ。その後、半導体技術に取り組み、シリコンウエハーの欠陥を分析する画像識別プラットフォームを開発している。
6年前に息子を授かった彼は、自分の子を「監視」するためにこの技術を応用することを思いつく。その後、同氏はニューヨークに渡り、テクニオンがコーネル大学と共同で作った「ヤコブ・テクニオン・コーネル・インスティチュート」で博士研究員(ポスドク)となって、このアイデアを事業化する。
Nanitは、ただの監視カメラではない。映像を分析するインテリジェンスを持ったカメラなのだ。ベビーベッドという限られたエリアの中で、赤ちゃんは寝返りを打ち、動き回る。その様子を両親がずっと見ているわけにはいかないから、通常は泣き声で呼ばれるまでは放っておくことになる。Nanitは睡眠を監視し、睡眠のパターンを分析して親に教えてくれる。オムツを替える必要のある動きかどうかも判別してくれる。また、部屋の温度や湿度、音も記録できる。
最近の大人用のアクティビティ・トラッカー(活動量計。例えばFitbit)は、寝ている間の動きから睡眠の深さを推測して翌朝教えてくれる機能があるが、Nanitも赤ん坊の動きから眠りの質を推測してくれる。また、いったん目覚めても、再び眠りに落ちる場合には、親に知らせずにおくこともできるという。再び眠るはずなのに親がベッドサイドへ行けば、赤ん坊を起こしてしまうことになるからだ。
こうした賢いカメラは、認知症患者や高齢者にも応用が可能だ。また、睡眠障害や徘徊、自閉症などの人々への応用も検討されているという。
現在、Nanit社はニューヨークが営業とデザインの拠点、実用化開発はイスラエルで行なっているという。
【参照情報】
・Slept Like a Baby? Nanit Monitor Would Know
・Nanit the AI nanny tries to unravel the mysteries of a restless baby
・This baby monitor is so impressive, you’ll want to have another baby just to try it
・New baby monitor helps measure infants' sleep quality
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