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ブロックチェーンを評価サイトに使用する

Using Blockchain to review sites

2017.12.20

Updated by Mayumi Tanimoto on December 20, 2017, 13:09 pm JST

ブロックチェーンを様々な業界に適用するモデルが盛り上がり始めていますが、その一つとしてもっと注目されてもいいんじゃないかと思うのが評価サイトなんですよね。

例えば、今や外食や旅行業界は、予約サイトの評価が売上を左右するわけですし、Amazonのレビューアーの評価、Airbnbのホストや宿泊客の評価も重要。中国だとモバイルペイメントのユーザーの評価が実質無人スーパーに入店する条件になっていたりします。

しかし、ネット上の評価が重要な割には、その正当性や本人確認は結構いい加減ですよね。

例えば、最近話題になったのはロンドン在住のジャーナリストの男性が、TripAdvisorに自分の家の物置をレストランと登録し、シェービングクリームなどで偽の食べ物を作って写真を掲載し、友達や知り合いにレビューを投稿させて、ロンドンでNo1のレストランに仕立て上げたのが話題になりました。

I Made My Shed the Top Rated Restaurant On TripAdvisor

電話番号を掲載していたので次々に予約が入り、PRエージェントや食品会社、撮影に使いたいという企業、働きたい人からも次々に電話が入ます。最後には、どうしても食事をしたいという人達からの予約を受けて、冷凍食品をチンして出してイタズラだとばらしたオチです。

ネットの評価や掲載された情報がいかにバカげたものか、ということの風刺ですが、「でも、家の物置をトップレストランにできたんだからインターネットではなんでも可能ということなんですよ」いうニヒルなコメントが実にイギリスらしいですね。

しかしこのイタズラは、風刺として面白いのですが、ビジネスに大きな影響を及ぼす評価サイトの書き込みや情報確認がいかにいい加減か、ということをばらしてしまったわけです。

この例からもわかるように、現在のネット上の評価は以下が問題です。

・一企業もしくは複数の大手に依存

・レビューされる商品やサービスの質、存在が、いつ、どこで、誰により確認されたのか不明

・評価内容やランキングの操作が恣意的であり不透明

・レビューアーのアイデンティティが確認できない

・フェイクのレビューが大量投稿される

これだけ評価の重要性が高まっているわけですから、もっと信憑性の高い仕組みがあってもいい気がするのです。ブロックチェーンを使って、旅行業界や外食業界向けの評価システムがあったらどうかと思いますが、すでにそういったソリューションがいくつか出てきています。

例えばREVAINは、ブロックチェーンを使って評価を行う仕組みですが、一旦記録されたレビューが改変できないことで透明性を保つことを目指しています。評価者は内部で発行されるトークンで報酬を受けることが可能です。このトークンの価値は上下しないとされています。

システムの安定性が確保されるなら、飲食や宿泊業以外に、例えば病院、歯科医院、航空会社、政府サービス、学校といったサービスの評価にも使えるのではないでしょうか。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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