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カナダとオランダ、ブロックチェーン方式のアプリを入国審査に使用

Canada and Holland to use blockchain for passport control

2018.02.23

Updated by Mayumi Tanimoto on February 23, 2018, 08:20 am JST

ブロックチェーンというと仮想通貨の話題が中心になってしまいますが、欧州ではブロックチェーンを使用して業務をどのように効率化するかということが相変わらず話題の中心のひとつです。

これまでは、EU圏内では国境を越える際にパスポートのチェックがなかったのですが、ここ最近のテロの増加によりパスポートチェックの復活や入国審査の厳格化が進んできました。 ですから、どの国でも入国審査に大変な時間かかることがあり、悩みの種になっています。

欧州というのは国同士が隣り合っていて、別の国に行くのも他の県に遊びに行く感覚ですし、激安飛行機や激安バスで運賃も格安ですから移動する人が多いわけです。

入国審査の混雑を解決するために、オランダはカナダと共同で「The Known Traveller Digital Identity (KTDI) プロジェクト」の実証実験中です。

ブロックチェーンに似たレッジャー技術を使用して、両国に入国する旅行者の個人情報をスクリーニングし、リスクが低いと判断されると早く入国可能です。

入国者はスマホのアプリに個人情報を入力し、入国時にかざすと低リスク旅行者として認識されます。

アプリだけでは入国許可にはなりませんので、パスポートも提示する必要がありますが、低リスクの人を優先審査することで入国審査混雑解消になるわけです。個人情報は、一カ箇所のサーバーに保存されるわけではなく分散記録されます。

当局等により個人情報が確認される回数が増えれば増えるほど信頼性が上がるという仕組みで、ブロックチェーンと機械学習を組み合わせたような面白い仕組みですね。

このようなスクリーニングの仕組みというのは、入国審査だけではなく、例えば公共交通機関やイベントなどでも活用可能になりそうですし、小売店で来店頻度の高い人や購入金額が大きい人に対して特別なサービスを提供する、というよな用途にも活用できそうです。

人手不足が懸念されている日本ほど、こういった仕組みをどんどん導入して業務の効率化を進めるべきだと思うのですが、コインチェックの件でブロックチェーンに対して後ろ向きなイメージが広がってしまったのが問題ですね。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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