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ポーランド大使がBrexit後に自国民に帰国を推奨

画像はイメージです original image: © biker3 - Fotolia.com

ポーランド大使がBrexit後に自国民に帰国を推奨

Polish ambassador recommends Poles to go back to Poland after Brexit

Updated by 谷本 真由美 on September 23, 2019, 14:21 pm JST

谷本 真由美 mayumi_tanimoto

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

在英ポーランド大使がBrexitで混乱が生じるので自国民に帰国を推奨するメッセージを送ったことが話題になっています。

イギリスにポーランド人がいるということに驚く方がいらっしゃるかもしれませんが、実はポーランド人というのは、インド人と並んでイギリスて最大の外国人グループを構成している人々です。

その数は2016年の離脱投票時には100万人を超えていましたが、現在は83万人余りです。

数が多いためロンドンだけではなく地方でもポーランド人向けスーパーや小規模な商店がたくさんあります。 

店内は恐ろしく清潔で、イギリスではあまり見かけることがないポーランドやドイツ式の皮がパリッとしたソーセージが入手可能です(イギリスのスーパーにあるのは、通常はグニャッとしたイギリス式ソーセージです)。シャウエッセンが恋しい私は、ポーランド人の店を愛用しています。

ザワークラウトや酢漬けの魚が安いのも嬉しいですが、特に素晴らしいのはポーランド式のパンです。皮がパリッとしていて、でも中身はちょっと軽め、というハンガリーのパンに似ているのですが、イギリスの店舗では手に入りません。塩も軽めで、フランスのバゲットよりも軽いので食事の付け合せに良いのです。これにポーランドのサラミやソーセージを挟んで食べると大変美味です。

店員さんは全く笑みを浮かべずポーカーフェイスですが、恐ろしい速さで袋詰めや会計をすませます。大変効率的です。お喋りしながらノラリクラリなイギリスの店舗とは違います。同じEU圏内といっても国民性はこの様に違います。

ポーランド人はお世辞も何もいわずに黙々と働くので、大工仕事や病院の仕事もあっという間です。

ポーランド人はキリスト教徒が大半で、見た目もイギリスの白人にかなり近いので文化的な違和感もないようです。他の東欧の国の人と同じく、英語も恐ろしい速さで身につけます。手先が器用で働き者の人が多いので、 イギリスで最も歓迎される外国人グループの一つで、2000年以後急激に人口が増えました。

特に大都市圏では、大工さんや電気工事士などの手に職系のスキルがある熟練工はポーランド人が多く、またカフェやレストランの料理人や経営者もポーランド人が多いです。ロンドンや郊外には、ポーランド人の経営するケーキ屋さんもあり、ウィーンやハンガリーのカフェに似たケーキを楽しむことができます。 

イギリスのポーランド人というのは、第二次世界大戦後もそこそこの人数がいて1951年には15万人あまりでした。しかし、その後どんどん減っていき2001年には5万人台になり、以後、急増したわけです。

2001年には5万8千人だったのが2016年には100万人を超えましたから、15年ほどの間に94万人ほどの人が移動してきたことがわかります。小さめの街がたった15年で9個ほど増えた計算です。

イギリスの国の面積や人口は、ちょうど日本の半分ぐらいなので、日本で考えた場合、特定国の外国人が15年で180万人ほど増えて、小さめの街が18個増えるということです。

EUの移動と居住の自由が解禁になって、ポーランド人だけでこれだけの数の人がイギリスに住むようになりました。他の国籍のEUの人も含めたら莫大な数です。

離脱派の人々は「外国人が増えた」「病院や学校がいっぱいだ」「住宅が足りない」と主張していましたが、これが単なる誇張ではなく、実際に外国人がどっと増えたことを普段の生活で感じていたということがおわかりになるのではないでしょうか。

 

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