メイン利用2割、検討者は2300万人超に成長したMVNO、OCNモバイルONEが新料金コース
2019.11.21
Updated by Naohisa Iwamoto on November 21, 2019, 06:25 am JST
2019.11.21
Updated by Naohisa Iwamoto on November 21, 2019, 06:25 am JST
MVNOのメイン利用がY!mobileを加えると18.9%に--。格安SIM、格安スマホの利用は確実に進展しているようだ。NTTコミュニケーションズとNTTレゾナントによる「OCNモバイルONE」の新料金コースの発表会で、ゲストとして登壇したMMD研究所 代表取締役の吉本 浩司氏が明らかにした。
吉本氏は、2019年9月時点の調査結果として、メイン利用の端末のキャリアの比率は、「3キャリアで約8割、MVNOは13.2%、Y!mobileが5.7%だった。MVNOとY!mobileを合計すると18,9%と、20%に迫りキャズムを超えた状態にある」と説明。サブ端末としての利用も含むファネルを分析すると、対象とした18~69歳の人口に掛け合わせたところ、MVNOの利用検討者が29%、2352万人に上るという。「MVNOの市場に期待している」(吉本氏)。
MVNOと3キャリアによる利用動向の違いも明確になっている。端末の分割支払い価格やオプションも含む通信料金では、MVNOは月額2000円未満が約30%、3000未満まで含めると約60%となり、低コストでの利用が目立つ。一方で、3キャリアの最頻値は7000円~1万円の28.2%で、MVNOの格安SIM、格安スマホによる利用者のコストダウンがはっきりと見てとれる。同時に、月間のデータ通信量でも傾向に大きな違いがある。MVNOユーザーでは1G~3GBが43.7%と最も多いのに対して、3キャリアは10G~30GBが21.9%と厚い層になっており、ライトユーザーのMVNO、ヘビーユーザーの3キャリアという使い分けも見える。
そうしたMVNOの利用実態がある中で、NTTコミュニケーションズはOCNモバイルONEに「音声対応SIMで月額980円から」という新料金コースを発表した。新料金コースは、月間データ通信量が1GBから30GBまでの6コースで構成する。月間1GBのコースで音声対応SIMを利用した場合、月額料金は1180円。OCN光モバイル割を適用すると月額980円で、データ通信と音声通話の基本料金がまかなえる。最低利用期間や解約違約金の設定はなく、使いやすさをアピールする。また、容量追加オプションも1GBあたり500円と低料金に抑えた。
音声通話に関しては、新料金コースで音声対応SIMを契約してから最大12カ月は、月額300円で「OCNでんわ10分かけ放題オプション」を利用でき、通話の自由度も高まる。12カ月経過後は、通常の月額850円の料金が適用される。
また、新料金コースでは、ピーク時のデータ通信の混雑緩和のため、高速通信の容量を超えた場合の通信速度制限に新しい手法を取り入れる。基本通信容量を超えた場合、基本通信容量の半分までは200kbpsの制限になるが、それ以上の容量を利用する場合はさらに低速への制限を行う場合があるというもの。ごく一部の利用頻度が高いユーザーによる帯域の圧迫を防ぎ、ランチタイムなどの通信速度低下を極力下げることを狙う。
条件が合えば、980円で音声対応SIMを運用できる新料金コースの提供で、「2016年にはMVNOでトップシェアだったOCNモバイルONEだが、2019年には4位。MVNOユーザーの利用動向に合った新料金コースを提供し、再び業界シェアナンバーワンを目指す」(NTTコミュニケーションズ OCNモバイルONE サービスプロデューサー 木藤暢俊氏)という。
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