写真:Nykonchuk Oleksii / shutterstock
アスタナ万博で放たれたタイの異彩。「万博思考」はこうして生まれる
2023.02.15
Updated by WirelessWire News編集部 on February 15, 2023, 07:09 am JST
写真:Nykonchuk Oleksii / shutterstock
2023.02.15
Updated by WirelessWire News編集部 on February 15, 2023, 07:09 am JST
最適解を導く「万博思考」の登場は必然的だった
以前「岡本太郎とデザイン」について取り上げたとき、私は岡本の仕事をデザイン思考という観点から論じた。デザイン思考とは、問題のソリューションを導くために、デザイナーがデザインを行う時の思考をビジネス等の現場に応用したものであり、その思考は(1)観察・共感(Empathize)/(2)定義(Define)/(3)概念化(Ideate)/(4)試作(Prototype)/(5)テスト(Test)の順に進行する。実際に岡本のいくつかの作品について見てみると、その制作プロセスは多くの点でデザイン思考のそれと共通していた。
今回私が提案した「万博思考」は、換言すれば万博を舞台としたデザイン思考のことである。万国博覧会は、それ自体が巨大なデザインイベントとしての側面を有している。多くのパビリオンが林立する会場で、参加各国や企業はいかにして自国や自社の魅力や技術を訴求するのか。博覧会国際事務局(BIE)の方針転換によって万博が課題解決型イベントへと変容を遂げた21世紀には、ここにいかにして与えられた課題へのソリューションを提示するのかという要素が加わった。上記のプロセスに従って最適解を導く「万博思考」の登場は必然的な事態だったと言ってもよい。
もちろん、環境問題の重視という緩やかな枠組みはあるにしても、各回の万博が掲げるテーマは異なったものであり、また参加各国や企業が試みるアプローチも千差万別である。多くの興味深い試みの中でも、ここではミラノ万博におけるカザフスタン館とアスタナ万博におけるタイ館の展示に注目してみたい。
※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の抜粋です(この記事の全文を読む)。
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