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データ活用は無意味だったのか。データ分析部門創設で生産性が下がる?

2023.12.12

Updated by WirelessWire News編集部 on December 12, 2023, 11:13 am JST


失敗するデータアナリティクス部門

この数年で、多くの企業が社内外のデータを分析し自分たちのビジネスに活かすため、新たに「データアナリティクス・チーム」を創設してきました。分析者の採用は活発化し、関連設備への投資は随分と進められています。

一方で、チームを作り設備も用意されたというのに成果が挙げられず、データアナリティクス・チームの閉鎖や縮小、企業内での立場が弱くなるという結果も生まれています。なぜ、このようなことになってしまうのでしょうか。

データの活用に実は価値がなかったのでしょうか? いいえ、そんなことはないはずです。実際にいくつかの企業ではデータを活用し、大きな成長を遂げています。では、成功した企業と失敗した企業では何が違ったのでしょう。この疑問に対する答えは無数にあり、既に多くの例がインターネットや書籍に書かれています。良い人材を採用できなかった、解くべき課題が設定できなかった、現場が協力を拒んだ、などです。

要するに、データアナリティクス・チームを成功させる秘訣は事業部とのパートナーシップを強化し、並走させることなのです。データアナリティクス・チームが依頼をこなすだけの下請け組織から脱却すること、共に事業を成長させるための頼れる専門家集団へと進化させることが必要です。


下請け化がもたらす弊害

まずは、データアナリティクス・チームの下請け化という現象について解説します。多くの企業では、既に事業を展開している部署の支援組織として、後からデータアナリティクス・チームを設立しています。そのため、組織内の力関係として事業部本体の方が強く、データアナリティクス・チームが弱い立場になりやすい傾向があります。

データアナリティクス・チームの立ち上がりの時期は、事業ドメインについての知識が不足しており、事業部側もデータアナリティクスの知見が不足していることから、事業部が知りたいことを聞いて調査方法はデータアナリティクス・チームに一任され調査する、という依頼ベースの仕事の進め方になっていきます。

このようにして事業部が主導権を持っている状態が常態化すると、次第にデータアナリティクス・チームは事業部の下請け組織となっていきます。事業部に言われるがままにデータ集計や分析を行うだけの状態です。この状態が長く続くと、いつまで経っても事業部とデータアナリティクス・チームの間にシナジーが生まれず、生産性は上がらないどころかむしろ下がっていきます。

※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の抜粋です(この記事の全文を読む)。
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