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デジタル化と巨大企業の「税逃れ」。加速し続ける無形資産への投資

2024.01.16

Updated by WirelessWire News編集部 on January 16, 2024, 07:10 am JST

製造業においても増える無形資産への投資

企業の資産のあり方は、21世紀になって非常に激しく変わりつつある。それまで経済を牽引してきた製造業は、従業員も多く、大工場があり、資産といえば有形資産がほとんどであった。だがITが発展すると、知的財産の重要性が著しく増加し、無形資産が有形資産よりも重要な地位を占めるようになっていった。

無形資産とは、物的な実態のない資産のことで、具体的には、特許や商標権、著作権といった知的資産、従業員の技術や能力などの人的資産、企業文化や経営管理プロセスなどといったインフラストラクチャー資産を指す。

有形資産と比較して、無形資産をどのように把握するのかは難しい。また、そこにかなりの恣意性が入る可能性も否定できない。IT産業は無形資産を大きく増やすことによって株価を上げ、時価総額を増やした。ヨーロッパとアメリカでは、リーマンショックの頃に、無形資産への投資が有形資産への投資を上回るようになった。

それに対し日本の例えばトヨタの会計では、無形資産はあまり重視されていない。さまざまな技術や経営上のノウハウがあるトヨタであれば、資産総額はとてつもなく大きくなる可能性がある。しかし、彼らはIT産業のように積極的に無形資産を資産として計上しようとはしていない。

無形資産への投資が増大した理由として考えられるのは、企業が生み出すモノのバランスが変わったということである。先進国においては、ドイツや日本のような巨大製造業が存在する国でさえ、サービス業が主要産業になっている。

サービス業は、1990年代後半には有形資産への投資が多かったが、それが逆転した。 グローバリゼーションが進むと、先進国は比較優位な分野にさらに専門特化しなければならなかった。製造業においても、より高度な、あるいは複雑な技術への投資が行われた。

※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の抜粋です(この記事の全文を読む)。
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