写真:Gorodenkoff / shutterstock
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意外に思われるかもしれないが、インドのテック企業で活躍しているのは男性ばかりではない。非常に多くの女性エンジニアが高いキャリアを築いているのである。
筆者は、新卒でインド系IT企業に就職してから約8年間、インド人のエンジニアたちと共に働いてきた。働き始めた当初は日本支社に勤務し、日系企業のクライアント向けに働いていたため、日本の職場や企業文化も体験している。
インドのバンガロールに拠点を移して3年経つが、日本とインドの企業文化、特に女性にとっての働きやすさについて、日本とインドの違いを感じる機会を非常に多く得てきた。そこで今回の記事では、インドのテック企業で働く筆者の実体験や考察を交えながら、インドのテック企業における「女性の働きやすさ」について伝えたいと思う。
理工系科目の学位保持者は約40%が女性
インドに拠点を構えるテック企業では、非常に多くの女性エンジニア、女性リーダーが活躍している。
インドにおける、理工系科目(STEM:Science, Technology, Engineering and Mathmatics)の学位保持者の約40%が女性である。世界全体では約20%であるため、インドの女性エンジニアは世界全体と比べて、かなり高いと言える(※1)。
ちなみに、経済協力開発機構(OECD)の統計によれば、2021年時点で日本は加盟国平均を下回り、「自然科学/数学/統計学」の分野で27%、「工学・製造・建築」で16%であり、いずれも加盟38カ国の最下位である(※2)。
インドのIT企業では、約200万人の女性エンジニアが活躍しており、インドのIT企業に直接雇用されているITエンジニア(約530万人)の約36%を占めている(※3)。
では、なぜこれほど女性エンジニアが多いのか。それは、インド政府が女性の理工系教育に力を入れていることの影響が大きい。
※1 Progress for Gender Equality in the Tech Industry?
The Percentage of Female Software Engineers in 2023
※2 理系女性の割合、日本が最下位(日本経済新聞)
※3 The Times Of Indiaの記事による
Women in IT more than double to 20 lakh in a decade,
make up 36% of workforce now
インド政府による女性の理工系教育へのサポート
近年、インドでは女性への高等教育の機会が拡大している。インド国内では工学系の大学が増えており、これとともに女性が理工系科目を学べる環境も拡張してきた。
インド政府は女性に対する理工系教育をサポートする様々な取組みを行ってきた。奨学金、メンターシッププログラム、無料のオンライン学習コンテンツの提供などを通して、女性の理工系教育、および理工系分野でのキャリア構築を支援してきた。
※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の前半部分です。
(「インドで活躍する女性エンジニア」について続きを読む)
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