2014年12月11日、Googleは同社が提供している「Google翻訳」で新たに10言語を追加して、合計で90言語に対応するようになったことを発表した。今回追加した10言語は全世界で2億人以上が利用している。
▼Google翻訳に追加された10言語
従来は言語構造やフォントから難しい言語も「Google翻訳」に対応してくるようになった。これによってますます現地の言葉で書かれたWebサイトを英語や日本語に変換して読めるようになる。
Webの翻訳サービスは情報収集の在り方を大きく変えた。
かつてWebの翻訳サービスが無かった頃は、辞書を引きながら翻訳、解釈していた。しかしWebでの無料の翻訳サービスの登場によって、簡単に英語や日本語に翻訳できるようになった。翻訳機能は多くの人に利用されることによって、精度を高めていく。
「Google翻訳」を利用している人は多いのではないだろうか。筆者は年に2回執筆を担当しているデータブック編纂でトルコを担当しているが、トルコ語は理解できないので、執筆時にはいつもトルコ語のニュースを英語に翻訳して情報収集している。日本語に訳すよりも英語に訳す方が、精度が遥かに高い(つまり、英語に翻訳する人が多いから精度が向上している)。
これからも、このようなWebの翻訳サービスによって、世界中の様々な言語で発信された情報に接することができるようになるだろう。しかし、そこに出ている情報を精確に読み解くことができるようになるためには、翻訳サービスだけでは物足らない。翻訳サービスはあくまでも右から左に訳してくれるだけであり、解釈は個人でやらなければならない。
いずれにせよ辞書を引きながら外国語を読み解いていた時代が懐かしい。
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。