ASUS、インドネシアで販売するスマートフォンを2016年には100%「国産化」へ
2015.10.20
Updated by Hitoshi Sato on October 20, 2015, 10:41 am JST
2015.10.20
Updated by Hitoshi Sato on October 20, 2015, 10:41 am JST
台湾のPC・スマートフォンメーカーのASUSは2015年9月14日、インドネシアで販売するスマートフォンのうち、インドネシア製の比率を現在の75%から2016年には100%に引き上げると発表した。ASUSはインドネシアで急成長するスマートフォン需要にも応えていき、さらに関税の節減を目的としている。ちなみにインドネシア政府は同国で販売される4Gスマートフォンの部品について、2017年から30%以上のインドネシア製部品使用の義務化を検討している。
台湾に拠点を置くASUSは、2015年の携帯電話機出荷台数を300万~400万へ、2016年は500万へ拡大していく計画である。台湾市場だけでは限界があるASUSにとって、インドネシアのスマートフォン市場は海外で最大の市場となっており、毎月の出荷台数は30万台を超えている。ASUSはインドネシアのPT Sat Nusapersada Tbkと提携して、スラバヤの工場でスマートフォン製造を行っている。同社のスマートフォンZenfoneは2万円弱で、インドネシアでも人気はあるが、決して爆発的に売れている商品ではない。ASUSのCEOのJerry Shen (沈振來) 氏によると、同社はインドネシアのスマートフォン市場で15%を目指しているが、その壁はかなり高い。
現在のインドネシアには安くても品質のいいスマートフォンが多い。スマートフォンの製造を100%インドネシアにして、インドネシア国産品にしたからといって、ASUSの製品が爆発的に売れるとは限らないだろうが、関税分の価格が安くなることは期待される。
▼ASUSがインドネシア市場に投入しているZenfone2は約2万円
【参照情報】
・Asustek to widen localization in Indonesia (TAIPEI TIMES)
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。