衛星写真をAIで解析 - フェイスブックが進める人口分布図作成プロジェクト
2016.02.23
Updated by WirelessWire News編集部 on February 23, 2016, 16:08 pm JST
2016.02.23
Updated by WirelessWire News編集部 on February 23, 2016, 16:08 pm JST
フェイスブック(Facebook)が、世界のどの地域にどの程度人間が居住しているかを詳しく記した地図作りを進めていることを、米国時間22日に明らかにした。同社ではこの成果をInternet.orgの取り組みに役立てたい考えで、また今年中には解析データを一般公開する考えだという。
フェイスブックの「Connectivity Lab」部門では、人口衛星やドローンなどを利用しながら、インターネット接続環境のない世界の各地域に接続サービスを提供するInternet.orgの取り組みを進めている。人口居住の分布をマッピングした詳細な地図は、どの地域にどの技術を使って接続環境を提供するのが最適かを判断する上で必要とされるもの。なお、フェイスブックは昨年この地図作成プロジェクトの存在を明らかにしていたとBBCは記している。
BBCによると、フェイスブックのConnectivity Labは、社内のデータサイエンス部門、インフラ担当部門、マシン学習/AI研究グループの力を借りながら、すでに世界20か国、2億1600万平方キロメートルの範囲を撮した146億枚の衛星写真データを解析。この結果得られたデータの量は350テラバイト(TB)に上るとされている。さらに、これまで画像中の顔認識などに使われてきた自動画像認識技術を応用することで、建物の輪郭などを特定することにも成功しているという。
フェイスブックは今年中にこのデータを一般公開するとしており、またコロンビア大学の国際地球科学情報ネットワークセンターと協力しながら新たな人口データセットを作成する予定もあるという。
なお、この話題を採り上げたBBC.com記事中には、同プロジェクトの潜在力を前向きに評価する英国赤十字関係者の見方や、プライバシーの侵害につながりかねないとする専門家の見解が紹介されている。
(左側が元になったデジタルグローブの衛星写真。右側がAI解析後の同地域の画像)
【参照情報】
・Connecting the world with better maps - Facebook
・MWC 2016: Facebook uses AI to map people's homes - BBC
・Facebook is using AI to make detailed maps of where people live - The Verge
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら