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「ハートID」はITにおける告げ口心臓(by エドガー・アラン・ポー)か?
2017.10.25
Updated by WirelessWire News編集部 on October 25, 2017, 07:00 am JST
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2017.10.25
Updated by WirelessWire News編集部 on October 25, 2017, 07:00 am JST
コンピュータへのログインは、ユーザー名とパスワードを使う方法が最も一般的だ。ただし、これは文字列の入力だから、本人でなくてもログインできてしまう。そこで、犯罪捜査にも使われる指紋を使って本人確認を行う方法や、静脈、虹彩、さらに顔のパーツの部位など、二人として同じパターンを持たない生体情報を使うさまざまな認証方法が商用化されている。
そんな中、バッファロー大学(ニューヨーク州)准教授、許文曜氏らのチームが開発したコンピュータ・セキュリティ・システム(「Goodbye, login. Hello, heart scan.」)は、心臓の動きを使って本人確認を行う。これまでも心電図を用いた認証方法は試されてきているが、医療機関が検査で使うような電極を体に接触させるものばかりだった。バッファロー大学のシステムは、低出力のドップラーレーダーを使う。約5mWでスマートフォンの発する電磁波の1パーセント未満で健康への影響はないという。
ログイン時には認識に8秒ほどかかるが、その後も連続して計測し続けて、本人以外がパソコンの操作を始めると、そのことを検出してパソコンを使えなくしてしまうことも可能だという。つまり、席を離れる時などに利用者がわざわざログオフしたり、ロックしたりする必要がない。また、非接触での認証であるため、指を押し当てたり、カメラに顔を向けたりといった手間も省ける。システムの小型化が進めば、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンにも応用できそうだ。
また、パソコンが心臓の動きをモニタリングし続けることになれば、視聴するコンテンツが人体に与える影響を調べるなど、ヘルスケアやマーケティング調査など、認証の他にも用途が広がる可能性もあるだろう。
さらに、10メートル程度離れた場所でのスキャンも可能ということで、セキュリティゲートなどへの応用も検討されている。
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