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久野 愛 a_hisano

東京大学大学院情報学環准教授。東京大学教養学部卒業、デラウエア大学歴史学研究科修了(PhD,歴史学)。ハーバードビジネススクールにてポスドク研究員、京都大学大学院経済学研究科にて講師を務めたのち、2021年4月より現職。専門は、感覚・感情史、ビジネスヒストリー、技術史。『Visualizing Taste: How Business Changed the Look of What You Eat』(ハーバード大学出版局,2019年)でハグリー・プライズおよび日本アメリカ学会清水博賞受賞。近著に『視覚化する味覚-食を彩る資本主義』(岩波新書、2021年)。

オンラインショッピングは、近代の豊かな消費生活を壊すものだといえるのか

日本における近代消費社会の勃興を考える上で無視できないのがデパート(百貨店)である。三越や白木屋、高島屋、大丸など、今日の大手デパートの多くは、江戸時代に呉服店として創業した。これら老舗呉服店は、1900年代から1910年代にかけて経営方針を大幅に変更し、欧米のデパートに倣って、呉服のみならず輸入品も含めた多種多様の商品を取り扱うようになった。後に店名から呉服店という称号も外し、名実ともに「デパート」として生まれ変わったのである。

2025.04.28

ヴァーチャル世界が拡大する今日に、共感覚的な体験は作れるか

確かに視覚に訴えるメディアが発達した消費社会の台頭により、視覚の質的変化がもたらされたのは事実である。だがそれは同時に、匂いや音など他の感覚の変化も伴うものだった。つまり、宮沢賢治が描き出したように、都市の風景をはじめ周辺環境は五感を通して感じとるものなのだ。

2025.04.10

「感覚」はすべての学問の土台でなければならない

もし過去の豊かな五感経験が失われつつあるのだとしたら、逆に現代社会だからこそ生まれた新しい感覚というものもあるかもしれない。五感を通して見えてくるもの 、社会の変化やその中で紡ぎ出される人々の関係や生き方は、より一層複雑化する世界の中で、社会のあり方を考えるヒントを与えてくれるのではないだろうか。

2025.03.13