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岡村 毅 t_okamura

1977年米国生まれ、2002年東京大学医学部を卒業し医師免許取得。東京大学大学院にて医学博士取得。精神神経学会専門医・指導医、老年精神医学会専門医・指導医、精神保健指定医の資格を持つ。東京大学医学部助教を経て、現在は東京都健康長寿医療センター研究所研究副部長として高齢者のメンタルヘルスの研究に従事する。上智大学グリーフケア研究所非常勤講師、東京大学非常勤講師、大正大学地域構想研究所非常勤所員を兼務する。またNPO法人ふるさとの会の顧問として、ホームレス支援に従事する。

認知症を自認したりしなかったりする人々が集う「本人ミーティング」。彼らは未来を語りうる

当事者参加は、医学においてはかなり前から大きなうねりになっている。最近は、海外の一流学術誌でもPatient involvement(患者の関与)の記載も散見される。ここには「この研究を計画するにあたり、この疾患を持つ人を含めた委員会で方法の妥当性を検討した」などが記載される。 今回は、認知症における当事者参加について掘り下げてみたい。

2025.07.07

データの量だけで真理に近づけるわけではない。囲碁と認知症予防の現場から

社会医学研究は、いっそう臨床的に意味あるものに向かっており、さらに量的研究だけから質あるいは量と質の混合研究に向かっており、複雑なテキスト分析もいいがシンプルで誰にも分かりやすい分析が好まれ、コミュニティのなかで(CBPR)現実的に(Realistic approach)研究が進むようになってきた。

2025.06.19

10人に1人が認知症をもつ時代、人類の基本動作である「農」が危険な2分法を回避する

21世紀の半ばには高齢者(65歳以上の人)は人口の40%を超え、認知症をもつ人は1,000万人前後と推計されている。そのころ人口は1億人を下回っているのであるから、日本人の10人に1人は認知症をもつ可能性がある。

2025.05.12

語り継がれず消えてしまう、もうひとつの東京

ホームレスの世界の歴史は貧困と排除の「もうひとつの東京史」であるが、デジタルにはなっておらず、いや紙にすらなっておらず、人々の記憶の中にだけあり、おそらく当事者が亡くなってしまうと消えてしまうナラティブであろう。デジタルトランスフォーメーションの及ばない、外部世界という意味でも興味深いのではないか。

2025.04.30

宗教と医療の協働は時代の要請である

筆者の専門領域である認知症を例に、医療と宗教社会資源の協働が生まれている例を示そう。現在、認知症等の介護者のために介護者カフェを開催している寺院が、全国的に同時多発的に出現している。

2025.04.18

予防できない認知症。自分を疎外するのは、老いや死を受け入れない態度である

古い考えを捨てる時期だということを、(私は認知症の専門家なので)認知症を例に話そう。認知症が老いを代表する状態であることに異論はあるまい。社会の関心もとても高い。しかし専門家の立場から見ると、多くのひとが誤解しているように思われる。

2025.03.27