as a Service (読み)あずあさーびす
「〇〇をサービスとして捉えること」つまり、元来サービスとは考えられてなかったモノ・仕組み・システムをサービスとして考えてみよう、だが、一部には「モノ(耐久消費財)としてまとまった価格では売れないので、サービスと称して少額課金モデルにすればお金が取りやすい」ではないのかといううがった見方もある。
2019.03.24
XaaSの先頭のXは「X」ではなく「なんとか」と読んでいただきたい。つまり「XaaS=なんとか あず あ さーびす」である。ともあれ、この「XaaS」にはいろいろあってAからZまで全部あるという噂もあるぐらいだが、よく聞くのが「SaaS(Software as a Service)」で、「モノ感」の漂う買い切りの箱入りパッケージソフトと、DropboxとかSalesforceのようなサーバープログラムをサブスクリプションするサービスと対比させてみるとわかりやすい。(https://kizinonakime.com/isejingu-omikuzi-11166)ただパッケージソフトそのものも消えつつあるようで、かの MS-Office もサブスクリプションモデルの Office365 がメインになって、パッケージ版は消えゆく運命にあると聞く。個人的にはそれよりもコモディティ化した OS、WindowsXP をサブスクリプションモデルに変えて年間3000円ぐらいでセキュリティパッチだけ購入できるモデルにしてもらえたほうがありがたかった。つまり「セキュリティの確保」を無償サービスから有償サービスビジネスに切り替えるということ。もちろん契約にはそんなこと書いてないから実際にはいろいろ面倒だし、そのうえ新しいOSの売上にも影響するだろうから現実的にはありえないとは思うが、ともあれ、この流れで思い出すのは前世紀末(1990年代末)に一世を風靡したコマーシャルコピー「モノより思い出」である。このあたりから「モノよりサービス」みたいな雰囲気が出てきたように思うが、その背景にあるのは1980年代の金融ビッグバンに象徴される「モノづくり・産業資本主義」から「利鞘稼ぎ・金融資本主義」への変化だろう。それはそれとして「いろんなものをサービスとして考えてみよう=EaaS(Everything as a Service)」ってのは悪くない考え方だと思う。
「モビリティと人の未来」編集部【編】
平凡社 (2019/02)
|2,800円(本体)
|A5判
|237p
|9784582532265
▼自動車の本来の目的は「乗員を安全に目的地まで送り届けること」であって、運転していて楽しいかどうかというのは二の次三の次どころか、ある意味どうでもいいことだったのではないか、ということに自動運転という新しい技術は気づかせてくれた。自動車も「サービスを提供する仕組み」として考えるべき時代になった、をテーマとした本。