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PoC (読み)ぴーおーしー(ぽっく)

Proof of Concept の略で「新しい概念を持った技術が実現可能かどうかを検証すること」なので、日本語だと「概念実証」と訳されるが、実際には「新しい経理システムの導入・現場運用テスト」レベルのものをPoCと呼ぶ場合もある。

その「面白い話」が実現可能かどうか調べるために PoC は行われる

2019.03.22

Updated by on March 22, 2019, 18:43 pm JST

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PoCを実施してみて「実現可能である」となれば、次のプロセス、一般的にはプロトタイプ作成からフィージビリティテスト(現場で実運用するシステムであれば、予算や期間など、より具体的な要件と突き合わせながら実現可能かどうかを検証する)の流れになる。従来はプロトタイピングの一部として扱われていた部分が、AIなどの新しい概念や技術が出てきたため、切り離されて独立したプロセスになったと考えることもできる。
似た言葉に Proof of Value(価値実証)があるが、これはその仕組みあるいはシステムがどれだけの価値を持ちうるか(というより掛けたコストに見合うか)を検証することで、さらにそれが実稼働したときに外部環境へどのような影響を与えるかの検証作業が assessment(アセスメント)になる。
PoC が行われるのは「いままでにその考え方で作られた技術=システムが存在しない」場合なので、いままでは、極めて先端的、実験的なことをやっている研究所(常温核融合の研究所みたいな)だけだったと思われるが、最近では AI(的な機能を持ったプログラム)を直接現場で作って使うといったケースも多くなり、一般企業で PoC が実施されることも珍しくなくなったようだ。

追記|調べていて「モンティ・パイソン」の「誰でも読むだけで笑い死にするジョーク」という有名なコントというかエピソードを思い出した。戦場で敵味方ともにこのジョークが書かれた紙を見て(ジョークを読んで)バタバタと倒れていくというような映像だったような気がするが、当然ながら「文章の内容」は映されない。ほんとにそんなジョークというか文章を作ることができるのかどうかを調べるというのも立派なPoCなんじゃないかと思うのだが、誰もやらないだろうな。ほんとに出来たら書いたやつがいちばん初めに死ぬわけだから。おそらく脚本はテリー・ギリアムだと思うが彼のことだから「このコントを見たやつはこういうようなことを考えるであろう」と見抜いた上でのコントだとも思う。

野菜写真家を夢見たあの日、家人の「またそういう実現性の薄いこと言ってる」の一言で白昼夢から叩き起こされた想い出。

情シス・IT担当者“必携” システム発注から導入までを成功させる90の鉄則

田村 昇平【著】
技術評論社 (2017/04)

|2,180円(本体)
|A5判
|255p
|9784774189253
▼PoCあるいは概念実証をダイレクトにテーマにした本は発見できませんでした。本来のPoCが行われるのは、先端的な研究が行われているような組織のはずなので、一般向け解説書がないのは当然かもしれません。仮にPoCの一般解説書があってもいわゆる「現場」とは縁遠い内容になって役に立たないかもしれませんし。で、この本はちょっと珍しい「システム開発を発注する側」の教科書です。システム開発全体の流れを押さえておけば、試験運用(現場レベルのPoC?)を実施する場合にもピントはずれになるリスクを軽減できると思います。