仏シークアンス、LTEチップセットを発表 - WiMAXからLTEへ重点をシフトするチップメーカー
2010.03.18
Updated by WirelessWire News編集部 on March 18, 2010, 00:00 am JST
2010.03.18
Updated by WirelessWire News編集部 on March 18, 2010, 00:00 am JST
WiMax用通信チップ大手メーカーのひとつである仏シークアンス・コミュニケーションズ(Sequans Communications)が、同社初となるLTEチップセットを発表。この"SQN3010"という製品は、ベースバンドSOCで3GPPのR8準拠。UEカテゴリー3のスループット100Mbps(20MHzチャネル時)をサポートしており、LTEバンドのクラス38と40に対応する。
シークアンスからSQN3010の供給を最初に受けるのは、中国チャイナモバイル(China Mobile)。同社では、5月から始まる上海万博で、自社のTD-LTEネットワークのデモを行うが、この時にSQN3010搭載のUSBドングルを来場者に貸し出す予定だという。このUSBドングルは、シークアンスが、アルカテル・ルーセント(Alcatel-Lucent)ならびに米モトローラ(Motorola)と共同開発したもので、2.3〜2.4GHz(「クラス40」)に対応。なおこの2社はシークアンスの出資者でもある。またチャイナモバイルでは中国独自規格のTD-LTEを全土に展開する予定だ。
LTEチップセットの市場へは、ビシーム・コミュニケーションズ(Beceem Communications)やアルテア(Altair)、コムシス(Comsys)、ウェーブサット(Wavesat)といったチップメーカー各社が参入を発表しており、アルテア、コムシス、ウェーブサットの3社はすでに製品のデモを行っている。
シークアンスは従来、WiMAX用チップセットを主力としており、ビシームやGCTセミコンダクター(GCT Semiconductor)とともに、同市場の90%近いシェアを占めていた。WiMAX向けチップセットの市場は2009年に年率332%増と急成長し、同年の出荷個数も500万個に達した模様だが、WiMAX市場自体の規模は2009年に15%程度の伸びに留まった。そのため、チップセットメーカーの多くはすでにLTEへの移行を表明している。(幸野百太郎)
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