米クァルコム、インドの周波数オークションに応札 - チップベンダーが通信キャリア事業へ意欲
2010.03.19
Updated by WirelessWire News編集部 on March 19, 2010, 00:00 am JST
2010.03.19
Updated by WirelessWire News編集部 on March 19, 2010, 00:00 am JST
米クァルコム(Qualcomm)が、インド政府が予定している2.3GHz帯周波数のオークションに応札したと、3月17日(米国時間)に発表している。
CDMA用チップで圧倒的なシェアを持つ同社は、2008年に米国28都市の700MHz周波数帯オークションで、8つのライセンスを落札したことがある(落札額はあわせて5億5810万ドル)。また同年、イギリスで1452〜1492MHz(40MHz幅)の周波数帯(「Lバンド」)を833万4000ポンドで落札している。どちらも同社の"MediaFLO"という技術を使ったFLO TVサービスの拡大が目的だったようだ。
さらに同年、日本でもKDDIとクアルコムジャパンの共同出資会社、メディアフロージャパン企画が、沖縄県那覇市・豊見城市のユビキタス特区でMediaFLOサービスの実証実験を行うための実験局免許を取得していた。これらの動きは、Qualcommにとっては新規事業であるモバイル放送(コンテンツ流通)の領域での周波数獲得を目的としたモノだった。それに対して、今回のインドのオークションでは、Qualcommは中国技術のTD-LTEを導入する計画だが、これは同社の中心ビジネスである携帯電話事業者向けの事業で、チップベンダーがキャリアになろうする新しいケースである。同社では、デバイス側がTD-LTEと同時に既存の2G/3Gをサポートすることで、一気に普及を促し、インドでの価格水準でも加入が増えるだけの量産効果を狙う意向のようだ。
またこのオークションでは、外資のみでの参入は認められていないから、インド国内のパートナーとの共同事業になる見込み。この動きは、喩えていえば、インテルやマイクロソフトが家電量販などと組んで(あるいは「傘下に入れて」)、パソコンの小売りに参入するようなものであろうか。そうすれば、日本の大手PCメーカー各社がインターネット・プロバイダーになってシェアを食い合ったようなケースは避けられそうだ。(幸野百太郎)
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